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いくら良いことがあっても、別れ際が大切ということ、、、

自分の誕生日が近いということもあって週末はふわ美さんの家にお泊り

誕生日プレゼントは予想外なこともあってビックリ!
ふわ美さんからのまるでドッキリ企画のようなプレゼントで大はしゃぎしてしまった自分

いつものように24時間、一緒にいてイチャイチャ、、、ハグハグ、、、

この日は寒くなってきた事&ふわ美さんのリクエストで
ビーフシチュー

土日一緒にいるときは朝からビールとかワインとかアルコール三昧
普段はそんなに飲まないけど、ふわ美さんと一緒だとついついお酒がすすんでしまう

でも終わりの時間は必ず訪れるもの、、、


いつも、ふわ美さんは自分が帰る前にコーヒーを淹れてくれる
この時もRolling Stonesの新曲を聞きながらふわ美さんはコーヒーを淹れてくれた

ソファに並んで座って80歳になるミックジャガーの歌声と動きが変わらないのは日々の努力なんだよねとかそんな話をしながらも、、、電車の時間が迫っていた

そろそろ帰らなければと思ってふわ美さんの膝に手を乗せると、、、

するりと膝が避けた


ん?


ふわ美さんの顔をみるとニコッとしながら曲に合わせて鼻歌を歌っている
もう一度、太ももに手を乗せようとすると、、、腰を返されてしまった


でも、ふわ美さんはニコニコしている


ちょっと不安になってしまい、顔を近づける
するとふわ美さんの両手でぎゅっとほっぺたを抑えられる


「ダーリン、、、今日はもう終わり!帰らなきゃいけないんでしょ!」


そう、、、そうなんだけど、、、わかっているけど、、、
ふわ美さんはコーヒーカップとお皿を片付けて洗い物を始めてしまう
なんだか無性に不安な気持ちが自分の心の中に広がっていく
いままでも色々なことをしてきたけど
今回も初めてしちゃうような事ばかりで
こんな誕生日プレゼントをふわ美さんが考えていてくれたなんて
思ってもいなかったのに、、、

何故?そんな風に冷たくされてしまうと、、、

台所に立つふわ美さんの後ろから


「ふわ美さん、ゴメン、、、何か気に障ること、、、したかな」

ふわ美さんは流しを向いたまま、カップを洗い首を横に振る

「ダーリンは、、、悪くない、、、」


ふわ美さんの肩に手を乗せて自分の方へ引き寄せようとすると
するりと逃げるように体が離れてテーブルの方へ行ってしまう
テーブルに残っていたお皿を持って再び流しへ、、、


「ほら、もう電車の時間でしょ!今日はこれでおしまい!」


そう言われてしまうと返す言葉がなかった、、、


「わかった、、、じゃあ、、、、ね」


いつもなら二階のリビングから一階の玄関までお見送りしてくれて
そこでハグ&キス、、、お別れの言葉が定番と思っていた

ミックジャガーの歌声が明るく部屋に響いている

今日は一人で階段を下りて、玄関で靴を履く

無性に後ろ髪を引かれる思い、、、

降りてきてくれないのかな、、、

何度も階段を振り返ってしまう


「ふわ美さん!!!じゃあ、またね~~!」


二階にいるふわ美さんに聞こえるよう大きな声を掛けると


「またね~~」


いつもと変わらないふわ美さんの声がした
それがせめてもの救いだった


玄関を出て思わず二階の窓をみてしまう
ふわ美さんが覗いているんじゃないかって
でも窓にはふわ美さんの姿は見えなかった、、、
駅までトボトボ歩きながら
何がいけなかったんだろう?
どうすればよかったんだろう?


特急券の切符を買って自販機でコーヒーを買う


ホームにぽつんと立っていると不安な気持ちに襲われる
不安な気持ちがどうにもならなくなって
スマホでメールを立ち上げ文字を打ち始めてしまう

なんて書けばいいのか?

ゴメンナサイと謝りの文章を書いては消し、書いては消し、、、
返ってくる答えを想像するだけで怖くなってしまい
なんどもなんども打ち直してしまう

そうしているうちに電車はホームに到着
電車に乗り込んでメールを打つ、、、
何度も打ち直した文章だけど、

「今日はありがとう、また次、、、会ってもらえるかな、、、」

結局それしか怖くて書けなかった
こんなにメールが待ち遠しいとは
なんどもメールチェックのボタンを押していると
ふわ美さんからのメール

「だからダーリンが悪いんじゃないって、、、」

「会えるだけで嬉しいから、、、また会ってくれるかな、、、」

「会うよ、もちろん会うよ!」

「今日のお別れがちょっと寂しかったから、、、」

「ごめんなさい
 そんなつもりは無かったんだけど
 ダーリンは別れた後、家族が待ってるでしょ
 私は別れた後、一人なの
 わかってるんだけど」


メールを読んで胸の奥をぎゅっと握られるような気持ちになった

その後、メールを返信しようとしているとふわ美さんから


「朝起きた時に、隣に寝息を立ててるダーリンがいてとても嬉しかったの
 一緒に居られるだけで嬉しいのは私の方、、、
 今日はありがとう」


翌日、改めてふわ美さんに電話をした

こんな気持ちにさせてしまって申し訳ない事
すべては自分の我が侭から始まっている事
それでもふわ美さんとの関係は大切にしたい事

ゆっくり話すとふわ美さんはいつもの声で言ってくれた

「もう大丈夫!ダーリン、ありがと!
 ちょっとね、気持ちがね、曲がっちゃったのよ
 いろいろね考えだすとね止まらなくなっちゃうときがあるの
 もっと早くダーリンと会っていたらどうなったのかな~とか
 そう、いろいろね
 決して今に不満があるわけじゃないの
 まあこの年になって、こんな恋愛するなんて思っていなかったじゃない
 体がついていくのかちょっと心配だったけど(笑
 それは今のところ、、、大丈夫、、、みたいね
 ダーリン、ごめんね
 本当は誕生日のお祝いだったのに、、、ちょっとしんみりしちゃって」

胸の奥でギューッと締められていたものがパッとほどけた気がした
自分の誕生日のことなんかすっかり忘れていた
唯々、ふわ美さんとの関係が続けられること

それが何よりの誕生日プレゼント、、、



次、、、ふわ美さんに会える日は、、、

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