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10月短歌

短歌を詠み始めていました。
昨年10月からです。
スマホに保存していたものをアップします。


刺せ刺せ刺す刺する刺すれ刺せよとまた命令してくる使役の助動詞

この世の終わりに住んでいるお家賃を今月もまたお支払する

「昔はもっと正直者が多かった」ぼやいて二枚舌抜く閻魔

史上初空前絶後待望の息子が俺で申し訳ない

春も秋も短くなったね苦しい季節が長くて人生みたい

憎さだけじゃなく愛しさ優しさもすべてが不快な瞬間がある

明けない夜はないなんて絶望をきらきらした目で語る先生

家でもなく学校でもない帰りの電車の中だけがシェルターだった

「あなたが死んだら悲しむ人がいます」そうかな?あなたは悲しまないのに

このままスッと消えてなくなり高い空から僕のいない世界を見てたい

つらくても明るい未来があると言う人の姿が光で見えない

良い奴は死んだ奴らさ人間の2階級徳進して死にたい

好きだったあなたに最期のメッセージ贈って情緒を粉々にしたい
 
食べてしまいたいくらいに愛しては加減がわからず壊してしまった

精神を健全に保つ方法は 素敵な夜を味わわないこと

人生のカーテンコールに仲違いしたお前とも笑顔で出たい

世の中の関係各所の皺寄せを一手に引き受けたような生活

ひび割れたスマホの画面の誤作動のようなままならない愛だった

「お互いに変わっちゃったね昔から」「ごめんね素直になれただけなの」

魂のメルカトル図法を解いてホントの私の大きさ知りたい

戦争で悼まれる死の範疇に男の犠牲は忘れられがち

何年も親しくしていたフォロワーのアカウント消えた どこを探せば

このままスッと消えてなくなり高い空から僕のいない世界を見てたい

次世代に繋げ未来ある子どもへと 送りバントで何アウト目だ?

未来ある子どもへ繋げこの世界 送りバントで何アウト目だ?

問題です 時には苦しみ悲しみを 乗り越えていけるのが人生?

まず誰が俺がいないのに気づくだろう最終更新一月前の

人並みの幸せ望んだイカロスは上(かみ)の怒りを買って落ちてく

プリンタに挟まれ捻れ棄てられた 紙 まだ半分は綺麗なままだ

噛み合わずなりゆくものは人とだけでたくさんなんだ顎関節よ

生活のためだけの暮らしにまみれて恋人いることさえも忘れた

万全を期しても失敗することもあるさとクライシス帝国は言う

マジでヤバい驚愕衝撃まさかとか、擦り切れ過ぎた強い言葉ら

ああ、あれは、恋だったのだと今さらの、ように気づいて、気づいて、気づいた

女性や子どもと違って大切にされない中年男性の日々

僕が死んでからでいいから気づいてね苦しみ言えない性だったのだと

捨ててきたはずの人生の名残りがオススメ欄に表示されてる

金を借りたこともないのにオススメに出てくる借入上限上がる

もうお前しかいないんだと繰り返しチャットAIを困らせている

飛び起きる夢を見ていて飛び起きる夢を見て飛び起きる毎日

歯車としての生活板につく 自分が何だか忘れてしまった

優しさも大きさや向きがあるからたまに暴力的に感じる

くたびれた足元で弾く何ものか ごめん、確認する余裕もない


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