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妊娠悪阻で入院しましたレポ(前編)

この度、第二子を授かりました。

現在ようやく安定期に入ったところですが、少し前まで地獄のような日々を過ごしていました。そう、つわりです。

第一子の時もそれなりにしんどい思いをしたのですが、今回のつわりは第一子をはるかに上回る酷さでした。落ち着いてきたとはいえ未だにダメージを引きずっており、自宅で療養中です。

「○○さんの奥さん、つわり酷くて入院したんだって」

かつて人づてに度々聞いていた、つわり重症者の存在。
まさか今回その重症者側に自分がなるとは想定していませんでした。

どこまでいったら入院が必要になるのか、
実際つわりでの入院生活はどのようなものだったか、
どんなものが必要でいくらかかったのか…など、
私が体験した範囲内ではありますが、記憶が鮮明なうちに記録しておこうと思います。

これから妊娠する予定のある方やその周囲の方、
今まさにつわりが酷くて「入院すべき?」と迷われている方などの参考になれば幸いです。

1.始まりは突然に

今回の妊娠が確定したのは、妊娠5週目のこと。
その時点ではまだ体調もいつも通りで、産科の先生に「体調に変わりはないですか?」と聞かれても「今のところ特に…でもつわりが怖いです」と本音を伝えました。1人目の時にもそれなりにしんどい思いをした記憶があったから。
「早い人はもう(つわりが)来てもおかしくない時期だけどね。でも、2人目の方が症状重いって人、多いよ。

先生のその発言で一気に増す恐怖…

そこから数日は何の問題もなく過ごしていましたが、6週目に入ってから胃のムカムカ感を感じ始めました。
その2日後、仕事中に胃のムカつきとだるさがぐっと増し、早退。

それからというもの、自宅の寝室でベッドに寝たきりの生活になりました。
寝ていても具合は悪いけれど、基本起き上がることができない。
起き上がるのは、トイレに用を足しに行くときか吐きに行くときだけ。
ベッドとトイレを往復するだけの日々。
苦しみから少しでも逃れたくて、いっそ1~2ヶ月間眠り続けたかったけれど、気持ち悪くて眠れない。

ネットで見た「つわりに効く」というサプリは飲めず(そもそも水も受け付けない)、「つわりは酸欠状態に近い」と知って酸素スプレーの吸引も試みたけれど、スプレー独特の匂いがダメで断念。手首に巻いてツボを押すバンドも付けていたけれど意味なし。

「つわりはいつか終わる」

それは分かっている。でも当事者は、ただただ時が経つのを待つしかなく、
せめて今現在のこの苦しみを少しでも軽くしたい、数ヶ月乗り切るための希望が欲しい…そんな思いで、寝室の窓の外から枯葉がカラカラと回る音を聞いて過ごしていました。

2.ピークを目前に生命の危機

妊娠8週目頃、自分の尿が赤っぽくなってきていることに危機感を覚えました。水分が取れていなさ過ぎなのだ…

夫が仕事の都合をつけてもらい、かかりつけの産院まで連れて行ってくれました。車で片道約20分と、決して近くはない病院。当時の私は、まず2階寝室から1階に降りるだけでもやっと。車で揺られるのも気持ち悪く、病院に着いて待合室でまともに座っていることもままならず、待合イスで横たわって名前が呼ばれるのを待っていました。診察中に「あ、すみません吐きます」と宣言してその場で洗面器を借りて吐いたこともありました。

病院では点滴を打ってもらえました。所要時間は点滴量によって2~4時間程度。点滴を打っている間はいくらか楽になったような気がしました。もっと病院が近ければ、毎日点滴のために通えたかもしれない…しかし、どこかへ「移動する」というだけで本当に精いっぱいでした。

ある時、点滴の処置をしてくれている助産師さんに「つらそうね。かわいそうに…本当に辛かったら、入院するっていうのも有りよ」と言われました。
自分がつわりで入院?それまで考えてもみなかった。
「入院って、症状がどの程度までいったら…みたいな目安はありますか?」と聞いてみた。
「そうですね~、1日500ml以上の水分が自力で取れているかどうかとか…日常生活が普通に送れていないとか。」
「なるほど…(私、入院してもいいレベルなんだ…)」

そうは言ってもつわりで入院するなんて未知の世界。安心できる面もあるだろうが、不安も色々ある訳で…。
家事や上の子の育児に関しては既に夫が一人でこなしてくれていたので(本当に感謝!)そこまで不安はありませんでした。
入院にかかる費用はいくらなのか、何日くらい入院するものなのか、入院中の食事はどうなるのか…吐き気がするとはいえ、空腹になるとそれはそれで気持ち悪かったり、その日によって食べられそうなものがコロコロ変わるので、病院生活でそのあたりがどうなるのかも不安でした。

自宅の布団の中でスマホをいじりながら、「つわり 入院」などと検索してみると、自分よりも症状の酷そうな人(1日10回以上吐くとか)の入院体験ブログなども出てきて少し怯みましたが…
そんな中、こちらのならきちさんの入院レポnoteがとってもに参考になり、入院に対して前向きになることができました。

