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書く人になるために「素敵」を封印した話

誰かにメッセージを送るときや自分の思いを書くときに「素敵」という言葉をよく使っていた。
素敵って便利な言葉で、何となくいい感じに伝わる部分がある。

ライターになると決意してから自分の言葉に、より重みを感じるようになった。
今まで、さらっと素敵ですね。って伝えていたけど、素敵って何が素敵だったの?どう素敵だったの?と自分で問いかけるようになった。

広辞苑の総収録項目は25万語。それだけの言葉があるなかで、わたしはどれくらいの数の言葉を使っているのだろう。もしかすると、もっと正確に伝えることができる言葉があるのかもしれない。そう思うと、一つの言葉だけに自分の気持ちを委ねるのはもったいない。

学校でも週末の日記に「〇〇が楽しかった。〇〇が面白かった。」と書いてくる子どもたちに「どこがどんなふうに楽しかった?」とより具体的な質問をして、一緒に文を作ることが多かった。
子どもたちは答えるたびに、楽しかったや面白かったという言葉以外を使って、伝えようとしてくれた。わたしは、それを聞いて、子どもたちが過ごした週末を一緒に体験しているような気持ちになった。

ライターという仕事も、同じだと思う。
「素敵」だけでは、本当に伝えたい部分が伝わらないかもしれない。
何となく読み取れる言葉ではなく、読むだけでその場の匂いも感じられ、その場の空気を肌で感じられるような言葉を選んでいきたい。

言葉選びも楽しむ「書く人」になりたい。
まだまだ知っている言葉が少ないわたしは、読書や誰かの記事を読んで、言葉集めをしていく。

「素敵」という言葉を封印して、わたしが見たものや感じたことをたくさんの人に伝えるぴったりな言葉を使っていきたい。

Photo 果奈さん

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