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ビーチ、海、そしてモダンアート。Sculpture by the Sea Bondi Beach

毎年開催されているモダンアート展、Sculpture by the Sea を見に行った。

このイベントは、ボンダイビーチからタマラマビーチ(
Tamarama Beach)を結ぶ遊歩道沿いに様々な彫刻を展示するというもので、今年で25周年を迎えた。

シドニー在住民の僕は毎年のように見に行っており、今年ももちろん行ってきた。

僕の鑑賞ルートは、まずタマラマビーチに行き、そこから彫刻を見ながらボンダイビーチまで一方通行で行くパターン。ボンダイビーチ周辺には、見終わった後に寄れるカフェやバーが多いし、帰りのバスの本数も多いので便利。

タマラマビーチまでは、ボンダイビーチの手前にある大きな町、ボンダイジャンクションからバスで行くのが一般的だと思うのだが、僕の家からタマラマビーチは、6キロほどの距離だということに気づいた。

「あれ?じゃあ走って行けばいいじゃん!」

と思ってしまうのがランニングオタクである。

昨今の世の中ではケータイひとつあれば写真も撮れるし、買い物もできる(特にシドニーはほぼどこでもApple Pay, Google Payが使えるので)。
走るうえで欠かせない水分補給も、シドニーはこういうパブリックスペースにはちゃんと水飲み場があるので、水筒を持たずに走れる。
ついでに、ランニングウェアで街なかを歩き回ったり、お店に入ってもなんにも問題ないのがシドニーのいいところでもある。

便利な世の中になったものだ、とゆっくり走りながらタマラマビーチに向かった。

閑静な住宅街を抜け、坂を降りるとビーチが目に入ってきた。

おお~、彫刻がたくさん砂浜に設置されている!これだよこれ。何回見に来ても、最初に目に入るこの光景には心を踊らされる。

さて、ひとつひとつのアートを見ていこう。

まず目についたのが、一見すると葛飾北斎の浮世絵のような波が浮かび上がる、かなり巨大なアートワーク。近づくと、これは全てペットボトルのキャップを使っているということが分かる。しかも、どうやら色々なキャップの色をそのまま使って(=塗り直さずに)組み合わせているようで、芸が細かい!

環境破壊へのメッセージも込められているのかな。

かたや、ひっそりとした美術館に設置されていても良さそうな、このような彫刻もある。

ただ、これが屋内に設置されているのと、このような海や波や空や雲やらを背景として設置されているのとでは、印象が全く変わると思う。日本の寺社や邸宅にも借景というものがあるが、こちらも負けず劣らずの借景である。

ガラスや、アクリル板のような透明な素材を使った彫刻だと、外光を受けて色が変わるので、これは屋外での展示ならではだなあ、と思った。

シドニーのビーチは、砂の色が白いので、作品の色が引き立つ。近くに寄ったり、少し離れたりして鑑賞する。

ここでは、日差しに照らされて砂浜に映し出される影でさえアートの一部だ。

この巨大な空き缶は、家らしい!まあ、このように海に面した場所に建てられた家って、超絶的に値段が高いので、普通の人はこんなサイズじゃないと住めないのかも…。

そうそう、日本人アーティストによる作品がかなり多かったのも興味深かった。

この、自然とアンマッチな金属でできている作品も日本人アーティストだった。違和感があるけど、それが却って作品を引き立たせているように感じた。

ボランティアの人がいて、「寄付はどうですか?」と聞いてくる。

このイベントは無料なのでもちろん寄付をしなくてもいいのだが、こんなに素敵なものを見せてもらったのなら、喜んで寄付をしますわ…と$5を払った。

これも、キャッシュレスが進んでいるオーストラリアならではで、ボランティアが持っているクレジットカード決済の端末に自分のケータイをかざすだけ。5秒もあればできてしまう。

海風に吹かれながら、素敵な彫刻を見ながらそぞろ歩き。とてもシドニーらしいイベントだと思う。



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