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他人軸の生き方

今でこそ自分ファーストで生きられるようになってきた朱雀ではあるが。


元々、共感傾向が高い性質もあってゴリゴリに他人を優先する生き方だった。


ま、今の日本でもわりとそんな生き方は美徳とされがちだけどね。




その日、2年ほど付き合っていた彼氏と別れることになった。


当日の夕方ごろ、いきなり彼にカフェに呼ばれて別れ話を切り出され、大ゲンカして修羅場になった末のさよならだった。

渦巻く感情がとめどなく溢れ出る。
泣きはしなかったと思うが、最悪オブ最悪の気分だったのは間違いない。

そうしてカフェを出てアディオスした自分はすぐにでも帰ってふて寝したかったが、
その日はそういうわけにいかなかった。


ゲイコミュニティのSNSで知り合ったアメリカ人の男の子を新宿2丁目に案内する約束があったのだ。

自分から申し出たわけではなく、
もうすぐ旅行でTOKYOに行くから、ゲイタウンに連れて行ってくれない?」と事前に頼まれていたのだ。
その約束日がこの日だった。


そんな日に限ってである。
突如として自分の身に降りかかった不慮の別れ話。
当然、全く想定していなかった。


今の自分なら間違いなく男の子に連絡を入れる。
直前で本当に申し訳ないんだけど、今、彼氏と別れた。立ち直れそうにないから今日は無しでいい?本当にごめんね。


しかし当時の自分は"1回取り付けた約束は絶対破ってはならない"みたいな固いルールが頭を支配していた。


だから、破局したその足で、男の子を迎えに行った。


その彼とはオンラインでしかやりとりをしたことがなく、会うのは初めてだった。

死人のような顔で待ち合わせ場所に行き、彼を見つけるや否や悟られないよう精一杯の笑顔を作りSay Hello.

彼は観光で日本に短期滞在するだけのアメリカン。
日本語は一切喋れなかった。


こんな状況で日本人相手に接待するのも大変な心労なのに、加えて英語で話さなければならない。

どれだけ脳みそ回さなきゃいけないんだろう。


さらにさらに厄介なことに、その彼は寡黙気味で、沈黙が耐えられない自分はこちらから常に話題を振り続けなければならなかった。

饒舌な相手なら、適当な相槌を打ちつつただ話を聞いていればいいから楽だったのだけど。



とりあえず、外国人も多く集まる2丁目のクラブへ連れて行った。

入ったはいいものの、彼が店のシステムをよく理解できなかったので面倒になってドリンクはこちらが奢った。
(ただのキャッシュオンなのに〜〜)

彼氏に振られて、日本語が話せない外国人を案内して、お金払ってドリンク奢ってって私何してるんだろうとつくづく感じたものである。

相手は奢られたことに気づいていないのか、なんかどっかからドリンク出てきたとでも勘違いして、特にこちらにお礼を言うこともなかった。


ダンスフロアは満員で、2人でなんとなく体を揺らしつつ踊っていると、近くに優しそうな外国人の女の子がいたので「彼初めて日本に来たんだけど、ここのクラブの楽しみ方教えてあげてくれない?」と英語で丸投げして一時離脱した。

しんどい……


そうして時間は経ち、彼も満足した様子だったので駅まで送り届けて自分も帰路に着いた。



はぁ。
今思い出しても地獄の状況だった。


自分を大切にするという概念をまるで知らない時代だったのだ。

側から見れば、滅私奉公、素晴らしい慈愛の精神だと褒められるかもしれないが、
こんな不満不機嫌な状態で相手に尽くすのはかえって迷惑だと今ならわかる。

だってそのまま相手のこと嫌いになるかもしれないもん。
状況が違えば楽しかったろうに。相手は悪くないのだ。


自分の気分は相手にも伝播するものなのだ。

不機嫌を撒き散らすのは公害と一緒だ。


当時から見て、だいぶ今では自分を優先できるようになってきている気がする。

約束しても気が乗らなかったら断るし、
違和感を感じたら何度でも撤回する。
(もちろんちゃんと謝るし、相応の責任は取る)

それで怒るのは、決まって自分自身に無理をさせている人だ。
「自分が我慢してるからお前も我慢しろ」、なのだ。
(当時の自分のように)


みんながみんな、自身を最優先にして、
気分だけで生きていける社会になればいいなと常に切に願っている。


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