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スクラム採用の会社でダイレクトリクルーティングに取り組んできた半年間の振り返り

こんにちは、HERPでマーケティングを担当している鈴木です。
昨年の9月にジョインしてウェビナーの運営などマーケティングの業務に取り組みながらビジネスサイドのダイレクトリクルーティングの推進にも携わらせていただいておりました。

まだまだこれからな部分も多いのですが、取り組みから半年の振り返りとして得られた示唆をまとめさせていただきます。

私の紹介については↓の入社エントリーも読んでいただけると幸いです。

入社時の課題感と自ら取り組む意義

HERPでは毎週採用定例を実施しており、有力候補者の状況のシェアや施策の進捗確認などを行っています。スクラム採用を提唱している会社なだけあって、一人一人が主体的に候補者に関する情報をインプットし、どうアトラクトすべきかなど考えられている点はさすがだなとジョインした当初感じていました。

一方で、母集団形成の動きが弱いことも感じていました。当時の応募の多くはエージェント経由で、そこにリファラルと直接応募が一部あるのみでした。

リファラルを増やすためのタレントプールの運用や、中長期での認知向上を目指した採用広報の動きはもちろんありましたが、全体感としてはエージェント依存の強い傾向が見て取れました。

ダイレクトリクルーティングは以前実施したことがあったが返信率が低く成果に至らなかったので今はやっていなくて、その分採用広報に注力しているとのことでした。

過去上手くいかなかったものが今も上手くいかないとは限らないですし、当時の話を聞く限りでは検証し尽くしたようには思えなかったので、私は改めてやってみる価値があるように感じました。そのため自ら手を挙げてダイレクトリクルーティングに取り組んでいくことにしました。

自ら手を挙げたのにはいくつか理由があります。

ひとつは自分自身が過去にダイレクトリクルーティングを推進してきた経験があるのでそれなりに勝手が分かっていたからというのが大きいです。一方でその時は社内リソースもなくて、ひとりでひたすらスカウト打って面談してってのをやってたので、チームでスクラム採用をしていくという感じでは全然なかったです。

なので、ダイレクトリクルーティングをチームで取り組めるようにするための仕組みづくりをトライしてみたかったというのが2点目です。こういう取り組みは新しく入ってきたメンバーがフラットな視点で取り組んでみると良いのではと思っていた面もあります。

もうひとつ、これは個人的な感覚にはなりますが、マーケターとしてのリード獲得の取り組みと、採用における母集団形成の取り組みは似ていると感じているので、マーケターとして培ってきたものが何かしら活かせるのでは?と思っていました。少なくともそう思えていたから興味を持てたし成果に繋げられるのではとポジティブに考えることが出来ました。

媒体選定から運用開始までのの悩みや苦労

媒体選定

はじめにやらなければいけなかったのは媒体選定でした。まずはクイックに立ち上げられてイニシャルコストが低いもので1媒体に絞ってやり切ってみるのが良いと考えていました。

HERPでは過去Wantedlyやビズリーチ、YOUTRUSTを活用したことがあり、また私は前々職でWantedly、Green、キャリトレ、リブズキャリアを活用した経験がありました。その中で上記条件に最も合致しそうなものがWantedlyでした。

まとめると以下のような理由からWantedlyが良いと判断しています。

  • アカウント開設済なので、スカウト購入するだけですぐに始めらる

  • スカウトは50通単位で購入出来るのでスモールスタートに向いている

  • 既に募集や会社ページも公開されているので、取り組むための基盤はある程度整っている(メンテの必要はあるものの)

情報の整備

Wantedlyを使うことを決めて、稟議や契約など手続きまわりを済ませた後で次に取り組んだことはWantedlyで公開されている情報の更新でした。

ちょうどシリーズBの資金調達やそれに合わせたミッション変更なども控えているタイミングだったので、情報が古いままスカウト送付するのは望ましくないと考えていました。

また、資金調達のリリース前に一度送付し、リリース後注目を集めているタイミングで再送するという流れを考えていたので、そのためにも公開されている情報についてきちんと確認し変更しやすい状態にしておく必要がありました。

オペレーションの構築

募集の文言や写真の見直しなど最低限のメンテが完了した後はスカウト送付のオペレーション構築に取り掛かりました。

マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスといった職種別に担当を決めてスカウト送付していくことにしたので、複数人で候補者のピックアップ、送付可否の確認、送付を進めていく上で管理が煩雑になったり、重複が発生しないようにオペレーションを整備する必要がありました。こちらは媒体管理画面上では難しいと感じたのでスプレッドシートを使うことにしました。

オペレーションもある程度固まりあとは送付するだけとなったのですが、そこで新たに分かったことはスカウトを打ったことのないメンバーが多いということでした。

ここについては最後にまた触れますが、はじめての取り組みだとどうしても慎重になってしまうものですし、どんな内容を送ったら良いのか分からないという声も多く、ある程度フォーマットを固める必要があると感じました。

テンプレを用意した上で、私が過去にWantedlyでいただいたスカウト文などを例として挙げつつ、こういう要素を盛り込めると良さそうという情報をシェアしながらはじめてでも取り組むイメージを持ちやすい状態を作れるようにしました。

Wantedlyの取り組み結果と媒体変更の経緯

上記のような準備を経て実際にスカウト送付を行いました。結果としては何件か面談設定には至ったのですが、やはり返信率が低く母集団形成において大きなインパクトを残すには至らなかったです。

