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【⚽️日本サッカーを愛そう】【雑感】バスケ経験者から見たサッカーの凄いところ。

物心ついた時からJリーグが存在していた世代にはわからないかもしれませんが、
まだサッカーのプロリーグが無かったころ、つまり静岡が圧倒的サッカー王国だった当時も県西部には少年少女がサッカー出来る環境は、あまりありませんでした。

男子のほとんどは野球。
女子はバレーボールが多かったように思います。

田舎の小学校で育ったわたくしも、例にもれず野球少年でありました。



■そして運動量信者へ

BS放送が始まって海外のテレビ番組が気軽に見られるようになったとき、僕が嵌った番組がプロバスケットボール「NBA」の中継でした。

当時はマイケルジョーダン率いるブルズがメキメキと力を付けてきていて画面越しにも恐ろしいほど華があったし、
プロスポーツをショービジネスととらえるアメリカンな感覚にバスケ素人ながらもとにかく衝撃を受けたわけです。

野球部の先輩がヤンキーだらけだったというのもあり(笑)僕は中学生になって本格的にバスケを始めることになりました。(ちなみにサッカー部はありませんでした)


まだスラムダンクの連載が始まる前の話です。


バスケ部に入ってとにかく思い出されるのは死ぬほど走ったという記憶。
それは試合中もだし、そこに至るまでの練習でも。

僕たちの学校はフルタイムオールコートマンツーマンという鬼のような戦略を敷いていて、
つまり何かというと試合中のすべての時間、コートの隅から隅までマークする相手を追い詰め続けるというもので、とにかくしんどかった。


プロの様に選手交代を繰り返すこともないので、スタメンで試合を任されたらとにかく試合が終わるまで相手を追い詰め、相手を追い抜き、相手より走って勝つ
走れないやつは文字通り使えないやつと化してしまうため、とにかく走ったわけです。

体育館でボールを使って練習するのは1年生で、試合に出る3年生は炎天下の外を走るという練習が当たり前でした。
今思い出しても恐ろしい・・・。


おかげで僕がジュビロ磐田にいつも「運動量」を求めてしまうのは、そんなねじ曲がった生い立ちと、半ば性癖と化した相手より走る美学というものに侵されていることは否めません。


そんなバスケ少年だったわたくしも、大人になってサッカーというものに(趣味の範囲ではあるものの)触れることが何度かありました。
そこでバスケ育ちの運動量信者は少なくない衝撃を受けたわけです。

野球やバスケをしながら(静岡という土地柄)サッカーも良く見ていた少年でしたから、
実際やってみての感覚はとても新鮮で、これはなかなか大変なスポーツだと実感しましたね。


前置きが長くなりましたが、
ここからバスケ経験者から見たサッカーの凄いところを本格的に力説してみたいと思います。



■凄いところ① スプリントとランニング

まずはこれかな、と。

バスケというのはズバリスプリントの応酬です。
とにかくダッシュを繰り返す競技。加えて上に跳び続けるので惚れ惚れするほどふくらはぎが発達し、美しくなります笑。

バッシュはとにかく滑りにくいものを選ぶし、上履きで外に出てそのまま体育館に入ってくるやつを見ると(体育館が滑りやすくなるため)「お前ふざけんな!」となるわけです。


そんな僕がサッカーをやってみてとにかく苦しかったのが、広大なグラウンドを移動する際のランニング
これはマジでしんどかった。走りには自信があったのですがスプリントとランニングでは使う筋肉も肺活の方法も全く違う。

そう、
サッカーというのはこの2つの走り方を試合中に使い分けなくてはいけないんですよね。それも高いレベルで。それは純粋な持久力とはまた違った話。

草サッカーでサイドバックをやらせてもらったときにチャンスで広大な裏のスペースに猛然と駆け上がるわけですけど、中盤でボール奪われたらもう戻れないですよ。

「シュートで終わってくれ!」とこの時心から叫びました(笑)。
マジでしんどいんです。スプリントとランニングのハイブリッドは!!


