見出し画像

#02【NZ旅行記】女子サッカーW杯ときどき珈琲

サッカーと珈琲をとことん楽しむ旅行記。
#01はこちら。


カフェの街ウェリントンで朝食を

窓から眺める景色は、薄暗く、建物も地面も濡れていた。
夜は日本戦があるのに……、雨か……。

ホテルから出るのも億劫になっていたが、朝はカフェで美味しい珈琲を飲むと決めていた。

ウェリントンは、カフェの街と言われるくらい珈琲ショップが多く、世界的に評価が高いらしい。
ホテル周辺だけでも気になるお店がたくさんあり、地図が「行ってみたい」マークでいっぱいになってしまった。いわゆるチェーン店ではないお店が多い。

歩いていると、「こんな所にも素敵なカフェがある!」と発見したり、どこかのお店のカップを手に歩いている人がいたり、工事現場のおじちゃんが珈琲を飲みながらくつろいでいたりする。

雨が降っていても、知らない街を歩くのは楽しい。

さて、Googleマップを頼りに目的地まで来たが、お店が見当たらない。入り口が分かりにくい隠れ家的なカフェなのかと周辺をぐるりと回ったが見当たらず、あるのは珈琲豆の倉庫らしき建物だった

たどり着いた建物

この中にカフェがあるのだろうか。
どう見ても従業員の裏口のような扉があり、夫に「絶対違うよ!」と止められだが、ドアを押すと……、開いた!

ザーーーーッ、ガサッ、ザーーーーッッ。

作業している人が何人かいて、珈琲豆を袋詰めしているようだった。誰も私たちに気付かなかったし、もちろんカフェは無かった。
気になるお店をチェックしすぎた勢いで工場まで地図にマークしていたようだ。

結局、調べたお店ではなく、珈琲豆工場に来る途中にあったカフェに入ることにした。

通りに面した壁が、ガラスになっていて開放的な雰囲気のカフェだ。
,何にしようか迷っていると、店員さんが丁寧に説明してくれて、おすすめも教えてくれた。こういう時はおすすめされたものを頼むに限る。卵とチーズのトースト、ハムと野菜のサンドイッチ、それとフラットホワイトを注文した。

パン!
フラットホワイト


フラットホワイトは、ニュージーランドやオーストラリアでよく飲まれていて、エスプレッソコーヒーにスチームミルクを組み合わせ、フォームミルクをうすーく載せたものだ。カフェラテやカプチーノと見た目は似ているが、味わいは全然違う。エスプレッソコーヒーの割合が多いので珈琲のこくや風味をしっかり味わえる。滑らかなミルクとのバランスが良い。とても好み。エスプレッソの割合を多めにしようと考えた人は天才だ。

カフェオレ、カフェラテ、カプチーノの違いがいつも分からなくなるのでメモをしておこう。

【カフェオレ】ドリップコーヒーにスチームミルクを加えたもの。比率は1:1
【カフェラテ】エスプレッソにスチームミルクを加えたもの。比率は1:4
【カプチーノ】エスプレッソにスチームミルクとフォームミルクを加えたもの。比率は1:1:1
※お店によって割合が違う場合もあるらしい

ここでいいか……と入ったお店だったけれど、ウェリントンで人気のお店だったみたい。
なんか妙に落ち着くわ~と感じたのは、松任谷由実の音楽が流れていたからかもしれない。

Customs
39 Ghuznee Street, Te Aro, Wellington 6011 NZ

午後になると青空が見えてきた


どっちも好き 日本vsスペイン

ウェリントンはいつも風が強く、風の街と呼ばれている。地元の人は「Windy Wellington」と呼ぶらしい。

試合会場のリージョナルスタジアムは、ウェリントン駅のホームから歩道がのびていて、その先にある。海のそばにあるせいか、台風のような強風だった。
太鼓のリズムに合わせ「ニッポン!ニッポン!」と声が響いていた。
男子ワールドカップと比べるとサポーターの数は少ないが、それがかえって「同志!」という感じがした。若い世代のグループが多かったのは、留学やワーキングホリデーでニュージーランドに暮らす人が多いのもあるだろうし、チケットの値段が安いのも影響していたのかもしれない。
ちなみに、グループステージのカテゴリー1が、40オーストラリアドル(約3,800円)だった。「この値段でいいの?」というくらいお財布に優しい設定だ。男子ワールドカップカタール大会のグループステージは、一番安い席が8,000円程で、カテゴリー1は25,000円を超えていた。

すでに決勝トーナメントに進出するのが、日本とスペインに決まっていて、日本がスペインに勝てば1位通過、引き分け以下だと2位通過だった。

スペインは日本よりランキングが上だし、FCバルセロナ・フェメニやレアル・マドリード・フェメニーノで活躍する選手が多い。女子サッカーの観客動員数を更新しているのもスペインのクラブチームだし、スペインの方が圧倒的に人気なんだろうなと思っていた。だから日本のマフラーを巻いたり、ユニフォームを着たりしている外国人を見かけると、嬉しさと驚きがあった。
スタジアムは、家族、サッカークラブの仲間、小さな子どもが多いように感じたが、街に住んでいる人がそのままスタジアムにやってきたような感じで様々な人がいた。気温は低かったが空気感は温かく居心地が良かった。

てっきりスペインのファンだと思っていたファミリーが、日本の得点に派手に喜んでくれた。その後も得点を重ねるたびに、日本を応援する人が増え、田中美南選手のシュートに「ビューティフル!」と唸るおじさんもいた。ナイスプレーに対して公平に反応してくれる。そして、それは大きな拍手、どよめきとなるのだ。

ワールドカップは国ごとの対戦であるが、スタンドは国籍も年齢も性別も人種も関係ない。自分の属性を気にすることなく楽しめる大会である。双方のサポーターが隣同士になっても、お互いお祭りを楽しんでいる様子は、ワールドカップならではの光景だと思う。

選手は皆かっこよくて、試合の高揚感、満足感は、男子、女子のワールドカップに優劣はないと感じた。
男子サッカーと女子サッカーの違いについて論じられる時、いつも脳内で流れる曲がある。

縄文土器、弥生土器、どっちが好き? どっちもドキ

レキシ『狩りから稲作へ』

男子サッカーと女子サッカーに大きな違いはなく、同じサッカーで、どっちも好きで、どっちも楽しい!
ワールドカップを観戦して再確認できた。

違いは無いと言ったばかりだが、ワールドカップにおいて大きな違いがあった。
試合後にファンサービスがあること!
試合後、選手が客席近くに来てくれ、ハイタッチ、写真撮影、サインに応じてくれるのだ。どの国の選手もそうで、これは本当に驚いた。すごくない?


この日の結果はというと、4-0で日本が勝ち、グループステージを1位で突破した。スペイン相手に4得点は全く想像していなかったので夢見心地だった。

グループステージ 日本4-0スペイン
観客 20,957人
得点⚽
宮澤ひなた 12' 40'
植木理子 29'
田中美南 82'

スペインサポーターは相当ガッカリしたと思うけれど、数週間後に大歓喜したわけだから、ホント未来はどうなるか分からない。

スタジアム前で

珍道中は、#03 へ続きます。

この記事が参加している募集

私の遠征話

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 シェアしていただけると嬉しいです。