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薄力粉のレシピ そのまま米粉に置き換えて大丈夫?

さいたま市で米粉のシフォンケーキ教室を主宰しているあんざいゆうこです。

今日から2日の分けて、薄力粉シフォンを米粉シフォンに変えるには?
をテーマにお話したいと思います。

私がシフォンケーキ教室を始めたのはいまから5年前。
当時は自宅で、薄力粉シフォンをレッスンする教室でした。
コロナ渦、私はたぶんどの先生よりも早く教室をお休みしました。
自宅教室だったため、家族から生徒様への感染、生徒様から家族への感染が怖かったからです。
当時我が家の長男は、小学校の教員をしており、3年生を担任していましたので、私や私の仕事関係からの感染は避けたかった。
そのため、まだまん延する前の2月に、教室をお休みすることを決定しました。
その1年後、まだコロナ渦でしたが、菓子製造許可をとった専用工房に教室を引っ越しました。
その時から薄力粉シフォンをやめ、米粉シフォンに移行しました。

生徒さんにもよく
「なぜ米粉に変えたのですか?」という質問をされます。

私のシフォンの原点は、東京の「chiffon chiffonお菓子教室」の中山真由美先生のシフォン教室です。
ずっと、先生の薄力粉シフォンを元に、新作レシピを考えていましたが、専用工房設置を良い機会に、先生のレシピから卒業し、完全にオリジナルに変えたくなったからです。
こんなに米粉が流行る前に米粉に移行し、悪戦苦闘しながら米粉シフォンを研究できたのはとても良かったと思います。

さて、薄力粉シフォンから、米粉シフォンに移行した私だからこそ、その違い、戸惑いをお伝えできると思い、今日はこちらをテーマにしてみました。
本日は、薄力粉から米粉への変換について考察してみましょう。

●薄力粉シフォンケーキの特性
まず薄力粉シフォンの特性を考えていきましょう。
薄力粉は、シフォンケーキに軽やかな食感、ふわふわな食感をもたらしてくれます。
特に私は「ファリーヌ」という北海道産の薄力粉を使用してシフォンケーキを製作していたので、ふわふわな食感だけど、しっとり焼きあがるという特性がありました。
薄力粉の特性を活かすことで、ふんわりとした食感と小麦の甘み、旨味を楽しむことができるシフォンでした。
また日を追うごとに味が整い、使用した材料同士が馴染み、製作した3日目くらいが一番美味しくなるシフォンでした。

●米粉の特性
次に米粉の特性を考えてみましょう。
米粉は、その独特の風味や食感があります。
小麦粉よりも、もちもちとした食感が特徴で、グルテンにアレルギーを持つ方にも安心して召し上がっていただけるお粉です。
米粉は、粉の種類によって吸水率が全く異なるのが特徴です。
白米が品種によって吸水率が異なるのと同じ現象が米粉にも起こります。

●薄力粉から米粉へのレシピ変換
ここからは、私が米粉に切り替えた時の経験談になってしまうので、もしかしたら、多くのサイトで記載していることや、他の米粉シフォンの先生とは違う見解があるかもしれません。その点はご承知おきください。
この3年で、私が苦労してきた点などをお話していこうと思います。

結果から言うと、単純に置き換えができませんでした。

17cmホールでシフォンケーキを焼く場合
〇薄力粉の時より米粉を増やした
〇薄力粉の時より水分を減らした
〇薄力粉の時より油分を減らした
〇薄力粉の時より卵白を増やした
です。

私が使用しているのは、製菓用米粉「ミズホチカラ」です。
私が今回お話するのは、この製菓用ミズホチカラを使用した場合にのみ適用します。
なぜなら、米粉は薄力粉と異なり、使う米粉によって全く違うからです。

今のレシピは、実際にレッスンでお伝えしているレシピとはほんの少しだけ違いますが、YouTubeなどで公表しているレシピは以下の通りです。

17cmホール
卵黄 60g
牛乳 65g
米油 40g
米粉 80g

卵白 145g
砂糖 70g
です。

これもこの3年で何度となく変えてきたレシピです。
製菓用ミズホチカラで製作した場合、上記のレシピが今まで作ってきた薄力粉シフォンの食感と一番近いような気がします。

求めるシフォンの食感によっても違うと思いますが、私の作りたい米粉シフォンは
〇モチモチ感は押さえる
〇軽い食感
〇しっとりして、とろける食感
です。

求める焼き上がりは、蒸かした肉まんのようなふっくり、ぷっくりした膨らみのある焼き上がり

です。要は米粉には移行したけれど、
「これが米粉のシフォン?!」
という食感のシフォンにしたかったのです。

米粉のシフォンと言うと、たいがいもちっと、ぎっしり、重たいシフォンを想像される方が多いように思います。
この概念も壊したかった。
そこで、ずっと作り続けてきた、薄力粉シフォンのような米粉シフォンを作ることに従事しました。

長くなってきたので、本日はここまで。
私が苦労したレシピ作り、米粉の違いによる食感の違いについてお話します。

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