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メンズストリップとは?女性のストリップとの違い徹底解説

あろはろは!
メンズストリップダンサーの朱雀ガラティアです☆

自分は現在、都内を中心に、
ショーイベントの出演や主催、
アンダーウェアブランドのプロデュース等を行なっております。

そもそも、メンズストリップダンサーとは何なのかっていうお話ですが、
みなさんこの職業聞いたことあります?

ざっくり言うと、

服を脱ぎながら踊るセクシーパフォーマンスをする男性ダンサーのことです。  

今回は、「ストリップ」という言葉において一般的な意味で認識されている女性のセクシーパフォーマンスとの違いを交えつつ、このメンズストリップというものについて解説していこうと思います。

※本記事は、cakesコンテスト2020向けに再編集・加筆したものとなります。懲りずに読んでな!!

参照元記事
朱雀ガラティアです!

何から何まで別物!女性ストリップとの違い

出したらアウト⁉︎メンズストリップの掟



女性のストリップとメンズストリップのルーツ

ストリップとはもともと、戦後の時代に額縁の中で佇む全裸の女性を鑑賞する「額縁ショー」が由来と言われていますが、発端はやはりアーティスティックなものだったんですね。

そこから舞台上で踊りながら女性が脱いでいく現在のストリップショーになっていくわけですが、そこに至るまでの変遷は長〜くなるので各自Wikipediaかなんかで調べておくように。

ともかく、ストリップショーの演者は常に女性だったわけで、日本で「メンズストリップ」というものが確立されたのはごく最近のことなのであります。(確立されてんのかな?笑)


ちなみに日本のメンズストリップのルーツはゲイ映画館で幕間に行われていたサービスショーで、それはそれは過激なあれやこれやがあったそうな。
今とは段違い!昔の過激なメンズストリップ?


ルーツが全く異なる女性と男性のショー。
当然、仕様もぜんぜん違います。



女性のストリップって皆さんは見たことありますか?

わたくし朱雀はあります。



ナニを隠そう、今はなき埼玉の某ストリップ劇場で、新春ショーのオープニングアクトで出演したことがあるのです。
メンズダンサーが出るのはなかなか異様なことよ。

そこで様々なお姐様がたのショーをお勉強させていただきましたが、メンズのとはこんなにも違うんだ!と色々驚かされました。 


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↑激レアな当時の写真。


①ショーの構成

女性のストリップは3〜4曲構成が多かったイメージです。
最初の1,2曲は全く脱ぎません!
主にダンスやパフォーマンスに専念。

この時に踊るダンスは、振り付けの先生に踊り子さんの自腹で振り付けしてもらうのだそうです。

練習は、劇場の営業時間外にステージを借りて行うのだとか。


そして3曲目からいよいよスルリスルリと妖艶におはだけあそばせていきます。


かたや我らメンズは、1曲2曲なんてこともザラ。
最初からクライマックス感全開で、短期戦に持ち込むこともあります。

自分が昔、デビューしたときは「ソロは5分以内で」なんてことを言われたりもしましたが、
男性の場合は過程よりも結果を重視されることが多かったせいかもしれません。

自分はそれに違和感を持ったので、最近は過程を楽しめるストーリー仕立てのショーばかりやってるけどね。


②衣装

ショーが違えば衣装だって違います。

女性の方は脱ぐのに時間をかけるので、何枚も重ね着しています。
その創意工夫たるや、現在の自分にも役立つほどにお勉強になりました。

あと、とにかく派手派手なものが多い。
脱がなくたって絵になります。 

男性の方はあまり派手さを求められず、むしろ日常よく見る服装(私服、制服、浴衣など)のほうがウケがいいです。
そんなだから、自分がサンバの羽を背負って出てきたときにはみんなから驚かれたよね。
ギャフン。

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ちなみに女性のショーのラストには、フィナーレと呼ばれる全出演者集合の時間があります。

その衣装は、ショーで使ったものとは別でなきゃダメというルールもあるみたいです。

1日のショーだけでなくフィナーレの衣装も用意しなきゃいけないなんて大変!



メンズのフィナーレ?

ねぇよそんなオシャレなもん。


③ステージ

女性の踊り子さんたちは、全国各地にある劇場を10日間のタームごとに転々としながらパフォーマンスをされます。

ストリップ専用の劇場だから、なんたってステージの設備がすごい。

ステージの前にせり出した丸いステージ。
これをといいますが、それがゆっくり回ったりします。

自分も数回、乗ったことがありますが、盆の上を経験したことがある男性の踊り子さんって本当に少ないんじゃないかな。
忘れられない景色です。

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ちなみに盆を回すやり方としては、盆に乗った状態で、回して欲しいタイミングに客席上部にいる照明さん(ステージから見て真正面)に手で合図を送るというものです。
この合図の仕方は出演者によって違い、個性が出るとも言えます。


照明だって当然豪華。ビカビカ光ったり、淡いピンクが滲んだり、シーンに合わせて様々に変化します。

メンズストリッパー達は、そもそも専用の劇場がないのでイベント会場でやったりするわけですが、照明もない、楽屋もない、ステージはテープのバミりなんてところもザラですからね。

でも踊らせてもらえる場所があるってだけでありがたいのよん〜。


④どこまで見せるか

このコンプラ平和大国NIPPONでメンズストリップを実際に観たことのある方はごく少数だと思いますが、
どんなものを想像しますか?  



