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忘れられた遺跡の水晶球

ウサギとカメは小さなカプセルを降り、青い惑星に静かに降り立った。二人が足を踏み入れたのは、未知の草木が茂り、高い山々と広がる海が支配する原始の世界だった。そこには触れたことのない花々や、見たこともない動物たちが息づいていた。好奇心旺盛なウサギはいつも一歩先を行き、慎重なカメはそんな彼女を後ろから静かに見守っていた。

ある日のこと、二人は忘れ去られた古代文明の痕跡を見つけた。風化した螺旋階段を降り地中深くへと進むと、そこには巨大な石門が姿を現した。その崩れかけた門をくぐり、続く通路を抜け、二人は広大なホールへとたどり着いた。ホールの中心では神秘に満ちた巨大な水晶球が二人を待っていた。静寂の中で、古代の技術が今も静かに息づいていた。

恐れを知らないウサギが水晶球に手を伸ばすと、それは青く光り輝き、未知の力が二人を瞬く間に包み込んだ。身体は軽やかに床を離れ、宙を舞い、遠い宇宙の彼方へと連れ去られた。それはまるで夢のような新たな旅の始まりだった。

つづく

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