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【感想84】鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

 数千円のだけれど初めてシャワーヘッドを買って使い始めた。なんとなく髪質が改善された気がするし、荒れてた肌の部分もかゆみが前より収まってたり「ちゃんと効果あるンじゃァないか…」てモブキャラみたいな独り言が止まらなくなってる。1回1500円ぐらいのカートリッジ交換が年3回ペースって考えたらこれぐらいの値段の使うのがちょうどいいんだな。

他人に勧めやすい ★★★★☆
個人的に好きか  ★★★☆☆

 めちゃくちゃストレートな「期待してたよりは面白くなかった」て言われそうな温度感の面白さ。
SNSの評判だと因習村としてのミームを筆頭に広まっていて、『RRR』や『BLUE GIANT』に近いお客さん層、言ってしまうと派手過ぎない女性客が多いところから察するリピート層や友達周りの口コミで来てる人が多そうだった。同じ年に『福田村事件』というマジモンが公開されただけにそこは疑問符が浮かぶのは仕方ない。
5期シリーズを放送当時に見てたぐらいしか知らない状態でもそこそこ楽しめたのは本当なんだけれど、これを傑作として挙げるのはなんか違うな…ていうのが正直な塩梅。

 手っ取り早く言っちゃうと6期のキャラデザだけれど『墓場鬼太郎』に直接つながる様な描写があるから、『墓場鬼太郎』をちょっとだけ見ておくといいかもしれない。当時CMをモリモリ見せられてた記憶だけでも気づくぐらいの描写だし、こんなのがあったんだって感じでYoutubeでちょっと見るぐらいで十分かもしれない。

 お話としては鬼太郎の父親と水木という男が村の隠された事情を辿っていくバディ物ではあるんだけれど、戦後の日本の描き方がめちゃくちゃ今っぽい。
水木自体が戦地にいたものの、死にたくないと思いながらいたことと特攻の意義に対する疑問の投げ方が定期的に出てくる。
哭倉村を牛耳る龍賀一族が抱えている思想の根本は戦時中や戦前の愛国心溢れる嫌な感じのテンプレートとして位置される中、戦後会社でも雑兵としての扱いを自認しつつも抗いたい水木、ていう構図は見どころ。

 怪死を遂げる姿の惨さや終盤からはガンガンに絵を動かす戦闘もあったりと絵の見せ方もアニメとして良いなってところは多いし、キャストも今の時代にチューニングしたキャスティングというよりは作風に合うベテラン陣が多いだけあって突っかかる様な部分もないし、個人的にアニメ映画として嬉しいところが多いなっていうのが一番うれしかった。『窓際のトットちゃん』を現時点で渋ってる理由がここにあるし。

 ただアニメ映画としてはトータルで言うと65点ぐらい。ココスゲェよ!て話せる部分はないっていうのも正直なところ。
上述の因習村の部分も、1回見た感想としてはフィクションとしてのあるあるに収まってるなっていうのが真っ先に浮かんだ。『呪術廻戦』でいう野薔薇が住んでた村で近所のおばさんが赤飯を持ってきた、ていうエピソードに匹敵する気味悪さはない。終盤に明かされる哭倉村の真相自体はかなり残忍だし時折出されるカットでの示唆がなかなかキツイ見せ方をしてくるんだけれど、村の様子自体に気味悪さがない、ぽっと湧いて出てきた要素としての印象が拭えなかった。言っちゃうと水ダウの名探偵津田第2話みたいなプロットを思い出すせいで時々ちょっとだけ笑っちゃいそうになってた。

 時々見かける製作陣のスタンス的にも、一作品として異様に熱を込めている感じではないのかなっていうのも加味して、スタンダードな物語にしている感じはあるのでストーリーもあんまり捻っているところはない。
ていうのをまとめると「期待してたよりは面白くなかった」て言われそうな温度感、て言葉になる。


 まぁその後見に行ったウォンカも同じ感じだけどそっちの方が満足度高かったし、結局思い出ポイントがあるかとかの盤外部分で勝負仕掛けてくる映画は割り切るしかないわ。

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