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家での勉強について⑨北欧で教えてもらった理科の勉強をするときの切り札「Miksi?」編

このシリーズで「英語の勉強」と「理科の勉強」についてお話をしてきました。万人に通用するわけではありませんが、勉強に苦しんでいる人の助けに少しでもなればいいなという思いでお話させていただきました。

今回はデンマークに滞在したときに教えてもらった理科を勉強するときの切り札とも言える「合言葉」をお話させていただきたいと思います。

その合言葉はMiksi?(ミクシィ)といいます。フィンランドの言葉で英語でいうとWhy?と同じ意味を持ちます。

デンマークで様々な国籍の人たちと共同生活させてもらう機会に恵まれ、色々な話をさせてもらう中で、フィンランド出身の人から教えてもらいました。

フィンランドでは学校の先生がMiksi?(何故?)という質問を連発してくるそうです。

日本でも小さい子が「なぜ?」「なんで?」「どうして?」と畳みかけてくることがありますよね。保護者の方もご経験があるのではないでしょうか?

日本では、度が過ぎると一見個人攻撃のように見えてしまいますが、フィンランドの先生は生徒の思考力を伸ばすために最低でも2,3回はMiksi?と聞いていたそうです。
先生「なぜそう思うの?」
生徒「こうだからです」
先生「その根拠は?」
生徒「AとBからこのように考えます」
   ・・・
フィンランドの生徒も先生のMiksi?に怯まずに答えます。
フィンランドは生活の中で対話が根付いているんだろうなと感じています。

最初は先生とそのやりとりをするのは難しいけど、そのやりとりをするために、自然と「根拠」を探すようになると教えてくれました。


それを聞いて「なるほどな」と感じました。日本ではあまり個人に向けて「なぜそう思うの?」「そう考える根拠は?」などの質問を数回連続で繰り返したりしません。
理科が得意な子には時々することもあるかもしれませんが・・・。
攻撃されているような印象を受ける生徒も多いです。連続で質問をしようもんなら、「先生は私、僕のこと嫌いなのかな・・・。」「何か目をつけられるようなことしたかな・・・」ともなりかねません。(ここは日本人にとって伸び代があるなと感じます。)

フィンランドの友人にそのことを話すと「確かにそう捉える人がいるのもわかるけど、フィンランドではもうお馴染みだよ」と答えてくれました。

気になったので、先生とのやりとりに向けてどのように準備をするのか聞くと、

「理科の勉強であれば、ある現象が起こる理由はどんな根拠・理由があるのか、できる限り自分に問いかける。それでわからないところは自分で調べたり、先生に質問してみる。」
と答えてくれました。

確かにそうだなと感じるとともに、
自分に何回も「なぜ?」と根拠や理由を確かめていくことは日本人でもできると感じました。

勉強するときに自分にMiksi?と問いかける。これは理科の力を伸ばす生徒がやっていることに通じるものがあります。
何に対しても「なぜ?」「どうして?」と疑問を持ってみる。内容を理解していって、
自分や人に説明できるように考えを深める・準備してみる。
これはどの教科でも応用できることでもあると感じています。

自分に「なぜ?」と問いかけて、「なぜなら〜」と答える自問自答を繰り返すことで思考力がついていきます。

なぜ?と聞かれて「根拠」を持って説明できるようになる。
「根拠」を持って自分の主張をできるようになる。

これが理科で培いたい能力のうちのひとつです。

中学理科の範囲で学ぶことは日常生活に結びついていたり、活かされていることが多いです。日常生活と理科を結びつけられると理科を学ぶ意欲も出てきたり、面白さがわかってきたりします。

多くの人が小さい頃に持っていた『なぜ?』を今一度、理科にぶつけてみて下さい。
理科に臨むときは、ぜひ「童心に戻って」自分の興味疑問、遊び心を大切にしてみて下さい。
みんな小さい時があったのでその時を思い出してみて下さいね。

「なぜなんだろう?」「どうして?」が解決されて
「そうだったのか!」「そうだったんだ!」となる時が勉強していて一番楽しい瞬間のひとつだと思います。

(あともう一つは学んだことを何かに生かせた時です!)

現象として、「こうなるものは、こうなる」と半ば無理矢理、暗記のような形で理科に対応しようとすると恐らく理科は苦しいものになってしまいます。個人的に理科は暗記科目だと思っていません。

生活の中での「なぜ?」「どうして?」をたくさん発見してみて下さい。理科の授業でそれらが解決されるかもしれません。

とはいえ、世の中の全ての現象が解明されているわけではありませんし、中学の理科で説明仕切れないものもあります。

でも「なぜ?」が解決されると、理科が少し楽しくなるかもしれません。
自分が理科を好きになった理由は、日常のなぜ?が解決されていくことがきっかけでした。

ワクワクするような理科の楽しさに少しでも多くの生徒さんが触れられますように。




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