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世界遺産“屋久島”で農業ボランティア!vol.2~農業の大変さを知る~


はじめに

ボランティアは、たんかんの収穫・畑の片づけなどなどたくさんのことをした。
滞在期間中メンバーとたくさん雑談したし、ご飯美味しかったし、星見たり海中温泉行ったり、たくさん楽しんだ。毎日疲れたけど楽しかった。

でも10日間で私がボランティア中に一番印象に残ったことは農業に関して。自分が農学を学んでるってこともあったし、学んでる以上に現場で学ぶことが多かったから。

特にボランティア中お世話になった農家さんの一つの鬼塚さん夫婦のところで思ったことについて。

たんかん

たんかんって何?って思う人もいると思うので説明。

個人的なたんかんベストショット!笑

たんかんは暖かい地域に適した柑橘類で、特に種子島や屋久島、奄美や徳之島などの離島で生産されてる。本土にはあまり出回ることのない希少な柑橘類の一種。ポンカンとネーブルオレンジの自然交配種「タンゴール」の一種。
サイズはみかんくらいかやや大きめが多くて、皮はミカンよりも硬く厚みがあってちょっと剝きづらい笑
個人的にはみかんとポンカンの間くらいの甘さ。

たんかん収穫

鬼塚さんのところではたんかんの収穫とビワの袋掛け、肥料まきをやった。特にたんかんの収穫作業を一番やり、楽しかったけど想像以上に大変だった。

たんかんの木は高いのもあれば低いものもある。
木を手入れしやすいように棚状に枝を整えているわけではなかったので実の高さが様々で大変。
木の下の方は簡単に採れるけど上の方のは脚立に登らないと採れない。脚立に登っても採れないものもある。
慣れなければ、脚立の一番上は不安定で立つのが怖い。私なんかは横着して脚立の上の方から身を乗り出して収穫しようとしたら脚立から落ちた笑。
収穫は袋を肩に掛けて採った実をその中に入れるんだけど、袋が重くなると動きづらくなったりする。
収穫って楽しそうなイメージあるけど色々大変…。

普段は鬼塚さん夫婦だけで私たちがやったような収穫をしているとのこと。身軽で体力のある私達大学生でも大変な作業をいつもは2人でやってるの!?と驚愕。お二人は60~70代。いくらいつもやって慣れているとはいえ私達より手際よくやっていてすごすぎる。

高いところだと3m以上あったかな


ただ収穫すればいいということでもない。時期が進むと鳥がたんかんを食べに来てしまうので、早く収穫しなければいけない。鳥と人間とのたんかんの取り合いに勝たなきゃいけない!

3日かけてみんなで作業してたたんかん畑の収穫が終わり、達成感とともに鬼塚さんに
「これでたんかんは全てとれましたか?」と聞いた。
そしたら
「今回とったのは早生(早く実がなる品種)で、普通のものはまだまだこれからだよ」
答えを聞いてあ然…。この人数でこれだけやって終わったのにまだ序の口…!?
鬼塚さん夫婦いつも2人でやってるんだよね?すごすぎでは???

無農薬栽培

鬼塚さんは基本は無農薬で栽培しているとのこと。
”基本は”と言ったのは、鬼塚さんは無農薬で栽培してるが、他の場所のどこから農薬が飛んでいるか分からないから無農薬でやってますと大きな声では言わないとのこと。

農学を学んでるからこそ無農薬の大変さが分かる。農薬を使わない分手間がかかるよなーとか思ってた。けど鬼塚さんの話を聞くと消費者目線ではまず知りえないだろう気づきが…。

一般的に果実表面の傷を防ぐために開花の時期に農薬散布をするが、この行動は果実にとっての益虫(生育にいい効果を与えてくれる虫)まで殺してしまう。鬼塚さんは自然本来の中での栽培を意識して、益虫を利用し安心安全でおいしい果実栽培を目指している。

