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かぼちゃたちとウリたちの秘密の性生活。

中華食材店のレジ前に丝瓜とマジックインクで書かれたダンボール札とともにある野菜を見つけた。100ℊ70円。なんだ、これは!??太ったキューリ? それともスッキーニの従妹? 絲瓜と言われてもそれだけでは正体はわからない。中国マダムはおっしゃる、「皮を剥いて、切る。そして豚挽肉かアサリと一緒に炒める。おいし、おいし、おいしよ~♪」



部屋へ帰って軽く検索してみると丝瓜 sī guā はウリ科の植物で、17世紀エジプトで発見されたそうな。沖縄では「食用へちま(ナーベーラー)」と呼ばれ、沖縄人たちは豚の三枚肉を1時間煮て、その後豆腐とこの野菜とともに、軽く味噌煮にして食べるそうな。


それにしてもウリやカボチャにはどうしてこんなに種類が多いだろう? そもそもカボチャは、ウリ科カボチャ属で、日本かぼちゃ、西洋かぼちゃ、ペポカボチャと分類され、しかも日本かぼちゃだけでもなんと150種もあるそうな。バターナッツかぼちゃも、スッキーニもまたカボチャ属で、カボチャ間で交雑が繰り返されたことが伺えます。みなさん、お盛んですね♡


他方、同じウリ科でもキューリ属はややこしい。
そもそもキューリとひとことで言っても、細いの、太いの、太ったの、白っぽいの、黄色いの、
縞柄、豹柄、いろいろある。そのうえその親戚にはさまざまなウリたちが生きている。


キューリとマクワウリとメロンはみんな揃ってウリ科キュウリ属。冬瓜はウリ科トウガン属。ゴーヤ(=ニガウリ)はウリ科ツルレイシ。ハヤトウリ(=チャヨーテ)はウリ科ハヤトウリ属。


スイカと絲瓜の属はよくわからない。属が違うと交雑は起きない。ましてや同じウリ科とはいえ、ウリとカボチャのあいだでは交雑は起きない。



そうか、ぼくの予想では、ウリ~カボチャの世界に芸能界さながらの性のユートピアを夢見ていたけれど、しかし、ちょっと違った。とはいえ、カボチャの世界に限定すれば、かなりなところそれが実現している。もっともカボチャたちの秘め事はミツバチなどの仲介役がいてくれてこそのこと。あるいは人口受粉。ついでながらカボチャは発育の段階では雌雄両性で、その後、雄花と雌花に分かれるそうな。



さて、ぼくはこの絲瓜をマダムのお勧めにしたがって、アサリをニンニク&生姜、紹興酒で軽く煮詰め、カットした絲瓜を投入して、炒め煮して、いただきました。味わいは冬瓜に似てますね。スープが絲瓜に浸み込んでおいしい。なお、絲瓜を豆乳で煮てもおいしそうです。


他に、この丝瓜をシイタケとキノコ類とともに炒める双菇凉瓜丝なる料理もあるそうな。こちらも試してみたい。


ぼくは翌日もこの絲瓜を買いに行き、部屋への帰り道で、Taaj Palaceの、Arial Hari Prasadとばったり出会った。かれはぼくの絲瓜を見て言った、
「懐かしいなぁ、ネパールにもあるよ、この野菜。5時に店においでよ、調理してあげるよ。」


そこでぼくは(お言葉に甘え)いそいそと5時にお店へ伺った。かれはまず絲瓜をこまかく切っておいて。他方で中華鍋を加熱し、オイルを入れ、各種スパイスを投入、おもむろに絲瓜片を投入、左手で中華鍋を振って振ってまた振って、右手はおたまで絲瓜を躍らせる。どうやらこの過程で絲瓜から染み出した水分で、カレーグレイヴィーができているらしく、そこでまたスパイス投入、
仕上がった絲瓜炒めは、ドライな仕上がりながら、ねっとりしたカレーグレイヴィーをまとっていて、スパイスの立体感もあいまってとってもおいしかった。


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