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小説集

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私の投稿した小説をまとめてみました。
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記事一覧

【小説】消えた小説

 私には妻がいた。勤めていた介護施設で同職であった女だ。特に美人というわけではなかったが…

SW大橋勇
3週間前
4

【小説】縦走

 ある夏、私は独り山の中にいた。  雨の降る樹林帯を雨具を着て、背負ったザックには雨避け…

SW大橋勇
4週間前
5

【小説】野糞(のぐそ)

       *  これは、本来ならば長編として構想すべき小説の最終章のみを一編の短い…

SW大橋勇
1か月前
1

【小説】ドブ川

水深は五センチ、流れは速い。だが足を取られるというほどではない。幅は五メートルくらいだろ…

SW大橋勇
1か月前
2

お知らせ。有料設定にしてあった小説を無料公開することにしました

一ヶ月前にnoteに投稿していた自分の小説のいくつかを有料設定にしました。しかし、一ヶ月経っ…

SW大橋勇
1か月前
4

小説『淫生宮(いんしょうきゅう)』

 ある日の暮れ方のことである。ひとりのスケベが新宿紀伊國屋書店の軒下で雨止みを待っていた…

SW大橋勇
1か月前
4

短編小説無料投稿のお知らせ

今後、しばらくは、短編小説無料投稿を時々やっていこうと思います。腕が認められるようになったら有料を考えていきます。 しかし、私も思いますが有料はかなり敷居が高いです。noteの収益だけで食べていけるとは思えません。したがって、noteは自分の作品を売り込む場としようと思います。つまりnote内で有名になることを当面の目標にしようと思います。 ただし、これは短編についてです。 私は以前から長編を毎年一作、出版社の新人賞に応募して来ました。まだ決めていませんが、落選したらnote

哲学小説『僕はお尻を見ていません!』

僕はそのとき、私立大学の哲学科の学生で、東京の山手線に乗っていた。 新宿で画材を買おうと…

SW大橋勇
1か月前
6

小説『ピンクの部屋』

これは僕が初めてアダルトビデオを借りたときの話だ。 僕はそのとき、静岡から出てきた大学生…

SW大橋勇
1か月前
2

【長編小説】『空中都市アルカディア』

序 はるか未来 いや はるか昔と言うべきか 科学が最高度に進化した時代 地球の地殻に大…

17

【エロコント小説】となりのアンアン

俺は大学生で、二階建ての安アパートの一階に独りで住んでいる。103号室だ。東隣の104号…

3

【対話篇】『保守中学教師、対、リベラル校長』校則について

この物語の舞台である中学に新しく着任した校長と、長年この中学に勤めている教師が校長室で討…

5

【小説】統合失調症のお兄ちゃんは世界一の夢を見る

1,キャッチボール 僕には五歳上のお兄ちゃんがいる。 お兄ちゃんは野球が好きで、とて…

5

小説『電車読書』

        * ぼくは電車の中で文庫本の小説を読んでいた。 国家試験の受験資格を得るため、隣の県の地方都市にある大学へスクーリングを受けに行った帰りの電車の中だ。三十九歳のぼくにとって今後の人生を考えるとこの国家試験はすごく重要な試験だったから、電車の中でも勉強をして試験で高い得点を得られるようがんばることが大事かもしれなかった。でも、ぼくは小説が好きだったし、「勉強だけ」というのが嫌いだった。大学受験のときにそれをやって大した効果はないことを知った。適度に遊んでいるほ