農薬散布をしていないので傷が多くなってしまう。でもこの傷は風雨や開花の時期に香りに誘われた虫などが花にとまった時についてしまい、それがのちに果実の表面に現れてしまうもの。決して傷がついているから美味しくないとか品質が悪いということはない。

傷の少ない綺麗なたんかん
傷が多く商品にならないたんかん

写真で比べて場見た目は一目瞭然。無農薬の方が傷が多い。でも味は変わらない。でも消費者はそんなこと知らない。傷が多ければ傷んでるとか質が悪いと判断する。味分からないのに…!美味しいのに…!
私だってたぶんこの事実を知らなければ、スーパーでは見た目がきれいな方を買ってしまう。

また、そもそも傷が多すぎれば商品のランクが下がってしまい、農協などでの買取価格も下がってしまう。美味しいのに……!

話を聞いた時、そんな理不尽なことある?と思った。
じゃあ鬼塚さんはどうしているのか。
見た目だけじゃなくて、純粋にたんかんの美味しさだけを見てくれるお客さんとの個人のつながりを大事にしているそう。
味を気に入ってくれてリピーターや全国各地にお客さんがいるそう。

自然の前だと人は無力…

ポメロの収穫をするということでポメロ畑に行ったら
え??地面にたくさん実が落ちてる…。

これは人が落としたんじゃなくて風によって勝手に落ちてしまうそう。
1回地面に落ちた実はたったそれだけで見た目がきれいでも価値が落ちてしまう。
今は見た目がきれいかもしれないけど、落下して地面にあたったところから傷んでしまうそう。

いままで何か月も手入れしてきたのに1回の風が吹いただけで売り物にならないの?と悲しくなった。
農業は読めない自然を相手にするから自然状況によって今までの努力がなくなってしまうこともあるという現実を知った。

でもだからこそうまくできた時、消費者から喜ばれたときは一層嬉しいんだなと。

終わりに

やっぱり大学の授業を聞いたり本を読んだりするのこととは比べ物にならないくらい学べる!
体を使ってるから五感でめいっぱい感じれて、吸収量が全然違う!
実際に聞く・やるって本当に大事!でも私がこのボランティアで知れたのは農業のほんのちょっとの側面だけ。まだまだ学ばないと!

鬼塚さん夫婦

↑↑↑ たんかん以外も販売しているようなのでもしよければ!


鬼塚さん夫婦のところに関わらず、食べれるのに売られずに捨てられてしまう農産物の多さに悲しくなった。
規格外の農産物安くいればいいのに。そしたら絶対買い手いっぱいいるのに。安く手に入れたい消費者と市場に出回らない価値のつかない農産物をつなげていくシステムがあればいいなと思った。

……けどこれがなかなか難しいし、これをしたところで農家が嬉しくなるとは限らないとずーーっと後、全く別の場所で学んだ。

番外編:お休みの日はジブリの世界へ

真面目な話になっちゃったのでちょっとだけ雑談。

期間中1日だけお休みをもらえることに。どこ行こうかみんなで相談した。もちろん満場一致で屋久杉みたいよねってなったけど、屋久杉まで往復10~12時間。朝は5時には出発しなければいけないらしく挫折。「もののけ姫」の舞台となった白谷雲水峡(往復4,5時間ほど)にトレッキングしに行くことに。

私はジブリ大好きなので前日からワクワク!みんなで前日の夜にもののけ姫を見て予習したのもいい思い出笑

結論から言うと疲れたけどめちゃくちゃ楽しかった。
樹木も、岩も、見渡す限り一面が苔の緑色に覆われた世界が広がる。
こけむす森はコダマのいた場所まんまじゃん!太鼓岩はモロの岩屋からの眺めと一緒じゃん!

ジブリ好きとしてはコダマの小さい人形を持ってって写真を撮りたかったんだけど、買うのが間に合わなかった。
次に屋久島に行ったときは縄文杉まで往復10時間歩きたいし、コダマ人形持っててリベンジしたい!誰か一緒に行ってくれる人探してる!笑


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