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書記が経済やるだけ#16 GDPと物価指数,名目と実質の違い

今回からマクロ経済学を扱っていく。まずはGDPと物価指数,名目と実質の違いについて。


問題

GDPの計算のほか,日本史で問われた実質賃金について説明する。


説明

国内総生産(Gross Domestic Product,GDP)とは,一定期間内に国内で産み出された物やサービスの付加価値の合計を指すフロー指標であり,一般に景気を測る指標として用いられる。GDPは支出において「消費支出 + 投資支出 + 政府支出 +(輸出-輸入)」と定義されるほか,生産・分配においても定義される(三面等価の原則)。


上で示したGDPである名目GDPは,経済状況のみならずインフレによる価格変動によっても変化する。そこで,価格変動の影響を排除した国内総生産を実質GDPとして定義する。また,名目GDPを実質GDPで割ったものをGDPデフレーターと呼び,増加率がプラスであればインフレーション,マイナスであればデフレーションとみなされる。なお,日本のGDPデフレーターはパーシェ型の連鎖指数である。


消費者物価指数(consumer price index,CPI)とは,消費者が実際に購入する段階の相対価格である最終価格の変動を表す指数であり,これは基準年に対する変動を表すラスパイレス算式である。


名目と実質の違いについて,賃金も物価により変動することから,実質賃金=名目賃金/物価指数と定義される。


解答

GDPに関する計算について。国民総生産(Gross National Product,GNP)については「GNP=GDP+第一次所得収支」で計算できる。財政赤字や民間消費を計算するには,三面等価の原理を用いて式変形を行う。


名目GDPは「(価格×量)の総和」で求められる。これに対し実質GDPでは,基準年に合わせた補正を行う。最後に,GDPデフレーターは名目GDPを実質GDPで割って求める。


実質賃金が問われている場合,単に賃金の上下だけでなく,物価水準を考える必要がある。特に昭和恐慌の時代である1930年代について,産業の合理化により賃金低下に加え,赤字公債発行によりインフレも要因と考えられる。


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