そしてこちらはスプリントもランニングも出来る人。
サイドバックというポジションを心から尊敬します。ホントに。

ジュビロ磐田 Xより



■凄いところ② 空間対応力

サッカーと同時にフットサルもよくやらせてもらいました。

フットサルは良かったですね。コートサイズがバスケとほぼ同じだしオフサイドの概念も無いのでとにかくなじみやすかったです。

足元のテクニックは経験者にはかないませんがディフェンスの1on1はほぼ負ける気がしませんでした。手でドリブルしている人をバックステップで追いかけていた身からすると足のドリブルはわかりやすい。

とまぁそれは良いんですけど、問題はサッカーですよ。


先ほどのランニングの話に通じるんですけど、サッカーはフットサルやバスケと違って広大なスペースがあるわけです。

つまり1on1で対峙していて揺さぶられる幅ってのが全然違う
左足で一度跨いだボールを右足でスペースにポン出されてダッシュされたらもう追いつけない。フットサルならボールがラインアウトしてしまう所までサッカーの場合はケアしなくてはいけないわけです。

この差はとてもデカい。メンタル的にも身体的にも。

正直これに対する正しい守り方が未だに良くわからないのですが、細かいフェイントに注意しつつ、スペースへのヨーイドンにも対応しなくてはいけない。


守備の人たちってのは当たり前にこなしてますけど、これって本当に凄いことだと思います。

そんな観点でこの人を見てるともう本当に凄い。尊敬の念しかありませんよ。

ジュビロ磐田 Xより



■凄いところ③ 乳酸と脚

最後はやはりこれでしょう。

スポーツ経験者なら皆実感したことがあると思うんですけど、疲れてくると乳酸が溜まってくるあの感じ。

バスケをしていても試合終盤には脚がだるくなってきてだんだんとしんどくなってくるわけです。

「苦しい時ほど跳べ」とは、無意識的にジャンプ力が無くなってきてシュート確率が落ちてくる事への戒めだったりするんですけど、バスケはまだいいんですよ。
手が使えるから。最終的な精度の調整は手元でも出来るわけです。


しかしサッカーは違う。
疲れがたまってくるところと、精度が求められているところが同じ。こんなマゾなスポーツありますか!

90分走ってもプレイスキックの精度を求められる。90分走ってもゴール前では絶対に枠を外してはいけない。
もっと言うとその前のトラップが大きくなってはいけない。フェイントがディフェンスより鋭くなくてはいけない。

恐ろしいことですよ。



例えばこの選手。
精度を指摘されますが、それは90分間の運動量とセット語られるべきかな、と。
言い換えればそこ(精度)が付いてくればいよいよスーパーになるわけです。

ジュビロ磐田 Xより




■最後に

サッカーの見方ってのはそれぞれ自由で良いと思うんですけど、ただですね、そこに存在する身体的な凄さみたいなものをある程度把握して見てみるとより一層感動が増すと思っています。


それは自分自身の経験をもとにファインダーをかけても良いですし、他のスポーツをしていたらそれと比較して見てみるのも全然アリだと思うのです。


その昔、マラソン選手の凄さを画面越しに伝えたいなら白バイをチャリに変えれば良いという意見を見ましたがまさにその通り。
トップランナーは時速20kmで走っていると言われてますから、チャリなら大人が立ち漕ぎしても付いていくのがやっとです。
もう解説が何も言わなくてもその選手の凄さは十分伝わってくるわけです。


その感覚はサッカーもまた同じ。

私はその生い立ちから「運動量」おじさん、またの名を「走る信者」なのですけれど、未経験者なりにサッカーというものに対してリスペクトを持っています。

批判も批評もしたくなりますが、
まずは色んなものを理解した上で俯瞰して見ればスポーツ観戦はもっと豊かになるのではないかと。


今回のnoteがその一助となればこんなに嬉しいことはありません。


ていうかこの大腿筋よ。






本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!!


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