ポロリもあるよ!ドーン!バーン!ご開帳でびろーん!

残念ながらNIPPONの法律上それはできません。  

もしやってしまった場合、当然罪状は公然わいせつ。  

これ、不特定多数の人がいる状況であれば概ね該当します。  

つまり、局部をボロンしてしまうのは「たとえ誰も迷惑被ってなくても」お縄になってしまうのです。  

被害者の存在しない事件ってことよ。プンプン。  

まぁ、メンズストリッパーは局部を見せることを目的としているワケではないし、  

自分は(ストリッパーのくせに)過激な肌露出とかしたくないほうなので、この法律に守られてホッとしているのは事実です。
あそこ見せたくないし。  

それでは、結局どこまで脱ぐんだ?って話なんですが、  

それはもう、見えないギリギリのとこまでです。  

この瀬戸際がね、頑張りどころなのよ…。  

我々はあらゆる工夫を通じて、大事なところは見せず、でもエロさを演出できるように試行錯誤を巡らせています。  

オシャレなアンダーウェアだったり、ハーネスをつけてみたり、綿布で最後の砦を隠したり…  

むしろ最近は着(ちゃく)エロとかっていう、着てた方がエロいなんて風潮もあるぐらいだしね。  

個人的に自分が見てほしいのは裸体そのものよりも、
そのダンスパフォーマンス自体であったりストーリーであったり衣装であったりするので、
アートとエンターテインメントの側面からもお楽しみいただけると嬉しいです。  


⑤上下関係

女性ストリップの劇場に小屋入りして驚いたのは、先輩ダンサーと新人の序列がしっかりとしていたことです。

上下関係が厳しい縦社会だとも言えますが、その分、新人がいずれなる先輩に成長するためのサポートが手厚いということ。

まず、1番リーダーとなるダンサーさんを除いて演者はその公演の中でひとつ上の先輩が直属の教育係となります
ひとつ上、とは当然、歴のことです。

その劇場のしきたりやストリッパーとしてのいろはは主にその先輩から教わり、新人に何か失態があった場合、その先輩の責任となります

また、先輩ダンサーのことは◯◯さんや◯◯先輩ではなく姐さんと呼びます。
年下であっても先輩なら姐さんです。

まだそれほど親しくない間柄であれば先輩でなくとも姐さんと呼ぶことはあるみたいですが、
我々メンズストリッパーたちが劇場入りした際には1番の新人にも関わらず皆さんから兄さんと呼んでいただいてました。

お姐さん方、呼び方悩んだだろうな(笑)


その他、ステージ上の衣装の回収はひとつ前のショーの出演者が担当するなど、制度化が行き届いています。


メンズストリップにおいてそのような人間関係のしきたりというのは特になく、キャリアの長さに違いはあるものの友達同士のような距離感でユルくやっております(笑)


⑥ 劇場との関係

女性のストリップとメンズストリップが別の場所で同時刻に開催、同時刻に終了したとします。

我々メンズが片付けを終え、会場に「ありがとうございました〜」と一言言って帰ろうとしている間に、女性のダンサーさんたちは…

フィナーレ後にポラタイムというものがあり(チェキのようなもの)、
お客様から指名をいただきポラの撮影に応じます。

ですが、このポラのお金(1枚1000円が相場)、全て劇場側の売上となり、出演者には入ってきません。
(劇場によるかも)


また、出演者が受け取ったギャラの1割は、劇場側にお返しする、というしきたりがあります。

これは賃貸物件でいうところの礼金みたいなものであり、劇場への感謝の気持ちを表した慣習が制度として定着したもののようです。


そう、昔から女性ストリッパーにとって劇場とは生活を支えてくれるありがたい存在に他ならず、その感謝の気持ちを忘れないように、との風習がこうした形で残っているわけです。

メンズストリッパーはお借りする会場に対してそういった礼金を渡すことはありませんし、
イベントの主催者も会場代を支払いお礼を言ってまた利用させてもらう、という繰り返しがあるのみ。

一時的に会場を借りてイベントとして行うメンズストリップに対し、常設劇場として女性ストリッパーがパフォーマンスできる舞台を提供しているストリップ小屋は、踊り子たちとの信頼関係が強固であるということです。

歴史ある女性ストリップにおけるこの劇場と踊り子との関係は、1日2日で築けるものではないことを物語っています。


おわりに

いかがでしたでしょうか?
女性のストリップと男性のストリップの違い。

まだまだ細かい違いはあるのですが、だいたいこんな感じです。

でも、表現の仕方が違えど、パフォーマー同士が尊敬をもってお互いの演出を称えられる、そんな関係性が一番素敵ですよね。

自分もまた近々、劇場にお勉強しに行こうかなーと思います。


ちなみに、お勉強(踊り子がほかの踊り子のショーを見学)の際に座って観てるとバチクソ怒られます。(経験者は語る)

最後列で立って観るのが暗黙のルールなんだって。


ということで次はちゃんと立って観ようっと。笑  

お読みいただきありがとうございました!


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