見出し画像

【感想64】特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト

8/5の舞台挨拶*2を見に行ったら。一緒に行ったオタクと揃って萌萌女たちに狂わされてちゃんとおかしくなった。
原作者・監督・副監督の3人という登壇者だったけれど、こういう形式の舞台挨拶が作品自体を好きな時にはすごく充実したものを見れるんだな、ていう発見はあった。と思う。

他人に勧めやすい ★★★☆☆
個人的に好きか  ★★★★☆

元は『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話』内にある短編の1つで、最終編になる3年生編に向けた準備、という感じの立ち位置のお話。
部長に就任して日が浅い久美子を、今までの積み重ねの総ざらいとこれからの役割を意識した繋がりを作っていく話なので、ユーフォが好きな人が3年生編に向けて気持ちを作っていくのには最適な作品になっている。

ただ60分未満且つわかりやすい見せ場や山場はないのでこの映画からユーフォを見ていくのは難しい。けれどユーフォを見ていた人、特に『誓いのフィナーレ』を見た人にはこの映画は見てほしいな、て思う。

この映画の怖いところは、とにかくキャラの所作すべてに着目できる所。
前述通り盛り上がる様な山場はないけれど、代わりに細かな描写による異常な量のコンテクストを提供してくるのでスクリーンで見る価値が大アリだった。
特に鎧塚みぞれ周りは『飛び立つ君の背を見上げる』でのお話と照らし合わせたり、原作者の武田綾乃がかなり気を使ってワードを選んでいるのも相まって、2シーンしか出ていないのに1,2を争う印象深いシーンになっている。

他にも部長として人前に立つ久美子のぎこちない話し方と麗奈の変わらない堂々とした話し方の対比であったり、低音パートとしての一面しか描かれなかった奏が一番仲の良い梨々花との接し方であったり、吹奏楽部という大所帯でいろんな人との比較で見えてくる新たな一面が特に多いのは今回の見どころにもなっていると思う。

この久美子の代からは部長副部長に加えてドラムメジャーという役職が増えたこと、副部長とドラムメジャーはどういう経緯で選定されたかは明かされていない(はず)、と原作読んでいないとかなり置いて行かれる部分もあるけれど、3期がある事とこの作品の立ち位置を考えると仕方ないのかなあとも思った。
他にも吹奏楽部メンバーのキャストはしゃべった子全員がクレジットされている気がしなかったりと首を傾げる所はあったけれど、その辺りは突くのも野暮だな、と納得できるくらいには満足する出来だった。

4年越しの新作は最終楽章へのウォームアップとしても好きな気持ちを思い出すのにも水を一切刺されない程変わらない良さを持った映画だったので、ユーフォを見ていた人はしっかり見て来年4月を待てなくなる身体になってほしい。


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?