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社会生活で生きる経済学的発想

経済学の発想を知ることは、社会生活に大きく役立ちます。まず現在社会に生きているのですから、貨幣経済の仕組みは、社会人として基本的な知識です。

しかし、経済学について学ぶもう一つ大切なことがあります。それは社会科学の考え方を知ることです。経済学は、社会科学の一分野として我々の身の回りの問題に対し、考え方を示してくれます。しかしながら、誰もが納得する成果と言うモノはありません。ケインズの言っている「政府の役割を重視する」が正しいのか、ハイエクの言っている「小さな政府」が正しいのか、状況により答えは色々です。

このような、「絶対の真理が一つ存在する」と言う、物理学的な学問観は、社会科学では通用しません。もっとも数学ですら、巨大基数の存在を認める人、「神が作った自然数」しか認めない人など色々あります。社会科学の多様な見方は、実世界についても有効な考えです。

私達の学校教育では、多くの場合「一つの正解」で採点しています。しかし、現実問題は、多くの「それらしき答え」があり、それから

よさそうなもので
致命的な副作用がないモノ

を選ぶのです。

特に、相矛盾する要求のトレードオフ、人々は様々なインセンティブ(誘因)に反応し、価格は需要と供給の間の市場原理で決まる、などの基本的な考え方は色々なところで使えます。さらに、例えば「労働時間を短縮した時に、退社後の消費が増え、近所の商店が活性化する。」等一つの制度を導入した時の、経済効果は色々な側面があります。このように広がりを考えることも大切です。

また、「自分の付加価値は何か?」と常に考えることは、総合職の位置づけを考えるためにも大切です。こうした経済学の、多様な影響を考慮する考え方は、今後色々な場面で生かしてください。

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