息苦しさを甘く見て入院に至るまで

息苦しい、と言葉にしてしまえば、それはもう大変なことなのだけれど

いざ、なんだか体調がおかしいな、を言葉にするのは難しい。

この体調不良は何だろう。
喉が詰まっている感じ。
胸がつかえる感じ。
息をすると、胸の辺りが痛む。
息をすると苦しい。

17時、仕事を終えて、
なんだか体調がすぐれないし、ギリギリだけど病院に行ってみよう
と、急いで帰る。

18時、すっかり渋滞に巻き込まれ、
診療時間ギリギリに滑り込んだ。
すみません、ギリギリで。
と言ったら、
18時まで受付ですから大丈夫ですよ。
と優しく答えてくれた。
先生はもう診察室から出てきて帰る気マンマン。
他の看護師さんが、急患かもしれないから、と呟くのが聞こえた。
初めて行ったけど、いい病院そうだな、と思った。

症状を伝え、血圧、体温、酸素濃度を測る。
レントゲン室に案内される。
診察室に呼ばれる。
「右の肺が完全に潰れてますよ」

「救急車呼んでもいいですか?」
「おうちの方、誰かすぐ来てくれる人いる?」

なんだか、ただごとでないらしい。
肺が潰れてるってなに?私一日仕事したけど。ここまで車で来たけど。歩いてるけど。

家族に連絡し、救急車を呼ばれた。
お会計を済ませる。
「あなたが思ってるより、大変なのよ」
そ、そうですか…
「救急隊来るから、一応ベッドに座っててね」
「寝ると苦しいよね?」
「これで酸素濃度正常なんだもん、若さだねえ」
「一日仕事してここまで一人できたの?ほぉ〜」
なにやら珍しいことをやってのけたらしい。
肺が片方潰れるなんて、ヤバいことはわかる。でも私はそこそこ動けている。
体調は万全では、ないけど。

救急車に乗せられ、あとはなすがまま。
夫は私の車に乗って後から病院にきてくれた。
病院に着いたらまずコロナの検査をして、
寝間着に着替えて、
自分の物は一通りまとめて袋の中へ。
採血したり、点滴したり、
CT検査の順番が来たら検査。そしてまたレントゲン、今度は寝たまま。
医師一人と、救急のスタッフ一人がずっとついてくれていた。
「肺に穴が開いて、空気が漏れて、肺を圧迫してしまっています。完全に潰れてしまっているので、まずはこの漏れ出た空気を抜くために管を入れますね」
これは1件目のクリニックでも言われたのだけど、肺(正しくは肋骨・胸膜と肺の間かな?)に管入れて空気を抜くらしい…ってどういうことなの?

肋骨と肋骨の間、局所麻酔をして、管?針?を刺された。
麻酔の注射は、歯医者の麻酔みたいに一瞬びーんと響いたけど、大人なので我慢。
その後、管らしいものを入れて、
縫いますよー、パチンパチン。
麻酔が効いているので痛くはないけど、手術らしいことも初めてなので緊張するし、なんか寒くて震えていた。寝間着ゆるゆるスカスカなんだもの。

別部屋に運ばれて安静にしている間、息苦しさはひどくなるし、なんかよくわからない薬を注射されて手足がじーんと痺れたり、何か説明してー!と思っていたら、カーテンの向こうの向こうくらいで、夫に説明する先生の声が聞こえた。わたしにも説明しておくれ。

二人ともこちらに移動してきて、なぜか先生は2回目の説明をわたしにする。
とにかく、肺が潰れているから、周りの空気を抜いて、肺を元通りに戻さないといけないです。さっき、管を入れたので、呼吸に合わせて水面が上下しています。

なるほど、見てなかったけど私の胸からチューブが出てるのか。そのさきに液体があって、肺の状態がわかるようになっているらしい。

これは重症です。手術をおすすめします。

夫に夕飯を買ってきてもらう算段で、いろいろと頼み、苦しさと痛みをおしておしゃべりする。
この後は面会もできないからね。

ベッドに乗せられたまま、病室にいれられた。
4人部屋で、私の他は70〜90代のおばあちゃまと思われた。
いろいろ食べ物を買ってきてくれたけど、
お腹すいてるけどなんだか食べる気になれず
ウィダーインゼリーだけ食べて、
歯磨きをして、
横になった。

左腕と右胸にチューブが刺さっているので、なんだか動きにくい。ちょっと痛いし。
点滴は、終わってから血が逆流していたのでこれはと思ってナースコール。
点滴はもういらないらしく、外された。
でも針は刺したまま。また明日使うのかな。
トイレには、看護師さんが着いてきてくれた。
痛かったり苦しかったりして歩けなかったら携帯トイレ持ってくるよ、と言われたので意地で歩いた。
そんなに辛くはなかった。

寝ようとしたけど、さすが救急病棟、ナースコールが鳴り止まない。
ナースコールってベッドごとに音違うんだね。
また前のおばあちゃんが呼んでる。
隣のおばあちゃんは痰が絡んで苦しそう。
別部屋からもナースコールが続いてる。

そして私は、なんか手足がずっと痺れていて、とにかく眠れない。
一度ナースコールして、痺れてるんです、と言ったら、感覚あるか?動かせるか?と聞かれて
どちらも大丈夫だったので、とりあえず様子見。
結局朝まで痺れていたし、全然落ち着かなくて、一睡も出来なかった。

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