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#96 面白半分日記06 我が家の猫の機密情報

■人類の発明

人類の偉大なる発明とされているのは言語である。
その延長線上には文字がある。

そのお陰で私はこうしてnoteに真面目な「面白半分日記」を披露できている。

誰に感謝すればいいのだ。

言語の発明はホモ・サピエンスまでさかのぼる。
サピエンスに敬意を表すべきか。

残念に思うことがひとつだけある。
人間はみんな同じホモ・サピエンスを祖先としているのに、なぜ世界は単一言語になっていないのか。

たおやかな日本語を用いていれば、人類はもっとしなやかな心持ちになっていただろうに。

現実の世界は言語が違い、発音のための舌の動かし方も違い、文法体系も違い厄介だ。

言語の違いは思考体系にまで影響を及ぼしている。

思考体系の違いは「わかりあえなさ」の要因になりうる。
いや、同じ言語を使っていても、わかり合えなさは日常にも蔓延しているか。

猫はニャアニャアと鳴き、犬はワンワンと鳴き、話し合いにならないから犬猿の仲となり‥‥あれ?猫が猿に入れ替わったぞ。

結局、生物多様性はコミュニケーションの多様性であり、人間も分かり合えないことが多々あるという結論に至る。

■しゃべる猫

我が家の猫はしゃべる。
おやつの「ちゅーる」がほしくなると、「ゴワァ~ん、グワァ~ん」と鳴く。

「ご飯」と言っているのだ。

やや不明瞭な発音なのは進化の過程における揺らぎと捉えてよいだろう。

これは私の高度な研究と教育力のたまものである。

私は猫に餌を与える際、2オクターブ高い声で「ゴ、ハ、ン ゴハン、ゴハ~ン!」と三度唱えている。

その結果、猫自身、「グワァ~ん」と言えば餌やオヤツにありつけるという知恵と技術(人間の言語)を獲得したのだ。

「三度の飯よりグワァ~ンが好きな猫なんですよ」などとワケのわからない暢気なことを言っていると、『猿の惑星』みたいに、私は猫族に支配されるかもしれない。

ヤツはやがて文字を獲得し、
「僕の飼い主(今は下僕)は物忘れが激しいうえに、ちょっと何言っているか分からないヤツなんです」
ということをnoteに書き込むようになるだろう。

猫の手はモコモコの肉球だからペンを握ることができない。
だから筆記は無理だろう、と考えるのは安易な発想だ。

ヤツは、飼い主の私がPCを操作している最中に、よく机の上や、ご主人様の膝の上に乗って、じゃれているふりをしながら、文字の配列を学習しているのだ。

人類の歴史がイノベーションの連続であったように、猫の歴史も進化の連続性の中で私の能力を凌駕する、と私は思い始めている。

そうしたことを学術論文にして学会に発表してはどうかと熟考していたところ、ある通知が届いた。

文部科学省科学技術学術政策局の「査読における不適切な行為の防止について」だ。

不正事案については、以下の文科省のサイトをはじめてとして関係諸団体が情報を公開している。

『猫の言語と文字の獲得』に関する最先端研究をこんな形で気軽にnoteに書いていると、私の高度な理論が盗用されたり不正利用する者が出てくるので、十分に気を付けなさいという注意喚起なのだと受け止めている。

この「面白半分日記」自体、ぜひ秘匿事項としてあなたの心の中だけに留めておいてほしい。