見出し画像

トキメキシリーズNo.25 〜ドレスデンクリスタルの花瓶〜

遅ればせながら明けましてトキメキシリーズ更新。

「トキメキシリーズ」とは、リサイクルショップもしくは自治体のリサイクルセンターを徘徊して連れ帰ってきた逸品たちをフィルムカメラで撮影し、可能な限り褒めたたえ、買い物の正当化を試みようとする目論見である。


前回の投稿同様、パンクなフィルム「HARMAN Phenix200」にてブツ撮りしてみた。と言っても別に意図していたわけではなく、現像してみたらこんな感じで撮れていたというだけのことではあります。

2024年最初の更新ということで、ゴージャスな逸品からスタートさせよう。



燦然と輝くカットグラス。
リサイクルセンターの陳列棚の、目線よりも下の段にひっそりと並べられていたにもかかわらず、ただならぬノーブル感をダダ漏れさせていたこちらの花瓶。

高さ15センチほどの小ぶりな花瓶でありながらずっしりとした持ち重り加減。計ってみたら444gと、数字を並べてくるあたりにそこはかとない凄みを感じる。

分厚いガラスには触れる者を拒むほどの鋭さで薔薇やキラキラモチーフの切子細工が深く施されていて、それが透明度の高いクリスタルガラスが持つ清らかな煌めきをさらに高めている。と同時に一瞬にして凶器になり得る冷酷さも揺るぎない。撮影に使用したフィルムHARMAN Phenix200 のコントラストの強い写りがそのバイブスを高めてくれた。

鋭利すぎる縁のギザギザ


ボディには"ドレスデンクリスタル"と書かれた小さなブルーのステッカーが貼られていた。何者なのか、さっそく検索してみる。

華やかな輝き、きらめく光彩。芸術・文化の中心地として栄えたドイツ屈指の古都ドレスデン。
14〜15世紀、この地域から広がる森林地帯でガラス産業が始まりました。ドレスデンクリスタルは500年にもわたる伝統を受け継いだ職人の高度な手仕事、装飾技巧を誇るクリスタルです。
クラフトマンシップの技の限りを尽くした、美しい色褪せ、大胆かつ精緻なカット、華やかなグラヴィール。
優れた職人の手による可憐な花々、バラの模様にはヨーロッパの王侯貴族に愛され続けた優雅な歴史が刻まれています。宝石のような輝きを放つクリスタルの逸品たち、それがドレスデンクリスタルです。

Farbe  商品ページより引用

一部に違和感のある訳文ではありますがドイツはドレスデン地方の歴史ある伝統工芸のよう。作品のみならずキャプションすら眩いほどの輝きを放っていた。もう何も言えることなどございません。家宝にいたします。

ただひとつ悩ましいのは、この花瓶オーラがあり過ぎて庶民派のわが家のテイストにはいまひとつ馴染まないこと。窓辺の小テーブル替わりにしている椅子の上に自分の撮った写真やバリ土産にもらった木製の素朴な民芸品などと共に並べているけどたいへん居心地悪そうである。猫足のアンティークテーブルじゃなくてごめん。


ざっくり言ってしまえば本当に素敵な花瓶です。


1点なんと2000円也。
新年スペシャルに相応しい高級品。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?