また、思ったほど有力な候補者が多く見つからなかったというのもあります。このままWantedlyだけを継続していくことに限界があると感じました。スカウト媒体である以上、やはりデータベースの量と質が重要ということですね。

YOUTRUSTへ注力媒体の変更

そこでYOUTRUSTを新たにトライアルすることにしました。YOUTRUSTは急速にユーザー数を伸ばしてきており、データベースの鮮度に期待が持てそうということと、転職意欲の変更通知を基にアプローチしやすい設計になっているので効果的に母集団形成出来るのではという狙いがありました。返信率の高い媒体でもあるので返信率が低く送付者のモチベーションを維持しにくいという課題にも効果的ではないかと考えていました。

基本的なオペレーションはWantedlyを踏襲出来たのでスムーズに移行し、スカウト送付出来るようになりました。このあたりを効率的に進められると横展開しやすくて良いと思います。

YOUTRUSTの方がよりチャット形式で短めのスカウト文面が好まれるとのことで文面をリバイスし、またプロフィール情報を詳しく記載していたりSNSのリンクを貼っている方も多いので、より候補者のことを詳しく確認した上でカスタマイズされた文面を送付出来るようになったことが大きな変更点でしょうか。

転職意欲の変更についてはSlack連携してSlackに通知されるようにしているのでスピーディーに察知してアプローチ出来るようにもなりました。

YOUTRUSTの取り組みの現状の成果

YOUTRUSTは結論から言うとかなり上手くいっているように感じています。HERPで累積でも返信率が40%を超えており、かなりの確率でレスポンスを期待出来ます。その後のカジュアル面談の設定率も高いので効果的に母集団形成出来ているように感じています。

また、YOUTRUSTの特徴として一度スカウト送付した人にはその後スカウト数を消費せず何度でもアプローチ可能となるので、定期的に再送するオペレーションを組んだことで返信率が安定するようになっていると感じています。

実際、YOUTRUST経由で内定承諾・入社決定にいたっている方もおり、また副業意欲の高い方も多くいらっしゃるので業務委託の採用にも寄与しています。直近新たに入社決定した方もいて徐々に成果が出ていると感じています。

ただこちらもすべての母集団形成をまかなえるほど、データベースが潤沢という感じではないので、拡張していくというよりかは引き続きコンスタントに運用し続ける感じかなと考えています。

LinkedIn運用にも範囲を広げ取り組み中

そのため現在はYOUTRUSTと併用する形でLinkedInも運用しています。私含めて、HERPにはLinkedInでエージェントからスカウトをもらい入社したメンバーが複数おり、採用ターゲットとの親和性が高いのではという仮説がありました。

実際使ってみるとYOUTRUSTではあまり見つからないようなシニア層の方や、外資系のIT企業やコンサルの方が数多く登録されており、データベースとしては魅力的に感じられています。

YOUTRUSTとLinkedInとの併用で採用ターゲットの多くをカバーしてアプローチ出来そうという仮説の下で年明けからこの2媒体に注力する方針としています。

ですが、LinkedInでは現状は返信率が低いことがボトルネックとなっており、まだ成果を産み出せていないのが現状です。競合の多いハイクラス層ほど返信率は低くなりがちという側面はあるのですが、媒体平均と比べてもまだ芳しくない状況です。

LinkedInのカスタマーサクセスの方にもご支援いただきながらスカウト文面の改善や検索条件の見直しなどに取り組みつつ、LinkedIn内での認知向上のための広報施策にも取り組み始めています。このあたりでまた成果が出てきたら別途記事化してみたいと思います。

まとめと今後の展望

いかがでしたでしょうか?手探りでいろいろトライアルしてきた面は大きいのですが、少しずつ運用が回りはじめ成果に繋がるようになってきた部分が伝わっていたら幸いです。

ここまで取り組んでこれたのはHERPの「やってみよう!」というカルチャーと周囲の協力・サポートがあったからだと思っています。正直成果の可視化や分析面、オペレーションの効率化などまだまだ改善出来る部分が多くご迷惑おかけしていることも多いのですが、これからの取り組みで返していければと考えています。

直近ではビズリーチのトライアルが決まったり、他媒体の検討も進んで来ており、私の入社時とは明らかに母集団形成への意識が変わってきていると感じています。

先に触れた通り、スカウト送付したことがないというメンバーがもともと多かったのですが、今では多くの人がダイレクトリクルーティングに携わるようになっています。

個人的には採用のサービスをやっている以上採用の実務には出来るだけ自ら触れて解像度を高めておくべきと思っていて、ダイレクトリクルーティングは誰でも関われるものだと思うので関わりやすい状態に出来たことは良かったと思っています。

今後はより成果と将来的な拡張性も意識した上でHERPの継続的な成長を担保出来るようにしていきたいと考えています。

※記事内の媒体に関する評価はあくまで弊社内実績に基づく私個人の所感となります。

HERPの宣伝

最後にHERPの採用サイトとカルチャーデックのリンクを貼っておきます。
本記事で書いてきた通り、HERPでは役割・職種や社歴・経験に囚われずにフラットに課題解決に取り組める環境にあるので、HERPのミッションやカルチャーに少しでも共感いただけた方はお気軽にエントリーいただけると幸いです。

また、私個人としてMeetyをやっているので、もし私の経験とかキャリアにご興味あればいろいろお話出来ると思いますのでぜひお気軽にお申し込みください。

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