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鈴掛真の短歌

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短歌 新作8首 『ドーパミンの雨』

住んでいる街。流れてゆく時間。出逢って別れてゆく人々。 ときどき現実から目を逸らしたくなる。 けれど、足元をよく見てみれば、思いがけず美しい瞬間に立ち会っているかもしれない。 そんな気分を、8つの短歌で書いてみました。 第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。 もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。 あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295の短歌で綴った物語です。 ドーパミンの

短歌 新作8首 『湿度を上げる』

車に乗っている間は、みんな揃って前方を向いているから、向き合うことはない。 けれど、向き合っていないからこそ見つけられるものもある。 例えばそれは、無防備にうたた寝する横顔だったりする。 そんな気分を、8つの短歌で書いてみました。 第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。 もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。 あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295の短歌で綴った物語です。

短歌 新作8首 『何も言わないで。』

相手の気持ちを知りたいと思うとき、つい言葉を求めてしまう。 けれど、無言で読み取れる気持ちもある。 声、顔、仕草……答えは人のあらゆる細部に宿っている。 そんな気分を、8つの短歌で書いてみました。 第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。 もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。 あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295の短歌で綴った物語です。 何も言わないで。 鈴掛真 ひとつ

短歌 新作8首 『橋が無い』

心の中は複雑で、幾重にも連なった壁で覆われている。 守ったり、攻め入ったり。 断片的なひとつずつを掻き集めて近づいてゆく。 そんな気分を、8つの短歌で書いてみました。 第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。 もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。 あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295の短歌で綴った物語です。 橋が無い 鈴掛真 唇をこじ開け探るFRISKで上書きされた君の

短歌 新作8首 『まだ人でいられるうちに』

画面越しの相手から、まるで心の無い機械であるかのように乱雑に扱われるときがある。 けれど時代の波に流されて、ふと自分も同じような扱いを誰かにしてしまっている瞬間に気づく。 そんな気分を、8つの短歌で書いてみました。 第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。 もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。 あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295の短歌で綴った物語です。 まだ人でいられる

短歌 新作8首 『最初の傷』

季節は移り変わってゆく。忘れたり、忘れられたり、心も月日とともに変わってゆく。 だから消えないように、記憶を刻む。傷つけたり、傷つけられたりしながら。 そんな気分を、8つの短歌で書いてみました。 第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。 もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。 あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295の短歌で綴った物語です。 最初の傷 新しい季節へ変わる明確な

短歌 新作8首 『肉声』

優しさで人に覚えていてもらうのは、案外難しい。 忘れ去られるくらいなら、たまには嫌な人になりきって記憶に残っていたいと思う。 そんな気分を、8つの短歌で書いてみました。 第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。 もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。 あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295の短歌で綴った物語です。 肉声 良い人を演じるための戯れ言にもう少しだけ付き合ってあげ

短歌 新作8首 『男友達』

知り合い、先輩、後輩、同僚、友達。 固定された関係性を、揺り動かしたくなるときがある。 あるいは、知らぬ間に形を変えているときもある。 いずれにしても、できるだけ美しい形であったならいいなと思う。 そんな気分を、8つの短歌で書いてみました。 第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。 もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。 あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295の短歌で綴った物

短歌 新作12首 『どんな地獄でも』

万物は、捉え方によって善にも悪にもなる。 ある人には天国でも、ある人には地獄に見えているかもしれない。 たとえ万人が悪人だと罵ろうとも、あなたにとっての善人でいたい。 そんな気分を、12の短歌で書いてみました。 第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。 もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。 あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295の短歌で綴った物語です。 どんな地獄でも

短歌 新作8首 『黒い星』

街の喧騒に佇んでいると、自分は本当にここで存在しているのか、不安に思うときがある。 誰も見てくれていなくても、誰にも感謝されなくても、きっと明日は今日より良い日だと、道端の空き缶を拾ってゴミ箱に入れてみたりする。 そんな気分を、8つの短歌で書いてみました。 第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。 もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。 あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295

短歌 新作8首 『春またやって来るのに』

また次の機会に、また次回に、と未来に期待してしまうけれど、同じ瞬間は二度と戻って来ない。 ゆるやかに変わっているはずの季節の中で、ふと、なぜだか昨日までとはまるで違う心持ちの自分に気づく。 そんな気分を、8つの短歌で書いてみました。 第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。 もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。 あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295の短歌で綴った物語です。

短歌 新作8首 『メジャーコード』

明と暗。美と醜。幸と不幸。 物事は表裏一体で、うまい話には必ず裏がある。 それでも、ひとときの快楽にふと手が伸びてしまう。すべてわかっていながらも。 そんな気分を、8つの短歌で書いてみました。 第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。 もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。 あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295の短歌で綴った物語です。 メジャーコード 後ろから抱いていい

短歌 新作8首 『何もいらない』

幸福を感じている間は、目に見えるものや、聞こえてくる音がすべて美しく思える。 陽の光。木々の緑。風の音。冷たい雨。君と僕。 すべてが調和しひとつになって、君と僕は今、世界を取り巻く中心にいる。 そんな気分を、8つの短歌で書いてみました。 第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。 もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。 あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295の短歌で綴った物語で

短歌 新作8首 『イエス・オア・ノー』

伝えたい想いを届けるために、相応しいただひとつの言葉を膨大な数の中から探し出す。 けれど、どんなに言葉を紡ぐより、たったひとつの仕草ですべてが伝わることもある。 話したり、黙ったりしながら、答えを探すのはいつも手探り。 そんな気分を、8つの短歌で書いてみました。 第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。 もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。 あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、