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大切なものは目には見えない

煌めく星々の間を飛び交う通信から、「星の王子さま」という言葉を受信したウサギとカメは、その発信源に向かい、とある太陽系の第三惑星に到着した。「この星に私たちの探している星の王子さまがいるのね!」ウサギの瞳は星のように輝いていた。

一方、カメは最後まで冷静に通信の内容を分析していた。「『星の王子さま』は『本』という記録媒体に封じられ、『図書館』という場所に保管されているらしい」と、彼はテキストを解読しながらつぶやいた。隣にいたウサギは疑問符を浮かべた目でカメを見た。「それはどういうことなの?」

二人は目立たない場所に着陸し、探知機で図書館を探し出した。二人はひっそりと図書館の中に入り、無数の本で溢れる館内を見た。人目につかない端末を見つけると、二人は「星の王子さま」の本を探し始めた。慣れないテクノロジーに苦戦しながらも、ついにその本を見つけ出した。

閲覧席の片隅に移動した二人は、自動翻訳機で本の内容を読み取った。「どこかの星に咲く一輪の薔薇って素敵ね」と、ウサギは夢見るようにため息をついた。隣で頷くカメは、「その花が大好きだから、夜空を見上げるだけで幸せになれるんだね」と微笑んだ。

「星の王子さまはこの星を旅立ち、今ごろ自分の星で薔薇と一緒にいるのね」と、ウサギは宇宙に浮かぶ星々に思いを馳せた。

「大切なものは目に見えないって、どういう意味かしら?」と、ウサギは『星の王子さま』に書かれていたその言葉をずっと考えていた。カメは考えながら言葉をつなげた。「心でしか感じられない大切なものがある。そういうことじゃないかな」

大切なものってなんだろう?ウサギとカメは自分の心に問いかけた。すると二人の心の中に優しい気持ちが湧き出てきて、それが何であるのかに気づき始めた。じっと目を交わした二人は、同時に手を差し伸べていた。

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