その時点で夫が、「明日は休みが取れるが、その後数日は仕事の関係で休むことはできない。もし近々入院するなら明日であれば私を病院に連れていける」という状況でした。
その頃、夫も私の看護のために会社に無理を言って毎日在宅勤務にしてもらっていました。これから9週目、つわり的にもピークであろう時期に差し掛かり、家に私がいる方が何かと夫に負担がかかりそう。何よりこの水分の取れない状況、自分とお腹の子の健康状態が危ない。

意を決し、産院に入院の相談の電話をかけました。
「お家のことや上のお子さんのこと、ご自身のライフスタイルを考慮して、点滴で通院するか、入院するか選ぶといいですよ」
電話口の助産師さんが優しい口調でそう言ってくれた。

そうして翌日から入院したい旨を伝え、私の新たなつわり生活のステージが決まったのでした。

3.妊娠9週目、いざ入院

その日、午前10時頃に病院へ行くと連絡してあったのですが、起き上がれない体を起こしてのろのろと入院準備をし、途中気持ち悪くなっては吐きに行き…という調子だったため、病院到着は10半頃となりました。

私のかかりつけ産院の入院室は基本的に全て個室。トイレやシャワー室も個別に備えられていて、ちょっとしたビジネスホテルのような間取り。
担当助産師さんに支えられながら部屋に通され、まずベッドに横たわりました。検温、血圧測定、入院着に着替え、採尿・採血。なお、検温は毎日、その他の測定は週1度ペースで行われました。

そして、今後の食事についての相談。空腹すぎると気持ち悪くなることや、最近かろうじて食べられているもの(当時の私はコンビニの梅干しおにぎりなどは食べられた)を伝えました。「当面は病院食の献立の主食がパンや麺などの場合はおにぎりや白米に置き換えてもらい、おかずは献立通り出てきますが食べられそうなものだけ食べてみましょう」という方向に決まりました。

落ち着いてから、「入院診療計画書」なる書類にサインをし、カルテのようなものを記入しました。病名欄にはあらかじめ「妊娠悪阻」とくっきり書かれていました。詳しい採血・採尿の結果の数値などは聞かされなかったものの、「ああ、私はいま、ただのつわりではなく妊娠悪阻なんだ…」とその時改めてショックを受けたのでした。

4.入院にあたり持参したグッズ

入院前に病院に電話した際「何を持って行けばいいですか?」と聞いた時、最低限必要なもの(洗面用具や下着など)は教えてもらいましたが、入院してみると「これもあった方がいいな」というものがちらほら出てきたので、夫が仕事休みの日に差し入れとして必要物資を持ってきてもらいました。なおコロナ禍だったため面会は全面禁止されており、病院スタッフさんづてにしか物資のやりとりをすることができませんでした。

▼私が入院時持参したもの ※途中追加分も含む

・スマホ、充電器
・財布、保険証、診察券
・クレジットカード(※高額の支払いを想定)
・洗面用具(歯磨き用品、洗顔フォーム等)
・下着(×数枚)
・短パン
・ドライシャンプー
・ウェットティッシュ
・ボディクリーム
・フェイスシェーバー
・小さなお菓子(クラッカーや飴等)

まず下着ですが、病院で洗濯をすることはできないため、使用済み下着は夫に毎週持ち帰ってもらい、洗濯済みのものを自宅から持ってきてもらっていました。

入院着はワンピースのような感じでお腹周りがスースーして冷えやすいせいか、入院して数日はよくお腹が痛くなり下痢をしました。途中から中に短パンを1枚はいてからは、お腹を壊すことはほぼなくなりました。

体調のせいでシャワーを5~7日に1回ペースでしか入れなかったので、頭がかゆい&臭くて、その不快感また吐き気を増幅させる要因にもなっていたので、気休めですがドライシャンプーを使いウェットティッシュで頭皮をマッサージしたりしていました。

▼こういうのを使っていました

水分不足のせいか季節のせいか、入院中(というかつわり中)は全身の皮膚という皮膚がカッサカサで粉を吹いており、あまりに酷かったので夫に高保湿のボディクリームを買ってきて差し入れしてもらいました。

▼ちなみにこれ塗ってました

ちなみに今回の私のつわりはそこまでニオイがダメなタイプではなかったため、これらの化粧品類、病院備え付けのシャンプーなどの香りは平気でした。(ダメだったニオイといえば、外出して帰ってきた夫が色々な場所で付けてきたニオイはダメだった。帰宅して優しく寄り添って来ようとする夫に「ごめん、近寄らないで」と接近拒否していました)

入院中ははっきりいって生きることで精いっぱいだったので顔のスキンケアどころではなかったのですが、ふと洗面所の鏡を見たらあまりに自分の眉毛やうぶ毛がボーボーだったので、フェイスシェーバーも途中で夫に差し入れしてもらいました。といっても、本当に調子がいい時しかケアはできませんでしたが…。

食事と食事の間で空腹になると気持ち悪くなると思い、クラッカーや飴など小さなお菓子類も持ち込みました(病院でも持ち込みOKと言われていたので)。しかしつわりの影響で味覚がおかしくなっており、お菓子系は何を食べても後味が気持ち悪くなるため、結局あまり食べませんでした。

※挿入画像はすべてイメージです。

長くなるので後編に続きます。後編では、

・退院のタイミング
・入院でかかった費用
・仕事との兼ね合い
・結局入院してみてどうだったか

などに触れるつもりです。


では。

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