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【映画話】シヴィル•ウォー キャプテンアメリカ

アベンジャーズマラソン13回目は
キャプテンアメリカシリーズの
シヴィルウォー!

この映画は
「安全のためにどの程度自由を犠牲にできるか」
「全てが国に管理された時、国が間違った判断をしたりどうなるのか」
など、結論を出すのがかなり難しいことを題材にしています。

私はよくアベンジャーズ見ながら「損害額カウンター見たい」と言うんですが、今までのヒーロー達の活躍を冷静にみると、何かを守る行動と共に、破壊もして来ましたよね。

例えば、最初のアベンジャーズの会ではチタウリ(宇宙からの侵略軍)が来て、NYが壊滅状態になる。
エイジオブウルトロンでは、トニースタークが作った人工知能が大いに暴れて、ソコヴィエ国を壊滅させてしまった。
ウィンターソルジャーも暴れるし、ハルクも暴れるし、ワンダの力加減のミスで何の罪のない人が住む建物が崩壊するし。

今回のシヴィルウォーの始まりは、国連がこのようなアベンジャーズを野放しにはできないと判断したところから始まります。
トニースタークはウルトロンの件で反省し、国連管理下に置かれることを了承する。しかしキャプテンアメリカは了承しなかった。
キャプテンアメリカの意見はこう。
「国が誤った判断をしたら、誤った標的と戦わせられる。それはできない。」

これ、すごく深い回答ですよね。
ベトナム戦争こそが、その回答に匹敵するアメリカの黒歴史です。
国が誤った判断をして、誤った標的を殺しに行く。それはできない。というキャプテンアメリカの発言はヒューマニズムの観点で合っている。
しかし野放しになった超人というのも怖いのは確か。
(後の”ワンダ&ヴィジョン”のオチでも同じことが言えますね)

さてここからシヴィルウォーの映画ネタバレしちゃいますので、
まだ映画見てない方はこの先読まないでくださいね!w

***以下ネタバレ***

この映画、最後結論が出ませんでしたよね。
どっちかというとキャプテン・アメリカが野放しになって終わったと言っていいかもしれない。自分の正義を持ち、自ら裁きに行く。
でもそう言う人たちが次々と出ても問題ないの?という疑問は残る。。。
まぁ結論が出ない題材だからしょうがないのでしょう。

キャプテンアメリカは、アメリカの象徴です。
でもなぜスティーブロジャースはあんなに愛国心があるのでしょうか?
よくわからない薬剤打たされてまで、なんで戦争に行きたいの?
その回答がわかる現実に起こっていた歴史的な話をお伝えします。

なぜスティーブロジャースはあんなに愛国心があるのか?
それは移民2世だから、という答えが当てはまると推測できます。
また現実に移民2世を襲った悲劇とスティーブロジャースという男は切っても切り離せないものがあることをご紹介しましょう。

映画の中で、クイーンズ出身のスパイダーマンに、キャップは自身の出身をブルックリンだと伝えます。
第二次世界大戦下でブルックリンで育ったということは、移民の街で育ったということが推測できます。当時はアイルランドとドイツからの移民が多かったらしく、キャップはおそらくアイルランド移民の2世と推測できます(映画、Once upon a time in America やブルックリンなどを見てくだされば当時の移民の状況がわかると思います)

移民2世達は、自分の生まれがアメリカでありながら、祖国は第2次世界大戦で大変なことになっているヨーロッパであり、複雑な気持ちを覚えます。そしてアメリカ内では移民ということだけで疎外される人が出て来ます。(当時、日系アメリカ人は収容所に入れられていました。このようにアメリカでも人種差別は行われていました。)
疎外されたくない気持ちと、実際にアメリカを誇りに思う気持ちがあい重なり、移民2世達は「僕はアメリカ出身だよ、アメリカ人だよ」とアメリカ人に伝えたくなります。
ドイツ出身の移民VSユダヤ人とか、イギリス出身移民VSアイルランド出身移民とか。当時の情勢から移民同士の論争も起こります。
移民2世たちは決心します。「僕たちはアメリカで生まれ育ったんだ、だから祖国はアメリカになる。僕はアメリカ人だ。愛国心を持っていることを示そう。アメリカのために戦争に行こう。」
移民2世達はこぞってアメリカ兵として戦争に出向きました。
(移民は第一歩兵を任命させられることが多く、多数の死者が出たとのことです・・・)
これが現実のお話です。
スティーブロジャースがあんなに兵士に志願した理由が、この歴史から読み解けますね。

国だって人だって誤った判断をすることがある。
その時、人間はどのように立ち回ればいいのか。
多くの犠牲を出さないことと自由を諦めること、そのバランスはどうするべきなのか?
2022年現在、アメリカは世界の警察をできるほどの力もなくなってきました。そんなアメリカと日本、各国のこれからの関係はどうなるのか?
人間はまだまだ答えが出せない課題をたくさん抱えながら歴史をつくって行くようですね。

またこのシヴィルウォーでは復讐は何も生まないことも教えてくれます。
でもトニースタークの立場になれば、気持ちが暴れても仕方がないですよね。
バッキー、キャップも自ら悪者になりたくてなったわけでなく全くもって不幸。
みんなで不幸になるより、希望をみつけるほうが大事。難しくても許し手放しましょう。ということでしょう。

多くの人の幸せを願ってます!

以上、シヴィルウォーでした!


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