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【週刊ユース分析】プレミア復帰&強い!尚志高校を改めて調査!!

驚いた。

と言ったら失礼だろうか。それとも最高の賛辞になるだろうか。
2023年のプレミアリーグにおいて、尚志高校が強い


もともと尚志は高体連における東日本の雄ではあった。
染野唯月を擁した選手権の快進撃はセンセーショナルであったし、世代の顔であったチェイスアンリもまた尚志の出身。

しかし、
レベルの高い高円宮杯プレミアリーグにおいてはやや苦しい戦いが続いていた。

プレミア11年間の戦歴を見てみよう。


ポイント27の30位。
30番目という数字は必ずしも悪くは無いし東北プリンスでは常に上位を維持するものの、参入戦で敗れることが多かった。

2度ほどプレミアで戦った経験はあるが、いずれも最下位でシーズンを終えて降格。なかなか1部リーグに定着できずにいた。

昨年、東北プリンスを2位で勝ち抜きプレーオフで帝京長岡を破って3年ぶりにプレミア復帰。当面は残留が目標であったに違いない。

しかし、

19節までを終えて堂々の首位。試合数にばらつきはあるものの、川崎ユースや青森山田より上位に位置している。
(これを書いた時点で)残りは3試合。残留どころか、リーグ制覇が見えていた。


失礼だろうか。それとも最高の賛辞だろうか。
尚志が強い。驚いたことに。



■円熟期の仲村体制

尚志高校の創部は1997年と、チームの歴史は実は浅い。
もともと尚志は女子だけの工業高校だったというから驚いた。1997年に共学になったという事なので、サッカー部は共学化と共に発足したということになる。

そして、
そんな尚志高校のボスは仲村浩二監督。創部から25年以上たったがずっと変わらない。まさに尚志のサッカーは仲村監督と共にある。


仲村監督といえば習志野高校の出身。
習志野と言えば千葉の古豪。千葉と言えば2種年代における現サッカー王国のひとつ。
福島に拠点を置く尚志が千葉や茨城をはじめとした関東から有望な選手を集め、そして一気に頭角を現したことは想像に難くない。

これ自体は強豪校の考え方そのものだが、僕個人的にはやはりこの考え方が好きだ。

指導理念は「サッカーを楽しむからこそ良いプレーが生まれる」。
合言葉は「楽しめ!楽しめ!」

テレビユー福島 より抜粋


楽しむサッカーの推奨は、
鬼監督が怒号を上げて指導し、強制的に生徒を動かすより即効性は無いのかもしれない。しかしそれがチームの風土や文化として定着すれば、2種年代の宿命である選手の入れ替えが発生しても、動じないほど強くなるのではなかろうか。

尚志と仲村監督はここまで来るのに20年以上かかったかもしれない。
しかしその代わり、尚志は満を持して強いのである。


読売新聞オンラインより



■下部組織の存在

強豪校に下部組織の存在はつきもの。
尚志高校もまた例にもれずジュニアユース的組織を持つ。それがラッセル郡山。現在は名前を変えて尚志U-15
もはや尚志中学校でも、FC**でもなく、どストレートにU15を名乗っている笑。

この地元に下部組織を持つという行為は、新興チームにおいてもう一つの価値をもたらしているようだ。
これまで県外からの寄せ集めと揶揄されていたチームが、しっかりと地元に根付くことで真に応援されるチームになるからだ。

あの青森山田も、
最高傑作の柴崎岳が地元(青森)出身であることが非常に大きい。定期的にこのような選手が誕生することで「外国チーム」とも言われる外野からの批判をシャットアウトした。

ゲキサカさんより


しかし一方で、
組織が体系化され大きくなると、今度は生徒の不祥事がリスク化する。仲村監督の指導方針がどんなに素晴らしくても、チームはそれをきっかけに一気に崩れてしまう。

好事魔多し。とは歴史的に語り継がれてきた”あるある”。
そのようなことが起きないことを心から願いたい。



■注目選手!


安斎 悠人(あんざい ゆうと) MF/尚志3年

Sportivaさんより

シーズンはじめにこちらのnoteでも取り上げた安斎選手。


ハンパないっす。
青森山田との首位決戦で見せた1G1A。矢印縦の高速ドリブルはものすごかったです。
技術ってのはもちろん正義ですが、速攻時のドリブルにおいては縦の速さでぶっちぎれればそれが一番なわけで。ロストフの時のデブライネがそうでした。

青森山田がロングスローをかっさらわれてそのままゴールされるのって初めてじゃないでしょうか。

このnoteを書いている現段階では内定の報はありませんが、恐らく来年はどこかのクラブでプレーしているでしょう。
注目してください!!




■最後に

満を持して、と言いますが成るべくして強い今年の尚志高校。

選手権を賑わすことはもちろんですが、もしかしたら東北の序列を変えていくきっかけとなるかもしれません。
東北の序列とは、青森山田の一強状態。Jのユースチームですらそのセカンドチームに勝てない実態。

2種年代最高峰リーグの首位攻防戦において2-0完勝した事実は、歴史が動く瞬間と囃し立てても決して大げさではない気がします。


怖いのは生徒による不祥事リスク。
こちらに対してもしっかりとケアをしてもらって、尚志時代を作り上げて欲しいと思います!



本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!




※追伸

やはり!というべきか、当然ながら紹介した安斎選手のプロ内定が発表されましたね。楽しみです🔥


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