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生活と地続きの別世界(イヴ・サンローラン美術館、装飾芸術美術館)

パリの美術館巡りの後半は、イヴ・サンローラン美術館と装飾芸術美術館です。

前半はこちら→印象派に囲まれ、ルドンに出会う(オランジュリー美術館、オルセー美術館)

3.イヴ・サンローラン美術館

この日はモンテーニュ大通りの高級ブランド店やホテルを眺めながら、歩いてイヴ・サンローラン美術館に向かいました。
モンテーニュ大通りの坂を下り、美術館のあるマルソー大通りの方に進んでいくと、美術館のある白い建物がすぐに見えました。
美術館というよりも、邸宅のような外観です。
帰国してから美術館のパンフレットを読んで知ったのですが、この建物はオテル・パティキュリエ(貴族のタウンハウス)だったんですね。
そんな建物がYSLのメゾンとして使われ、今は美術館になっているなんて、素敵だなぁと思いました。
そして、フランス語のhôtelの意味合いが英語のhotelと少し違うのにもびっくりしました。
メトロ1号線のHôtel de Ville駅も、ホテルじゃなくて市庁舎!
旅行中ずっと「ホテルが駅名になるってバス停みたい」と思っていたのですが、謎が解けました。

閑話休題。

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美術館の中ではデッサン画やオートクチュールのドレスやアクセサリーなど、YSLの作品を多く見ることができます。
美しいドレスのラインや刺繍の数々にうっとりしていると、あるネックレスが目に飛び込んできました。

心臓の形をしたネックレスに珊瑚がついているのですが、その珊瑚がまるで動脈、静脈のようです。
「こんな見立てがあるのか!」と、とても衝撃を受けました。
衝撃が強すぎて写真を撮るのを忘れてしまったので、他の方のインスタの写真を引用させていただいてます。
本当にこのネックレスすごい…。

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このように、スタジオを再現した部屋もありました。

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係員の方に「日本の本もあるよ」と教えてもらいました。
『フランスの小花紋様』の日本語の本がYSLのスタジオにあるってなんだか不思議です。
この部屋は壁の一面が鏡になっていて、ここでモデルがドレスを着用してどう見えるかをチェックしていたそうです。
鏡にはめ込まれたモニターでは、ここがメゾンとして使われていた当時の映像が流れていて、活気が伝わってきました。

こじんまりとしていながらも、エッセンスを感じられる美術館でした。
何となく遠慮してしまったのですが、もっと写真撮れば良かったです…。

4.装飾芸術美術館

ルーヴル美術館のすぐ側、リヴォリ通り沿いにある美術館です。
英語表記が少ない、というかほぼフランス語表記のみだったのでキャプションを読むのに苦労しました。
が、ここも隅から隅まで歩くとかなり見応えがあって楽しい美術館でした。

まずは企画展。今はMarche et démarcheという靴の歴史展が行われています。
(装苑ONLINEでも紹介されています→【From パリ支局】「履物」ってなぁ~に?)

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ここはかなり混雑していたので駆け足で見て行きました。
「どうやって歩くの?」というような靴がたくさんあって面白かったです。

常設展ゾーンに入ると、嘘のように人が少なくなるのでゆったり見学できました。
観光客のほかに学生が課題のスケッチをしている姿も。
しかも階を上がるごとにどんどん人がいなくなり、途中から貸し切り状態でした。なんて贅沢!
上の方の階では窓からエッフェル塔が見えてなんだか嬉しかったです。

さて、常設展では中世から現代までの家具や食器や小物などが展示されています。

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椅子がずらっと並んでいたり、写真のように部屋が再現されていたりします。

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これ面白かったです!ゆで卵の置物!
こういうのってカトラリー置きにするんでしょうか?それとも本当にただの装飾品でしょうか?
白身だけになっているものもあってなかなか芸が細かいです。

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現代の子ども部屋をイメージした展示では、トトロがいました(部屋の中央と、ベッドにもいますよ!)。
時代を駆け抜けながら様々なインテリアを見ることができて良かったです。

9階(フランス式)まで上り切った達成感と共に下まで戻りつつ、別の企画展である映画のポスター展も見ました。
が、さすがにちょっと疲れていたのでさらっと眺めるだけになってしまいました。

そして最後は2階の宝飾品のギャラリーへ。
treasury、とか宝飾品展、とか大好きなので疲れていてもテンションが上がります。

ここのギャラリーでは、中世から現代までの1200ピースが展示されています。
保存のためにかなり照明が落とされている部屋に、ずらりとブローチやネックレスやブレスレットや指輪などが年代順に並んでいます。
昔のジュエリーは石のカットが素朴だった一方で、サイズはかなり大きく、存在感がありました。
また、カルティエ、ブシュロン、ヴァンクリーフ&アーペルはさすがに見た瞬間にこのブランドだ!ってわかるのがすごいなぁと思いました。

ギャラリーの中には日本の麒麟の印籠と布袋尊の根付もありました。
ずっとフランス語のキャプションを見ていたので、Kirinなどの突然のローマ字表記に戸惑いました。笑

細々したものを一度にたくさん見られる美術館でした。
インテリアショップなどが好きな人にはたまらない場所だと思います。


このように、イヴ・サンローラン美術館はドレスやアクセサリー、装飾芸術美術館は椅子や棚などの家具、食器、小物類など、身近なものが数多く展示されています。
どちらも、私たちの生活とともにあるものの歴史的、美術的価値を感じることができる美術館でした。

旅行中は美術館巡り以外にもおいしいものを食べたり、買い物をしたり、街をぶらぶら歩いたり、と盛りだくさんだったのですが、まだまだ行きたいところはたくさんあります。
ぜひまた訪れたいです。
あわよくば年1で行きたいので毎年海外旅行できるような働き方をしたいなぁと思いました。

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次回イベント:2020/1/11-12ハンドメイドインジャパンフェス【C-256】
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Creema
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