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カメラを撫でる


「カメラなんてお出かけや旅行の時しか使わないのだからレンタルで十分」だと思っていた時期が僕にもありました。でも今は家にカメラがあって僕は幸せだ。カメラが好きなのか、それとも写真が好きなのかという議論があるけれど、僕はきっとカメラが好きなのだと思う。寝る前にカメラを撫でる。電源を切ったままスイッチをカチカチ押してみたり、なんとなく構えてみたりする。まるでモデルガンみたいに。

そうして点検するみたいにカメラを触って、満足したら眠る。それを繰り返すうちにカメラを持って出かける日がやってきて、カメラで写真を撮る。その繰り返しだ。極端な言い方をすれば、バレーボールの選手が常日頃からバレーボールを触っていることでその感覚を体に染み込ませるのと同じで、カメラもずっと撫で回しているとスナップに出かけた時にいつもよりも上手に写真が撮れる気がする(完全にプラシーボ)

少し話外れるけれど、自分は写真が好きというよりはカメラが好きなのだと自覚して、随分救われた気がする。そんなに写真が上手いわけでもないし、というかそれ以前に写真をどんどん向上したいという意欲そのものがないので、これはどういうことなんだろうか、これで写真が趣味って言っていいのだろうかと随分思い悩んだりもしたけれど、なんということはない、僕はカメラという装置が好きなのであって、写真を撮るという行為は言ってしまえばその性能をテストしているようなものだ。

もちろんそう簡単に思い切れるものでもないけれど、でもそういうふうに一度割り切ってみると今一度写真を撮るのが楽しくなって気がする。僕はカメラが好きで、そのカメラと出かけているのだと。その性能を楽しみたくて写真を撮っているのだと。



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