#269 「。」が怖いと言われると困る事
ハラスメントは最悪だ。
上司と部下。先輩と後輩。顧問と部員。
いずれも本質的には他人同士だし、両者はたまたま巡り合っただけなのであって、その”たまたま”のせいで罵声を浴びせられたり、人格を否定されたりしていい訳が無い。
「良かれと思って」「我々の間柄なら」そういう言葉は基本的に通用しない。”人”が”個人”である時点で、個々の認識にズレがあって当然。阿吽の呼吸とは一瞬を指すのであって、永遠とは限らない。
そして、
今現在この認識のズレに多くの人が頭を悩ませているのではなかろうか。
そう。
全てのやり取りがハラスメントに該当するか否かが本人にしかわからないならば、あるいはその時はそう思わなくてもあとあと振り返って実はハラスメントだったと感じるのならば、
もうね、会話なんて出来ないですよ。
■最低限の会話しかしない
明らかにこれになりました。
部下や後輩と話すとき、
「What's up?」すらしない。聞かれたら答える。最低限の範囲で。会話してても自分からは決して脱線しない。
もうね。リスクしかないんですよ。
会議の場でも同じです。これはリモートが増えたことも影響していると思うんですけど、後輩が何かおかしなこと言ってるなと思っても基本的にスルーです。
昔なら「あ、それってね」と口を挟んでいたような場面でももう無視します。言う必要も無いし、その後後輩が恥をかいたとしてもそれを言わなかったことに対するリスクなんて無いし、求められてないなら言うべきじゃないという方が勝ります。圧倒的に。
なんて冷たい・・・と思われるかもしれませんが、そうなってしまいました。現場は。
■飲み会も行かない
これもまた顕著になりました。
飲み会自体がもの凄くつまらなくなった。それは以前言えてた他人の悪口が言えなくなって楽しく無くなったとか、そういう事ではなくって、とにかく異常にかたっ苦しいし、やはりリスクしかないんですよ。
酔いながらも慎重に言葉を選んで、言いたいことをグッとこらえて、ただただ頷きを繰り返して、金払って帰路につく。
こんなの行かない方がマシでしょ。
実際に誘ったり誘われたりして行くような雰囲気もぐっと減り、正直 金が溜まります。「貯まる」より、「溜まる」って感覚。昔は1週間あれば平気で数万が飛んでいきましたが、今では現金なんざ全く財布から動きません。
もう笑っちゃうぐらい。
■今度はマルハラ。
雑談もしない。飲み会も行かない。
仕事におけるやりとりは圧倒的に簡素化され、必要なことしか言わない。いや、言えない。
そりゃどうしたって
「了解しました。」「お疲れさまでした。」
こんなリアクションになります。
そしたら今度はそれが怖いって・・・汗。
最終的にはその人達同士の信頼関係に依存するので、
上司部下であろうが、先輩後輩であろうが、関係性が良ければざっくばらんな雑談も、飲み会も、「。」の付いた文章も良いと思うんですけどね、
でも、
後からテーブルをひっくり返されるリスクや、たった一瞬のミスで相手を嫌な気持ちにさせてしまうリスクを突きつけられている今は、はっきりいって積極的になれない。
これが現実。
一応気をつかって、
「了解しました!」「お疲れさまでした!!」と、”。”の代わりに”!”を積極的に使って返信してみたら、今度は何ハラと言われるのだろうか。
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