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【エッセイ】何かが突き刺さるような謎の目の痛み、原因は?!

私の目は近視と強い乱視が入っている。裸眼で視力検査をすると両目で0.1しか視力がない。一日使い捨てのソフトコンタクトレンズとメガネを併用していた。
あの「謎の痛み」が襲ってくるまでは。

今年の5月なかばのことだった。職場から家に帰ってすぐに、右目のまぶたを左手の指でこじ開け、右手の親指と人さし指でコンタクトレンズを外そうとした、のだが…

「痛っ!」右目に激痛が走り、目を開けていられなかった。今までに感じたことがないくらいの痛みだった。まるで何かに突き刺されたかのよう。

とにかくこの激痛から解放されたい、そんな一心でコンタクトレンズを取ろうとした。が、まぶたが乾いていてコンタクトレンズがはがれない。

私の目は涙の量が少ないらしく、乾きやすい。眼科でもドライアイの診断を下され、コンタクトレンズを買いに行くたびに目薬を処方されている。
しかし、残念なことにズボラな性格で、目薬をさすのを忘れがち。

久々にその目薬をさしてみた。まぶたからはみ出るくらいのたっぷりの量で瞳を潤わせ、何とかコンタクトレンズを取り出すことができた、はずだった。

瞳にへばりつくコンタクトレンズから解放された私は、鏡で自分の右目を見た。赤く腫れてはいないし、異物も見当たらない。しかし、何も入っていないはずの右目が痛い。

2~3日経っても右目の痛みが取れず、病院に行った。複数の医師がいる眼科だ。

視力検査の結果はいつもと変わらず、担当だった男性医師からは「右目より左目の眼球の傷が多い」という診断。眼球の傷については20年くらい言われ続けている。

今回の痛みは今までと違う。と訴えたが「異物はない」との回答。モヤモヤする気持を抱えながらも、その日はドライアイ用の目薬を処方されて終了した。

しかしそれからも右目の痛みは続いた。特に起床時、6時間くらい閉じた目を開く瞬間に激痛が走る。目を開けている時はさほど痛みを感じなくなったのは、痛みに慣れたのだろうか。

1週間後「やはりおかしい!」と直感。再度眼科の予約を取った。前回と違う女性医師の時間にした。

今回も検査後に診察室へ。目に光を当てられ、「傷ついてますね。異物はないようですが」とお医者さんに言われる。ここまでは前と同じ。

けど、今回の私は粘る。目が痛すぎて耐えられないんだよ。
「でも、痛いんですっ!」めげずに訴えた。
不思議そうに私のまぶたをのぞき込んだお医者さんが一言「あれ、コンタクトレンズのかけらがあるよ」。

そう言って彼女が取り出したのは、数ミリほどのコンタクトレンズのかけら。
さらに「失礼しますね」と私のまぶたをひっくり返すと、「あ、ここにもコンタクトのかけらあるよ~」と。ピンセットで取り出し見せてくれた。それは割れて半分の大きさになったコンタクトレンズのかけらだった。

その瞬間、目の痛みがすっきりと消え去った。紛れもなく、痛みの原因は割れたコンタクトレンズ。乾ききっていた。

コンタクトレンズを外した時、目の中で割れ、まぶたの裏に潜んでいたのだった。このまま見つけられなかったら、今もあの痛みに耐えていたのかもしれないと思うと、背筋が寒くなる。あの時の女医さんが女神に見えた。

それからはしばらくコンタクトレンズを休んでいる。着けるのが恐いのが正直なところだ。

それは、コンタクトレンズがいけないのではない。ドライアイなのに、毎日、12時間コンタクトレンズを装着し、目薬をささずにいたズボラな私が一番ダメな奴だ。お医者さんにバレたら怒られるだろう。しばし反省。

しばらくはメガネ暮らしになりそうだな。
そして、ドライアイ用の目薬は小まめにさそう、と決めた。