見出し画像

【⚽️日本サッカーを愛そう】【緊急提言】ジュビロ磐田は優しくていい。

批判とは何だろうか。

人と異なる考えを述べれば、それは全て批判になるのだろうか。だとすれば今回僕が整理したい内容もまた、一部の人にとっては批判の部類に入るかもしれない。

自分としては少し思い切って「こうあるべきではなかろうか」という提言じみた投稿をしてみたい。

それぐらい心揺さぶられ、興奮し、そして確信したからだ。

鈴木雄斗という選手は素晴らしい。

平均年齢の高いチームにおいて、その走行距離とスプリント回数はいつも突出して多く、他の若いチームに一人引けを取らない。
サイドハーフを主戦場とするが、前でも後ろでも出来、ゲームの途中で3Bの一角をこなしたかと思えば、終盤ゴール前に顔を出して強烈なシュートを放つ。
対角線に鋭いボールを送ったかと思えば、逆からのクロスに走りこんでゴールネットを揺らす。体幹が良く足元が上手いためそうそうボールを奪われることは無い。

はっきり言ってJ2レベルの選手ではない。


故に、
今シーズンのオフは彼の移籍連絡を目にすることになるだろうと覚悟していた。年齢も29歳になったばかりと、自他共に認めるほど充実しているはずだ。

しかし鈴木雄斗選手は残留を宣言した。
しかも、最終戦のヤマハスタジアムの光景が忘れられないという。



■優しさ

ジュビロ磐田のサポーターは優しい。

事実、移籍してきたヤットさんがテレビのインタビューで「ジュビロのサポーターは穏やかだ」と言っていた。ガンバのサポさんはおっかないもんな。確かにそうかもしれない。

かつてジュビロ磐田に在籍していた大南琢磨選手の川崎移籍のニュースに多くのジュビロサポーターが肯定的なコメントを述べていた。

思えば2019年 3節。DOGSOを犯し一発退場。昇格組の大分に破れたことは非常に痛く、その後開幕5戦勝ち無し。結局チームはこの年降格した。
名波さんが唯一と言っていいほど我慢して使った若手のホープはそのオフに柏へ移籍した

同じような状況が今、清水で起きている。生え抜きの若手DF、立田選手の個人残留。移籍先は奇しくも柏だ。
一部の清水サポーターから辛らつなコメントが飛び交っている。

Twitterで目にする意見など一部にすぎず総意として用いるのはご法度なのだが、それでも”あの時”との空気感の違いを感じてしまう。
やはり磐田サポーターは優しいのだ。



■優しいと、良いこと

ジュビロ磐田のサポーターは、チームと選手に優しい。そんな文化を創りたい。

”仲良し同士のお遊戯会”をするつもりは無い。ではなぜ優しくていいと言い切れるのか。ポジティブな点を2つほど整理してみたい。


ポジティブ① ストレングスファインダーの世界観

こちらの本を読んだことがあるだろうか。

ビジネス書では有名な部類に入るが、一言で言えば弱みを克服する時間があったら強みを伸ばそうぜ!その方が成功率高いぜ!という本である。

この考えは、聞けば当たり前の様に思うけど自分のこれまでの思考回路を振り返ってみると実はかなりハッとさせられるものがある。

そう。
いつだって我々は弱点を克服するように叱咤激励され、下げに下げられた自己肯定感を必死に取り戻すべく忍耐と根性で立ち向かってきた。
そんな教育、いや洗脳を受けてきたわけだ。


SNSを通じての厳しめのご意見を述べるなど、その裏にどんな正義感があろうが結局のところこの”洗脳”と同じ行為でしかない。つまり古臭いのだ。

逆にチームや選手を後押しする意見。それはここで言う長所を伸ばす行為に値する。時代は長所を伸ばそう!だ。ジュビロ磐田のサポーターは単に優しいのではない。
思考が時代錯誤していない実に賢い集団なのである!


「プロなんだから短所も克服しなさいよ」
という意見が聞こえてきそうだが、これについては答えは一つしかない。
「そんなの我々が言わなくたってやるから大丈夫。プロなんだから」

故に我々がするべきは一択。
長所を伸ばすための後押し、これに尽きるというわけだ。



ポジティブ② ホームがhomeであること

最終節の試合終了後。
感慨深めにスタジアムを眺める鈴木雄斗選手を見て「あぁ移籍するんだな」と思った。何かを目に焼き付けようとする様は明らかに普通ではなく、重要な決断を迫られているように見えたからだ。

そして、

降格が決まった中でのホーム最終節の光景は忘れられません。

雄斗選手は残った。
この時点でオファーの話があったかは定かではないが、あの時 確実に何かを目に焼き付けて、そしてそのおかげで残留を決めた。

「何か」とは、ホームがhomeであったことではないだろうか。
あの時ヤマハスタジアムにいた人たちがそんな雰囲気を作ったことで、チームは重要なピースを残すことが出来た。

例えばあの時、降格に対するブーイングが全方位を包んで雰囲気の悪さを醸し出していたらどうだっただろう。
それを見て「出よう」とは思わないにしても、「残ろう。この人たちのために」とは思わないのではないだろうか。

その昔、
学校で嫌なことがあった時、夕飯でクリームシチューを食べた。
多感な時期だ。明らかに僕の様子はおかしかっただろう。それでも食卓にはいつものようにお皿が並び、いつも通りそれは温かかった。

あの時もし、「しっかりしろよ!」「もう子供じゃないんだから」そんなことを言われていたらどうだっただろう。
もう家に帰りたくないと思い、心安らぐ場所を失った事実に途方に暮れたかもしれない。

homeとは常に温かくあるべきだ。
この事実の前に、立場も性格も関係ない。みんなだって自分のことと思えば素直に腹落ちできるだろう。

そして、
ジュビロ磐田におけるhomeはヤマハスタジアム

そのヤマハスタジアムの光景を、鈴木雄斗選手は「忘れられない」と言った。
最高じゃないか。



■最後に

ジュビロ磐田は、優しくていい。

いろんな考えがあると思うが、個人的にはこれがサポーターのアイデンティティになればこんなに素敵な話は無いと思う。


そしてそれは、選手にとっても大きなメリットを生むに違いない。

ジュビロ磐田に籍を置いて戦えば、それはすなわち温かなhomeを得ることになるからだ。
いくつになっても帰る場所があるというのは幸せだ。ジュビロ磐田は、久しぶりに帰ったとしてもいつもと変わらないクリームシチューを提供することが出来る。

それは間違いなく温かい。どんな味かは、鈴木雄斗選手に聞けばいい。


来々シーズン。どんな選手がこのチームにやって来てくれるのか、今から楽しみでしょうがない。
人生の一部にこのチームを選んでくれたことに全力で感謝する。そして自分のことのように選手の成功を嘱望し、たとえ新たな旅に出ようともそれを後押しする覚悟がある。


酸いも甘いも一通り経験したチームの優しさは、ちっぽけな批判よりもずっと強い。

ジュビロ磐田は、優しいチームである。




本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?