私は「小説家になろう」というサイトに一年以上小説を連載しているのだが、あまり読まれていない。少なくともランキングで名が上がることもない。もちろん単に私の小説がつまらないというのもあるだろう。たしかにアドリブで書いていてかなり描写が雑である。それでもランキングに上がるファンタジー小説はたいがいゲームをなぞったような作品である。私の『最低な三人の異世界転生ドラゴニア冒険記』もそのような趣味に近づけたつもりだが受けが悪い。やっぱり雑だからだろうか？それにしても一日で十万アクセスがある作品と最高で二千アクセスが一日あった程度の私の作品とそこまで格差がつくのはどういうことだろう？「小説家になろう」には純文学というジャンルもあるのだが、ファンタジーに比べるとアクセス数投稿作品数が桁違いに少ない。私の先にあげた作品も「純文学」という検索ワードで探せばすぐに出てくる。私は純文学とエンタメを含めた冒険ファンタジーを書いているのだが、「小説家になろう」にしたのは出す所を間違えたのだろうか？私のライバルは「なろう作家」ではなく、ホメロス、セルバンテス、シェイクスピア、アレクサンドル・デュマ、ユゴー、ヴェルヌ、村上春樹、『ハリーポッター』、宮崎駿、新海誠、黒澤明、ジェームズキャメロン、スピルバーグなどである。つまり、ライトノベルなどにはまったく関心がないのに、ライトノベルのサイトに投稿しているのである。しかし、私の信条としては「どこに出しても面白いと思われるものが本当に力のある作品」であるので「小説家になろう」でも人気を博さないようではダメなのである。しかしながら、純文学の読者数が不当に少ない「小説家になろう」は私には合っていないのかもしれない。
「小説家になろう」から書籍化された作品で芥川賞や直木賞、本屋大賞などを受賞した作品があるだろうか？いや、賞など取らなくとも、世間で注目された作品があるだろうか？アニメ化された作品があることは知っているし、ある程度話題になった作品があることも知っているが、その作品が、話題だからと言って本屋大賞を受賞したようなことはなかったと思うし、ましてや芥川賞、直木賞となると、ほど遠い存在だと思う。いや、私は賞を取る作品がよい作品ではなく、読者を感動させるのがよい作品だと常々言っているが、「小説家になろう」の読者を感動させても、世間一般の読者を感動させることはないならば、その作品はやはりマイナーなのだと思う。