見出し画像

綾瀬のディープなモツ焼き店「大松」が美味しかったという話。

東京、綾瀬の「大松」。ずっと来たかった下町酒場。18時前に到着したというのに、もはや行列。立ち並ぶお客さんのほとんどが地元の方達。ジャージ率が約30%という、まさしく地元民のための憩いの場。若いヤンキーな女の子は、彼氏とおそろいのグレースウェットである。リラックス加減にも程がある。

この店を知ったのは数年前。BS「居酒屋放浪記」にて。吉田類氏がモツ焼きと焼酎ハイボールを楽しんでいた光景が妙に印象的だった。ここは必ず行くべしと思い、この大松に訪れるべく、綾瀬に安宿を取り、地元民に溶け込むが如く、楽しむこととした。

ここのモツ焼き。塩・タレ・味噌とあるが、客のほとんどは「味噌」で注文する。これが大松の隠れた作法である。下町である東東京地区では、モツを一子相伝の「辛味噌」で食べる。埼玉が発祥らしく、その発展系がこの大松のモツ味噌という話だ。

そして焼酎ハイボール。この店では「焼酎ハイボール」と頼む行儀のいい客は誰もいない。皆「ボール!」と大声で注文する。数人で来る客は、この「ボール」をピッチャー単位で注文する。当然の如く、ボール専用のサーバーがあり、その注文率は9割を超えるのではないか。

30分並んでようやくカウンターに通される。すごい喧噪だ。注文は大声でないと聞こえない。初心者であるが思い切って「ボール!」と頼む。しかし声が小さいせいか、瓶ビールが運ばれてきたwそれを飲み干して、何とか注文。

このモツ煮がスピードメニュー。絶品。

む、通常の焼酎ハイボールとは何か違う。アルコール故の引っかかりが全くない。飲みやすくて、めっちゃ美味いのだが、非常に危険。しかも隣客は一人でピッチャーで頼んでいるNIKEジャージの常連おっちゃん。なくなりそうになったら、親切にも継ぎ足してくれるw 

酒の肴は、まずはセロリとモツ煮を注文。これでちびちび飲むのだ。しばらくして、モツが運ばれてくる。注文したのは、カシラ、レバ、ナンコツ。味付けはもちろん辛味噌である。カシラの肉の柔らかさに感動。それに絡まる辛味噌がさらに食欲をそそり、ボールが進む構図。この無限ループは、意志の強さがないと抜け出すのはかなり厳しいw


このセロリは侮れない。是非食べて!


シャキシャキのセロリが箸休めとして、かなりいい仕事をする。モツ煮はモツ焼きと相反して味が濃すぎず、初老の体に優しく沁みる。これだけ下町酒場の雰囲気を体現している酒場はそうそうないのでは。2時間はいただろうか、最後までNIKEのおっちゃんがボールを接いでくれたお陰だ。地元民が愛する名酒場。吉田類がほろ酔いを通り越して泥酔した理由がよ~くわかったw

大松のモツ焼き。味噌が定番。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?