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Hyundai傘下の自動運転;Motionalがつなぎ融資獲得で時間稼ぎへ

HyundaiとAptivを株主として持つ自動運転車両/SWの開発を行うMotional社がつなぎ融資契約を結んだと報道が出ています。
既報のとおりAptivが手を引くと発表して以降、資本充足&開発継続を宣言してきましたが、やはり内情は厳しかったようです。
今後の新しいパートナー選定に注目が集まります

1;Motional社のつなぎ融資獲得

 Hyundai系列の自動運転新興;Motional社は長期資金確保までのつなぎ融資を獲得したとのこと。Motional;CEOのKarl Iagnemma氏の社内メールで明らかになったもので、取締役会はつなぎ融資契約を承認。
 -[以前からMotionalの株主とは次の資金調達ラウンドを最終決定するために交渉中で、協議が予想よりも長引く場合に備えてつなぎ融資を含む様々な短期資金調達の代替案を検討した]
 -[株主は長期的な資金調達の選択肢について話し合うための追加猶予ができ、モーショナルの戦略的方向性についての連携を強化することができる]

 つなぎ融資の正確な条件/金額は未公表で、同社は公式コメントを発表していない

2;最近のMotional社の状況

 24/01にMotional社の片方の株主であるAptivは追加出資を含めたリソース配賦の停止を表明。社内関係者によると、Motional社は2024年に商用ロボタク事業を開始するための資本は確保しているとのことだった…
 Aptivの撤退でHyundaiが唯一の支援者として残され、[Hyundaiからの追加出資]か[外部投資家の探索と出資]の2つにオプションが絞られた
 Motionalは資金調達に向けた事業効率化も進めており、24/02には従業員のレイオフも実施して70名弱(5%強)を削減。対象は主に管理職と、自動運転に係るオペレーション業務を担う人員
 それ以前のレイオフは22/12で、当時は10%を削減し、自動運転の試験関連業務に従事するポジションが対象だった

3;Motional社の概要

 会社は自動運転技術開発を行うnuTonomy社を源流とし、2019年に設立
 -2013年;nuTonomyがボストンで創業され、公道技術テストに初めて成功
 -2017年;Delphi(自動車部品)が4.5億ドルで買収、その後Delphiは会社分割されて当該事業はAptiv(システム/電機関連等のSW開発/設計)の譲渡&吸収
 
 2019年にHyundaiとAptivにより、自動運転商用化に向けてMotional社が設立。当時は出資金/現物出資/提供物を含めると事業価値は40億ドル近くになるとしていた。Aptivは[自動運転技術][700人の従業員]を、Hyundaiは[Kiaブランド][車両エンジニアリング][R&D][IPR]に加えて16億ドルの現金を拠出

 発足後の経過はあまり順調でなく、ロボタク事業の実現に向けて動いてはいたが延期に次ぐ延期…
 -発足時;20年に自動運転試験の開始→22年に商業化
 -現時点;24年に(完全無人)ロボタク事業をIONIQ5米巣車両で開始
 *先だって23/11にHyundaiと連名でロボタク量産対応バージョンを共同開発する計画を発表

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