スマホがブッ壊れそうなので、メモアプリ内にある短歌をこちらに避難させておきます。

死んだほうがいいやつなんていないよと自分に言ってあげられずにいる

私以外誰も私になりえない　上位互換が山ほどいるけど

｢適切｣で包装された日常が私の部屋を侵略しに来た

月のうつくしさも素直に言えなくて困り果ててる夏目漱石

漆黒の闇より出でし黒き子が　口いっぱいにハンバーグ食う

金木犀子どもの頃に飲んだあの薬のような忌避感がある

実験と称され飲んだ虹色の惚れ薬の意味ないほどに好き

AIに心のニーズがバレ始め広告が復讐ものだらけだ

三連休などない俺は緩やかに寿命を縮めるドカ食い気絶

その絵に描いた餅を出しやがれコラ　残業少なめ仲良い職場

あどけない顔した手練れの侍がみんなのお菓子アジトに届ける

２ヶ月の長いお勤めやり終えてただ何もない朝が嬉しい

孟浩然もかくやとばかりの暁が毛布の中の秋寒（あきさむ）にもあり

あどけない顔した手練れの侍の卵　修業に明け暮れており

喧嘩して軽蔑さえもしたことがある友人と今でも飲んでる

爪切りをどこに置いたか忘れたの　もう何年も爪で剥いてる

我が癖はあれもこれもが自傷だとメンタルヘルスのお墨付きあり

内臓に脂肪がついていることを魚は褒められ俺は叱られ

ちょっといい？声かけられたら、要注意　暴かれるのは私の、欠陥

つぶやきもいいねもしなくなったアカウント死後半年が過ぎてた

幸せを態度で示そう手を叩こう　同じ仮面の笑顔が並ぶ

夏の大三角形から抜け駆けす二人を遠目に見ているデネブ

初恋の人が出ていたCMの俳優AI生成だと知る

対岸に建てられているマンションの一室　一家の遠い団欒

職場とか社会とかいう服を脱ぎたまたま飯屋で会う方がいい

どうしても言霊感じてしまうからchatGPTにもお礼す

もしこれで俺が大病患えば人生奪った上司も道連れ

家族から受け入れ拒否です救急の悩み立ち往生して死ぬる

ほのめかす死でしか癒せない気持ち　届けよ私を拒む彼方へ

かくしごとだらけつぎはぎだらけでも分かち合える家族欲しかった

手放しに喜べないよ　幸せは次の不幸の始まりの音

二度と味わえない初恋の記憶がどこかにあるのに思い出せない

初恋の味を味蕾が受け付けず　酸っぱいだけの吐瀉物になる

青春の光が目に突き刺さるからブルーライトカット眼鏡買った

いつもより豪華な食事をスーパーの半額弁当コーナーで探す

初恋の味は確かに知っているどこで食べたか思い出せない

けたたましいサイレンの音でこの死んだ夜にも生きてる者あると知る

冷えきった体を引きずりコンビニのおでんの汁だけ飲みたい日がある

優秀で人を不快にさせない、と僕の居場所にAIが座る

暖房の入らぬ部屋で冷えている鍋に触れずにレトルトパウチ

担任が亡くなったと説明される　死因は病死ということにされ

４時４４分に出る幽霊に早出の先生やられたらしい

マフラーが巻きつくあなたの首筋の美しいこと　隠していてね

昭和風だと思ったら平成のアニメだと知り愕然とする

守るべき人権の枠に入れられぬ子どもでも女性でもない性

残業をあと８時間やりこなすための牛丼胃がもたれそう

｢悪い人じゃないんだけど｣世の中で最も駆逐が難しい悪

法律のいじめの定義で言うならばあまねく世界が私をいじめる

私たち夜も眠れず短文で春を待ってた寝坊助だったね

えっ？　マジで？　定時の鐘が鳴ると同時に帰れる職場があるなんて

目の前でお好み焼きがじりじりと焼き上がるのを待てる贅沢

はいどーも、マネキンです！とHIKAKINの真似する正直者のマネキン

僕はスーツを着て真面目にお仕事をしてる姿を見せるマネキン

いつも食べてたものがお袋の味　ならば私の母はコンビニ

千年を生きるあなたを愛という呪いで縛らぬように逝きます

カレーそば白飯セットの白飯がどんぶりで来ると思わないじゃない

｢いつまでも待たせんじゃないよ｣歩みより来てくれた嬉しさのローキック

本当は関わりたくないことだけど　そこどけ、それは俺の仕事だ

勤労に感謝をしますありがとう！ありがとうございます！くたばれ

空の一部なのに時々こちらまで降り来てくれる優しい雲よ

俺はもう死んだと思ってくれよ君　そして無念の墓を暴いて

あなたから声かけられた嬉しさを隠したいから気づかぬふりした

｢ガサツ｣だときみは自身を笑うけどその所作さえも僕には雅だ

私には見せない顔もあるのだろう１０番背負う小さき背中よ

右腕で抱き寄せるきみの温かさ想い不在の空白埋める

腕の中恋人がいる緊張と幸せな熱を僕は知らない

溝なんか飛び越えてまたお前との日々を笑って過ごせばよかった

友だちに一人一人挨拶をする　これが今生の別れと思う

吾子が行くいつもより弾む通学路　時間割には｢図｣の文字ふたつ

かわいそうと思える相手は人による？たとえば僕がおじさんだとして

片足と両目のなき猫横たわる　陽だまりだけが居場所ではない

過積載撲滅月間実施中　今日はひとまずビールで乾杯