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空飛ぶクルマの開発現状/Alef社について

 革新的なモビリティといえば空飛ぶクルマが思い浮かぶわけですが。今回は米国で空飛ぶクルマの研究開発に勤しんでおり2年後にModel-Aというプロトタイプを上市予定のAlef Aeronautics(AA)の現状を共有です。
2025年に30万USDで売り出す予定とのことで、現在量産前の試験機が完成している模様で、既に2500近い予約を受け付けたとのこと。乗用車の形式でドローンに比べて規制等が厳しそうですが、消費者はこちらの方を支持しそうであります。

1;AA社;会社概要

 AA社は世界初の[空飛ぶクルマ]量産開発に取り組んでおり、プロトタイプの見た目は乗用車に似た、洗練されたデザインに特徴。同社は2015 年にCA/パロアルトにて創業したが、創業者のDukhovnyは多くの企業による[空飛ぶクルマ]の多くがクルマに見えない点に不満を持っていた
 投資家にはTeslaやTimDraperといった名だたる投資家/企業が名を連ねており、現在はモデルAと呼ぶプロトタイプの実現に着手。
 世界初の空飛ぶクルマになることを目指して[空飛ぶクルマ=自動車(のように普通の存在にする)]とするブランドアイデンティティを持つ

2;Model-A

 一見では曖昧に見えるデザインだが、実はシンプル。
 -乗車位置;車両の中央にあるカプセルに着席
 -羽根収容;カプセルの周囲に複数のプロペラ収容フレームを配備
 -羽根素材;プロペラはメッシュ状の素材で覆われ、空気抵抗を発生させ
[サイズと重量の制約]
 CEOは[最大の制約はサイズと重量で、文字通り1ポンドごとの戦い]と語る。確かにドローン形状ならば最適揚力を生み出す巨大なブレードが可能だが、乗用車形状を採用したがゆえに適切な航続距離に関して複雑な計算を重ねてきた。加えて厳格なガイドラインに適合する必要も(型式証明)
[VTOL機能]
 Model-Aは飛行モードで機体が90度回転して車は横向きに飛行。乗員乗客をカプセル化したポッドはジャイロスタビライザーとして機能する。AAのエンジニアは上記方法で飛行すると、車体全体が巨大な翼として飛行できて飛行時間が大幅に短縮されると証明
 AA社は[より優れた大きな翼を持つので同じバッテリーからより多くの出力を得ることができ、重視するのは飛距離である]とコメント。具体的には飛行モードで110マイル/hで走行できる能力を持つ
[規制対応]
 Model-Aは[フルサイズの走行/離陸/飛行という重要機能を備えているが、実現にはまだまだ道は長い]とAA社は認識。政府規制によりModel-Aは低速車両(LSV)とされて[管轄区域に応じて、最高速度は25-35マイル/hに制限される]とする
 多くのハードルがAA社に立ちはだかるが、AA社は安全を重視。[最も重要なのは"安全"であり、社会実装での危険性を以下に低減できるかが重要で、FAA/NHTSA両方の規制への準拠を大前提]とコメントする。

3;AA社の未来

 2025年の初号機納入を目指しており、CEOはパロアルト拠点で製造されると明言。AA社は重量を可能な限り軽くすることに重きを置いており、基本的にはEVタイプを指向するが軽量化観点で水素エネルギー採用も念頭に置く
 車両設計に自信を持ち、自社製品がより良い[クルマ]になることを望む。以下はCEOのコメント…
 [消費者観点から見るとModel-Aは追加機能を備えたクルマである]
 [エンジニアリング/研究開発の観点からは、飛行部分;95%/走行部分;5%を費やす]
 現時点で2,500件の予約注文を集め、7.5億USDの売上につながる可能性があると発表。CA拠点のディーラーと協力して販売する可能性が高く、Model-Aの価格は30万USDを想定

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