ずっと母が嫌いだった
昨年、母と決別した。
もう、関わらない、と決めて家族の前で宣言した。
途端に、悪夢を見なくなった。
母を怒鳴り付けたいのに声が出ない、
母を殴りつけたいのに足が動かず近寄れない
なんでなんでなんで、声が出ないの!今こそ言ってやるその時なのに!
焦るほどに喉は詰まり、足は言うことをきかない。
泣きたくなるほどの焦燥。
そうしたものからスコン、と解放され、清々した。
亡くなった父には申し訳ないと思うが、
父の病気とその死が、母への恩讐から私を解放した。
美しい母、その母に似て生まれた美しい妹。
父に似て生まれた私を醜いと嘲り続け、長じてからも
昔からブスな子で、と人前でけなし、嗤っていた。
そんな母が雇った行政書士を、私は資格停止処分に追い込んだ。
もちろん、合法的に、だ。
母が嫌いだ、という気持ちはきっとずっと消えない。
吐き出していくために、書こうと思う。
通っている文章教室で講師に言われた
「もっと正直に、気取りを捨てて書きなさい」
書いてみようと思った。
つづく
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