それでもなぜパパはディズニーランドに行くのか
本日は「パパさんディズニーランド苦行説」を提唱したいと思います。
パパさんディズニーランド苦行説
ディズニーに特段興味がなく、家族のリクエストに応える形で東京ディズニーランドやディズニーシーへ行ったことのある世のパパさんは分かると思うが、ぶっちゃけ、結構辛いものがある。いや、かなり辛い。
そう、ディズニーのそれは、フィジカル・メンタル・ファイナンスへの負担が他のレジャー施設とは比べ物にならないのだ。
独身の頃、デートで行ったディズニーランドはキラキラして、そこにいるだけで特別な空気を感じて、正に”夢の国”だったのに、子供が小学生前後のファミリーレジャーとなった瞬間に、パパさんにとっては悪夢の国のように感じられる。
それでは、その理由を説明しよう。
◆特別な空間が生む無限ATM化
資金管理は各家庭違うだろうが、レジャー関連費用をパパのお財布で運営している家族のパパはわかると思う。
まず、入場チケットが高い。大人1人7,900円- 9,400円、子供1人4,700円 - 5,600円と家族4人で行くとまずそれだけで¥30,000が確定する。
さらに、夢の国はそこら中に課金イベントが組み込まれており、最近では旧ファストパスが有料になったことでそれに拍車がかかった印象だ。
この旧ファストパスは時価の如く値段が決まっておらず、発券枚数など含め運営側が調整しているようだが、大体2,000円くらいが相場だ。
上記単価で考えると家族四人で1アトラクション当たり8,000円ほど毟られる。なるほど、誰もが平等に楽しめる夢の国ではなく、札束の殴り合いをスマートフォン越しに行わせる課金ゲームとなったようだ。
そのほかにも、ケース付きポップコーンが2,500円程。入場早々、子供二人で5,000円の課金が決まる。
お昼ご飯もレストランや店に入ればハンバーガーでも1人1,500円以上は確定的だ。パパはポテトでも食べて凌ぐしかない。
その他にも、アイスだ、チキンレッグだなんだとつまみ食いをしながら、パレードの前に夕飯を食べて、最後にお土産を買うともう相当なものだ。
ここまでで6万円~7万円は課金されているだろう。
まさに夢の国。この国を運営するオリエンタルランドや本家のウォルトディズニーの株式をその資金で買いたい。
◆とにかく並ぶ、待つ
さすがに1枚2,000円前後する旧ファストパスを何度も買うような資金力のない家庭が多数派だろう。
そう、どの世界も同じだが、一般庶民はカネを使えないなら時間を使うしかないのだ。
なので、とにかく並ぶしかない。
子供たちの欲しがる人気のポップコーンを買うのに1時間待ちだ。この行列をよく観察してほしい。パパと思わしき中年男性が単独で並んでいるのが目につく。
ママと子供たちはトゥーンタウンで遊んでいるのを横目に、パパは炎天下のもと、一人でポップコーン行列に並ぶ。
ポップコーンを買い終える頃、まだ午前10時だというのに信じられないくらいの疲労感に襲われている事実に驚く。きっと朝早起きしたからだろうと考えているのもつかの間、すぐさま人気アトラクションの行列に並ぶのだ。
乗車時間10分未満のアトラクションに100分並ぶ。乗り終えるとママと子供たちは次のアトラクションだ。
その間、パパはというと昼のパレードの場所取りに派遣されている。地面は太陽光を適度に吸収して熱い。そこで1時間待機だ。特にやることもないので、スマホでも触っているが、スマホを見ているのにも限界がある。暇だ。
このような「待機」と「並び」が夜のパレード終わりまで永遠と繰り返される。
鬼滅の刃で幼少期の炭治郎が「なんでお父さんは夜通し舞を踊れるの?」とお母さんに聞く描写があるが、「パパなんで炎天下のもと一日中待機して並び続けられるの?」と誰かに聞いてもらいたい。
◆最後のタスクは運転手
夜のパレードも終わり、お土産も買い終え、駐車場に向かう途中では、もうパパには気力も体力も財力も残されていない。
廃人のようなオーラと開放感を足して2で割って爆発させた出来損ないのベイマックスのようになっている。
アクセルペダルを踏んで束の間、駐車場を出る前にもう渋滞だ。ここで、既に子供達とママは寝ているのだ。一日中元気いっぱい遊んで疲れたのだろう。
ここから1時間超、単独ドライブだ。命を乗せて走る使命感、眠気と戦うべく、コーヒーとレットブルでお腹はタプタプになり、若干の吐き気を催している。
それでもなぜパパはディズニーランドにいくのか
ここまで書けば分かっていただけただろう。これが夢の国を夢の国たらしめるべく戦った報われることのない勇者たちがいる現実世界なのだ。
それでも尚、それを分かっていてもディズニーランドにいくパパがいるのはなぜなのか?
あなたもぜひ、夢の国にいるパパたちを注意深く観察してほしい。
疲労と閑暇の影に、ささやかな幸せを噛み締めるパパたちの顔が見られると思う。
家族の楽しむ顔を、既に駐車場から眠っている家族の穏やかな寝顔を、ただ眺めることが苦行に勝る幸せだと分かっているのだ。
誰にも頼られず、何も期待されず、ただ自分の為だけに時間やお金を消費することの虚しさを知っているのだ。
これが、本記事の結論である。
最後に一言。日本中のディズニーに特段興味のないパパさん達へ。
ディズニーランドは雨の日に行こうな!
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