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成果と報酬のバランスが崩れているのか?早期・希望退職募集をする企業がここ数年増えている現状

StartingPointの鈴木敦子です。
上場企業による、早期・希望退職募集の話題を見聞きすることが増えました。

いっぽうで、ハイパフォーマーほど外で活躍できる機会も生まれています。

今回は、企業の早期・希望退職募集の背景とその課題について解説します。

黒字企業も募集!? 上場企業による、早期・希望退職募集の状況

東京商工リサーチによると、2021年の上場企業の早期・希望退職者募集人数は、72社、1万4505人に達したそうです(同年10月末までのデータ)。

2022年に入ってまだ3ヶ月ですが、富士通やフジテレビなどの早期・希望退職の話題も見聞きしますよね。

早期・退職募集を実施する上場企業は、2020年から2年連続で70社を超えました。対象人員数も、3年連続で1万人以上となっています。

さらに注目したいのは、コロナによる経営不振を起因とする赤字企業だけでなく、業績の良い企業も、早期・退職募集を行っていること。早期退職によって、大きく人員構成を見直そうという企業の姿勢がうかがえます。

ハイパフォーマーが働き続けたい!と思う組織を作ろう

日本の早期・希望退職募集の背景には、報酬と成果が見合わないローパフォーマーの問題を解決したいという意図が大きいと、私は考えています。

ですが、実際に1番フットワーク軽く動くのはハイパフォーマーです。どこででも成果を出せるという自信を持ち、他の企業からのオファーもあるハイパフォーマーにとって、早期・希望退職の募集は「外でチャレンジしてみよう」の後押しにしかなりません。

逆に、どこにも行くところがない、行ける自信がない人ほど組織に依存し続けてしまいます。それでも、早期退職を募らなければならない日本の企業は、組織の成長プロセスにおいて、人員構成の構築に失敗していると言えます。

日本よりもはるかに雇用の流動化が高いアメリカでは、コロナ渦を受けて、解雇ではなく自ら退職する率が高まっているといいます。この現象は、「Great Resignation(大量自主退職時代)」と名付けられました。

コロナ渦でリモートワークが広がったなどの外部環境のほか、労働への価値観の変化も原因と見られています。30代から40代のミドルキャリア人材が、より環境が良く、自分の働き方にフィットする職場を求めているのだろうと、想像できますよね。

日本でも、ハイパフォーマーほど同様の動きが起きてくるでしょう。

実際に、Yahoo!やメルカリなど一部の企業では、場所にとらわれずに全国のどこからでも働ける制度を取り入れています。

企業には、ハイパフォーマーが働き続けたいと思うような組織作りが求められています。

個人的には、人事担当の方から伺う「ローパフォーマー」という言葉が好きではないです。

どんな人もフィットする働き方や仕事がある。たまたまその組織のその仕事では成果が出せていないだけ。組織からも何をどうしたら評価できるのかをきちんと表明することが大切です。個人においても、自身のどんな能力をどこで発揮するのかを明確にしてチャレンジし続けることが大事ですよ。

参考記事


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