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BYDが新型EV-PFで更なる低価格EVを市場投下へ

BYDは現行でも低価格EVを次々に打ち出していますが、本年にEV-PFをアップデートして更なるコストダウンを実現する予定とのこと。
中国での報道によるとBYDはTeslaでなくICE車全体を競合/殲滅対象と捉えて全技術優位をEVにそそぐ(解放闘争!!)とのことです。
EV需要の低迷が鮮明になりつつあるEV市場、BYDの低価格EVで再び需要が喚起されるかは要注目であります。

1;BYDによる低コストEVの発売

 BYDは自社もICE車を発売するが、ICEを犠牲にして価格競争を煽るため低コストEV-PFを開発/車両上市をしてきた
 2023年にBYDは初めて13,900ドル(10万元)を下回る価格のDM-iモデルを発売、BYDは[ICE社/HV車の外堀(障壁)を直接攻撃して破壊している]と述べ、自社のレガシー車部門も攻撃対象としていることを表明
(BYD Dolphin EV Honor Edition)

 売れ筋モデルであるDolphinの低価格版で、13,900ドル(99,800元)から始まるタイプ。YuanPlus/Hanの新型モデルの値下げも開始して、同社含めたICEとの価格競争を激化
(Seagull EV Honor Edition)


 従来ラインナップで最も安い新型Seagull EV(Honor Edition)を発表、価格は9,700ドル(69,800元)という衝撃価格。
(Qinシリーズ)


 24/03に上市した[Qinシリーズ]ではICE車を絶滅すべくの価格設定と機能を打ち出しており、[電気が石油よりも安い]時代の幕開けを告げた
 -新型EV;価格は15,200ドル(109,800元)からで、[Lib;48kWh=航続距離;420km][LiB;57.6kWh=航続距離;510km]の2パターンを備える
 -PHEV;価格は11,000ドル(79,800元)からで、最長120kmの電気走行距離が含まれる

2;BYDの解放闘争

 BYDは今後3年、技術優位性を活用して[解放闘争]を進めることを幹部会議で決定したのこと。主な目標は、今後3年間でICE車からさらに市場シェアを奪うことにおく
(PF-3.0)
 戦略の目玉はPFのアップデートで、BYDはDM-iと全EVモデルが対象。
 現在のBYD車両は[e-Platform 3.0]をベースとし、最大1,000km航続距離を備える(中国基準で…)。3.0の大きなメリットは8つの機能が一つに統合されている点でコストが従来に比べて20%削減される。[PF3.0]は2021年に運用が開始されたもので、本年に[PF4.0]に更新される可能性が高い
(PF-4.0)
 PF4.0では統合機能が強化、ワイヤーハーネス使用も減って次なるレベルの統合を実現。次世代DM-iシステムで、BYDのPHEVは燃料タンクとフル充電で2,000km以上の走行が可能に。

3;その他

 世界のOEMはBYDの低価格EVに懸念を抱いているが、更なる低価格攻勢に対してどう対応するかで各社戦略が分かれそう…
 現在、BYDは欧州/日本/南米/タイなどで高い市場シェアを獲得。自社で貨物船も就航しており、24/02には中国からドイツに3,000台のEVを搭載/揚陸している
 FordのCEOは[中国で競争できないと収益の20-30%を喪失することになる]と懸念を表明、Fordは独自にEV-PF開発を進めている
 BYDはTeslaを業界破壊の同盟者とみており、EV普及に当っての協業を模索しているともされる

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