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読める本が膨大すぎて、果てしない感覚がする

活字メインの本はなるべく紙で買っていたけれど、最近、電子書籍での購入が続いた。
少し古めの発行年で、行ける範囲の書店に在庫のなかった本がどうしても欲しかったのだ。
結果的に電子書籍で買えたのは運が良かった、というだけの話ではあるんだけど。
その後も偶然に似たような経過だったり特売セールだったりで数冊ほど電子での購入が続き、改めて振り返ると一瞬、果てしないような感覚に取り巻かれた。

当方、都市にあるような巨大な書店はない地方住まいだ。
しかし、発売後1週間以内に駆けつければ大抵の新刊は手に入る、という程度には、そこそこの規模の店が点在している。
私の読書欲や読むジャンルのニーズを満たすにはそれで十分だった。ありがたい環境である。

どころか地方都市であっても、あの書店の、本が整然と並ぶ本棚の幾つもの並びを見ていると、「果てしない」感じが既にある。
人が一生のうちに読み切れる冊数を、遥か遥かに超える量の本たち。

書店の紙の本だけ見ていてもそう思うのに、ここに「電子書籍で購入するルート」も私の中で恒常的になったら? 手に届く範囲がめちゃくちゃ広がる。量が、冊数が、果てしなくない? 果てしないよ!
膨大すぎて眩暈がしそうな感覚だ。

ここまで書いてハッとしたけど、私は別に本を「紙で読むか電子で読むか」と二分化する議論をしたいわけではない。(たとえば私は漫画を買う際には完全に電子書籍派です。)

ただ私には、活字の本を読むために選択肢が色々あることが、却って総数の膨大さに戸惑う感じがあるのだ。
なので、今後も電子書籍は臨時の手段にとどめておこうと思う。
ついついカートに入れたくなるけども、「いつ読むんだよ」と積ん読の過多を危ぶむ理性の声が紙の本の時より強めに囁いてきます。電子は形がないから、「置いたまま忘れる」が年単位で続きそうなのも私の危機感を強める……。

仮に奇跡が起きて宝くじが億単位で当たり、残りの人生、好きなだけ本を買ってひたすら読むだけの時間にあててもいいよ! となったとしても、この世に読み切れる本はごく一部なんだなあ。
そんなようなことを小学生の時に漠然と気付いた時、言い知れぬ感覚に陥ったのを今でも懐かしく思い出します。
読書、それすなわち人生を3回繰り返そうとも追いきれない質量の趣味。それでも積み上げてきた読書体験は糧です。今日も読み、明日も読もう。

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