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#262 運は支配できる

「勝ちたい」という気持ちの誤った表現方法か、あるいはそれを擁護する人たちの洗脳集団と化した気味悪さか。

いずれにせよカテゴリーを問わずヒール役を一手に担っていた2023年の町田ゼルビア。強さと美しさの両立に一石を投じ、憎たらしいまでに勝ちに徹し見事に悲願を達成した。

そんなチームを資金面で支えたのが、言わずと知れたサイバーエージェント。ボスの名は藤田晋

時代の寵児ともてはやされるIT会社の成功例でありながら、かつて社会を震撼させたライブドアとは一線を画するスマートさがある。

個人的な感想になるが、私は藤田社長が好きである。


きっかけとなったのは20代後半で出会った1冊の本。それが今回の題材でもある運は支配できるという考え方。
彼がまだ町田ゼルビアのオーナーになる前の本である。

今回の町田の躍進により藤田社長が再び登場する機会が増えた。これを機に改めてこの本について思い出し、「運は支配できる」という概念を共有してみたい。

ゼルビアの因縁とは切り離して付き合っていただければ。



■桜井章一

この本は、桜井章一という人物との共著である。

桜井章一とはその筋では知らない人はいないだろう。「雀鬼」と呼ばれる裏麻雀のプロであり、かなりヤバい勝負を20年間無敗で過ごしてきたというリアルカイジな男。

20年間無敗で過ごすにはやはり、運を支配するようなそれ相応のやり方がある。それを伝授しようというのがこの本である。
ちなみに、ここで言う”やり方”とは麻雀のテクニックではなく、勝てる人間の振る舞い方を指す。


藤田社長はそんな桜井氏のノウハウを、会社生活に置き換えて説く。つまり、麻雀の勝ち方と人生の勝ち方は同じであるという訳だ。


ちなみにこの本は、麻雀の知識が全く無くても問題なく読める。かくいう私も麻雀を一度も打ったことが無い。

それでは印象深い内容を少しだけまとめてみたい。



■運は量ではなく、流れ

この感覚を掴めたことが一番の収穫かもしれない。

よく良いことがあると「今年の運を使い果たした~」と嘆いている人がいるけど、実はこの時こそ運の流れを掴むチャンスなのであって、嘆いている場合ではないのだ(笑)。

運とは量ではないため、実のところずっと運が良い人はずっと良い。代わりに、何であいつばっかり!と他人の運を妬んでいる人は残念ながら一生自分にそれが回ってくることは無い。

なぜなら(繰り返しになるが)運は量ではなく流れだから。


ではどうしたらこの流れが掴めるのか、ってのがこの本にたくさん書いてあるという訳だ。

そして、
恐らくこの感覚は間違っていなくて、僕自身はツイてないなと思ったら神頼みする前に、流れを妨げている原因を自分の内側にみつけるようにしている。そしてそれを一つずつ改めていくと、事態は不思議なことに好転していく。

そして流れを掴んだらあとはいかにこれを逃さないようにするかを考える。そして良い事があった時には、「よしよし。この調子ならもっと良いことがあるぞ」と更なる幸運を期待する。そしてそれはかなりの確率で現実となる。

これは宗教でも怪しいカウンセリングでもない。
運は量ではなく流れ。故に自らの力だけで実は何とか出来る。
この感覚をまずは掴むことをお勧めしたい。



■コップの水

目に入ってくる事象をどう捉えるか。
ってのは運を支配するうえでかなり重要な要素を占めると思う。

これは有名な「コップの水」の話がわかりやすい。

半分まで水の入ったコップを見て、
「もう半分しかない・・・」と思うか、「まだ半分もある!」と思うかで人は大別されるという。

そして人生とは、この分岐点の連続である。


全く同じモノや現象を見て、捉える角度が異なるだけで運を支配出来る側の人間か、出来ない側の人間かに分かれるという訳である。

これは他人を見る目であってもそうだし、自分自身を顧みる目であっても同じ。あるいは今置かれている状況をどう見るかに対しても同じ。


でもって、
これを一番見極めやすいのがサッカーにおけるブーイングだったりする。一喜一憂とは違った次元の罵詈雑言。あるいは匿名であるが故に隠し切れない誹謗中傷。
これは”運を支配する”という観点で見ると、出来る側の人間と残念ながらそうでない人間がキレイに選別されている瞬間に見える。



■凡事徹底

運を支配する、と意識したところで非常に大事だなと強く思うようになった言葉が「凡事徹底」である。


はっきり言って人生は難しいなと思うし、同時にすごく簡単で単純だなと思ったりもする。

運を支配できる人と出来ない人の差は、突き詰めれば当たり前のことを当たり前に出来るかできないかの差に落ち着くと思われるから。

運を支配するうえで、生まれ持った才能とかはどうやらあまり関係ない。要はやるべきことをきっちりやっているか。そしてそれが出来る人が一番強い。
誰にでもできることであるくせに、意外とこれに気付き、出来ている人は少ない。

言い換えれば、それが出来れば自らを幸運へ伸し上げることが出来る。


凡事徹底とは、
周りが暗闇に包まれて、どこから手を付けて良いのかさえも分からないほど落ち込んでしまった時に立ち返る一番いい言葉ではないかと思っている。

多くを考えず、焦らず、周囲に気を取られず。まずは、目の前のことをキッチリと。これだけで運は好転する。




一年の計は元旦にあり。
「運を支配する」という考え方。(町田ゼルビアとは切り離して)考察してみることをお勧めします。


幸運である人に、定員数はありません。
みんなで幸せになりましょう!



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