【映画】ペルリンプスと秘密の森を観てきた

ペルリンプスと秘密の森 2022年(ブラジル)/ 日本公開日 2023年12月1日

テクノロジーを駆使する太陽の王国のクラエと、自然との結びつきを大切にする月の王国ブルーオの二人の秘密エージェントは、巨人によってその存在を脅かされる魔法の森に派遣されている。クラエはオオカミにキツネのしっぽ、ブルーオはクマにライオンのしっぽ、ホタルの目を持つ不思議な姿をしている。二人は正反対の世界からやってきて、全く異なる文化を持ち、一世紀にわたって対立を続けていた。二人が探しているのは、森を救うという「ペルリンプス」だ。光として森に入り込み、様々なエネルギーをもたらした。しかし巨人の支配が始まり、だれもがペルリンプスの存在を忘れてしまっていた。反発しながらもペルリンプスの手がかりを探して、二人は協力し合うことにする。音と光に導かれ、たどり着いた場所にはカマドドリのジョアンという鳥の姿をした老人がいた。老人はかつて巨人だった時のことを二人に語り始める。そしてペルリンプスに呼ばれてこの森に帰ってきたことも…。老人は家へ帰るよう二人を諭し、「出会いの場」へと導く。最初に出会った場所に戻り、ペルリンプスを探し続ける二人に、突然巨人のサイレンが鳴り響く。残された時間はもうない。大きな波が森を破壊し飲み込もうとしていた…。そして物語は思いがけない結末にたどり着く。そこに隠された現代への問いかけとは?

映画公式HPあらすじより


私のメンタルと体調が病みすぎて3歳児にも伝わる道徳的子供向けアニメを観て綺麗な物で心を癒されたいと思ってふらふらと映画館に行ってきた。実際観た感想はとても強く気高いメッセージ性のあるアニメで癒されるというよりカツを入れられた感じだった。3歳には難しいかもだけど12歳くらいで観たいし、大人になっても忘れちゃいけない内容だよなとなる話なので大人も行ってきてください。世界の情勢的にも今見ると物凄く刺さると思う。

2月末現在東京以外ではほとんど上映が終わっているようなのでネタバレ無しの感想を一応書いておきます。

ブラジルで制作されたアニメで監督はアレ・アブレウ監督。2013年制作の長編アニメーション「父を探して」がアカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされている。
とても綺麗な作品で終始絵本のような綺麗な絵が続く映画で、特に光の演出とファンタジーらしい不思議で可愛い音演出がとても魅力的な作品だった。立体的な画というより、凄く綺麗な2D画をレイヤーを分けて綺麗に見せてる感じなのでグラフィック重視の2Dアクションゲームの画面のようでもありとにかくオシャレなので凄く綺麗な映像を観たい人におすすめ。
シナリオは上にあらすじを引用してあるのでそれを読んでほしいのだけど、かなりファンタジーな世界観。それと最初に書いたメッセージ性がリンクするところが一番の見どころなので気になる方は実際の映画を観てほしい。
チラシ等のキャッチコピーとかでは感動友情ストーリー的な感じで推されてるのですが、ゆるふわ感動というよりリアルに胸をぎゅっとしめつけられる方向の感動(当社比)だったので各自いろんな方向で胸をぎゅっとされてきてほしい。


以下ネタバレ


とはいえネタバレを書きたいが実際難しすぎる話なのでお金のある人はパンプレット買って読めとしか。パンフレットを買えないジリ貧な私の感想は大幅にずれてたり間違ってたりすると思うので物の見方って人それぞれだなって事を許容できる人だけ読んでくださいね。

メッセージ性は凄く大きなくくりで反戦争や反侵略かと。ファンタジー部分のあらすじでも巨人という侵略者と戦う秘密エージェントの話なので戦争物ではあるのですが、終盤のネタバレで巨人とはリアル社会の大人の事で、実際はファンタジーの世界の戦争ではなく現実の世界の戦争を子供の疑問の視点から見た世界であり、その不思議な世界が具現化されその中で二人の少年が現実の事は忘れた状態で出会い、そして現実の問題に気づくそれこそがペルリンプスだとというお話かと。


ちなみに

“ペルリンプス(Perlimps)”とは、ポルトガル語でホタルを意味するピリランポスにヒントを得た造語。

MOVIE WALKERより

らしいです。
主人公達の心の中に灯った希望の光みたいな感じなんでしょうかね?

テクノロジーを駆使する太陽の王国のクラエと、自然との結びつきを大切にする月の王国ブルーオ。劇中の巨人の社会(多分現実)は大きな壁で隔たれて、映し出される夜景は片方はたくさんの電気の輝く街、反対はまばらに電気のついた静かな街。現実の世界のクラエ(実際はクラオだった気がする)は侵略国の大佐の息子で、ブルーオは侵略される側の国の少年兵で父親は戦争に行って帰ってこない人になったという設定だったはず。完全に記憶を無くしているのはクラエのほうで、ファンタジーの世界では戦争を止めるエージェントとして活躍している所から、子供心にこの戦争に疑問をもっているという現れなのだと思う。親の話をお互いにした辺りから二人の距離は縮まるのだけど、ほんの少し察しの良いブルーオがクラエの両親がどんな人間かに気づき喧嘩をする。その事により二人が旅した世界が虚像だと気づくのだけど旅の中で得た二人の友情から僕たちが争いあうのは本当に正しいのか?という問いが生まれる。上にも書いたがそれが希望の光なのかもねという話なのだと思う。

戦争なのだけど、双方に戦う理由があるというよりは、チラシに環境破壊という言葉も載っているので二人の国の争ってる理由は侵略的な戦争なのだと思う。実際の戦争になり、大人の立場であれば負けてもよいという選択肢はない。誰だって死にたくないし守りたい物や人がいる。選択肢を奪う事が戦争の怖い所なのけど、だから戦争そのものを始める前に、それが無理であってもせめて心の中に、おかしい事をおかしいと思う心、ほんの少しでも理不尽に立ち向かう勇気を大切にという話なのかなと。

正直睡眠不足の脳内3歳児には難しい展開であった。なので解釈自体は相当間違ってると思うので本当に各自観てご自身の解釈をしてくださいね。正直途中までどんなラストになるか全然予想のつかない感じに話が進むのでクラエが記憶を取り戻したあたりから予想以上に重たい話になり胸に刺さるという。そのどうなるかわからないウキウキからの急展開もとてもよくできてると思うので実物を観て楽しんでほしいです。




ここのところ中途覚醒が酷くて3時間まとまった睡眠がとれない頭で観るにはパンチがきいた映画だった。ここのところずっと人の良心とは?みたいな事を考えてめげてたのだけど、言葉だけの綺麗事なんて意味がないは確かに事実なのだけど、綺麗事を願い信じる強さはやっぱり大事よねと脳内3歳児なりに再認識してきたのであった。寝不足は人類を脳内3歳児にする、ゆるすまじ!

そんな感じで体調の関係で更新が遅れております。3月は現状ビニールハウスが気になってますが、そろそろ本当に節約もしなくてはという状態なのでアマプラの何かかもです。もしくは今読んでるn番部屋を燃やし尽くせの感想かもです。あとは雑記は不定期で。


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