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「空気」の暴走対策

今まで書いた「空気」について、私の解釈と原因の深掘り、そして対策法について考えました。


1.「空気」の構造

私の考える、「空気」の正体は

多数が共有する「概念名」の一人歩き

です。幕末の「攘夷」「尊皇」、明治から戦前昭和の「神国日本」、戦後昭和の「独占資本」「公害」等がその例です。

ここで大切なことは、この概念に対して

多くの人が解った気になっている
(しかし実際に詳しく知る人は少ない)

状況が「空気」の暴走に繋がります。

つまり

本質を理解している人なら
状況変化に対応して方針を変える

ことができますが

本質を理解できていないから
修正ができない
状態が
「空気」の暴走

です。

例えば、第二次大戦中に

日本はミッドウエーやガタルカナルで
敗戦を重ねます

しかし、この事実を、当時の新聞は

神国日本の強さの「空気」

に負けて

嘘の戦勝報道を重ね

ていきます。そこで

満州事変の主犯である石原莞爾は
A新聞に「真実を報道せよ」

と迫りますが拒否されました。このように、政治・大衆・マスメディアの多くが「空気」に振り回されました。

2.原因の深掘り

このような「空気」の暴走は、明治以降の日本社会に、激しく出ているように思います。私はこの理由を、表面的には

明治からの学校教育の充実

に見ました。つまり

教科書の簡単な記述

だけで分かった気になる。しかも

教科書内容に疑わない

という躾けまでされています。このような状況で

神国日本の兵隊は強い
米英にも勝てる

という「空気」の暴走が起こりました。

さて、このような「空気」の暴走は、西洋諸国では発生したのでしょうか?

確かに現在の

地球温暖化追求
EV優位ガソリン車追放

などは「空気」の暴走気味です。

しかしながら、西洋文明と日本文明には、大きな違いがあります。これは

  • 西洋文明:人間の力は有限
     そこで哲学的思考力のある者が真実に迫る

  • 日本文明:人は平等で神にもなれる
     皆が納得する

という違いが、意識されていないが、大きく影響しています。つまり

  • 西洋文明では「一般人は論理思考のできる指導者に従え」

  • 日本文明では「皆が納得できる」

という違いで、西洋文明では

論理的反論が「空気」を止める

力があります。

一方、日本の場合には

論理的反論は空回り

という状態になります。また別の面では

大学卒業したら平等に力あり

と、抽象的概念を振り回して、人を巻き込む場合もあります。日中戦争においても、最初の満州事変を引き起こした、石原莞爾には、戦争終結までの配慮がありました。しかし、その後の対中戦争を指導した参謀たちは

石原でもできた戦争は
陸軍大学でよい成績の自分たちなら
もっとよくできる

とばかりに暴走していきました。こうした

深い考えのない人間も悪平等で発言

という環境が「空気」の暴走につながります。

3.「空気」の暴走対策

今までの議論で「空気」の暴走の原因は見えたでしょう。具体的に言うと

  • 表面的な理論的検討

  • 大衆の納得

が、「空気」の暴走を引き出します。

これを踏まえて対策は、以下のようになります。

深く広い理論的検討
特に関連事項まで配慮

例えば

EV普及論者に対し
車製作・発電時のCO2等広く検討

と言う風に説明することで

ガソリン車のよい点

も冷静に議論できます。

一方、このような検討を

多くの人に見える様にする
特に全体像の物語

で伝えることで

大衆の納得

を引き出すことができます。

こうした配慮があれば

「空気」の暴走対策

ができると思います。

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