スクリーンショット_2019-08-23_11

ドラッグストア大手業界再編!ココカラファインを分析してみた。

今年度に入ってドラッグストア大手の業界再編が話題になっています。

その中でもココカラファインが2019年4月に業界5位のマツモトキヨシと資本提携することが発表され14日に正式に協議することが発表されました。

その間、スギホールディングス側もココカラファインに対して、統合をもちかけるなど、業界再編が今後起きることが予想されます。

今回はココカラファインについてメインで調べてみることにします。

まずはドラッグストア業界の市場規模を確認します。

ドラッグストア業界の市場規模

ドラッグストア市場規模としては経産省のデータから
2018年度には6兆4千億円となっています。
近年は医薬品販売から得た利益を元に
コンビニエンスストア型の商品ラインナップ、
もしくは
大型スーパーよりの商品ラインナップを行っている
ドラッグストアも増えてきているようです。

ドラッグストア市場規模推移と市場成長率

毎年市場規模としては増加していっていることが
このグラフからも確認できます。

ドラッグストア市場規模成長率

市場成長率
2015年-2016年 6.8% 
2016年-2017年 5.8%
2017年-2018年 5.1%

過去から伸びている市場成長率は毎年鈍化しているようにも見えるので、
早い段階で手を打つためにもドラッグストア業界としては
資本提携・経営統合など検討していることが考えれます。

ココカラファイン売上高・営業利益

毎年売上高は伸びており、直近2019年3月期で確認すると
売上4005億円、経常利益152億円という実績なっています。

ココカラファインセグメント別売上

セグメント別でみると、医薬品・化粧品で60%ほどを占めているのが分かります。さらにもう少し医薬品の詳細をみると
一般薬品が528憶円、調剤が587憶円ということで調剤医薬品の比重がドラッグストアの市場規模と比較しても高いことがわかります。

ココカラ公式アプリの累計ダウンロード件数が110万件と計画を大幅に上回るなど、未来の消費行動に軸足を置いた顧客創造を推進することができました。

また上記は決算書からの引用になりますが、
アプリのダウンロード数が110万人となったということで
お客様情報の獲得についても力をいれているようです。

ココカラファインの決算説明会資料の中にアプリについて
の言及があったので引用します。

調剤薬局でのお薬手帳アプリとココカラ公式アプリにおける連携によって、顧客の固定化を図っているという図式です。

お客様の増加数を急激に増やしていることからこの施策は非常にあたっているということで店舗数1,354店において、店舗のリピーターをつかんでいく道筋を固めているといえるでしょう。

ちなみに1店舗あたりの平均売上高は3,581億円÷1,354店で、
約2.6憶円ほどになっています。

有価証券報告書
・1㎡あたりの売上高は65.3万円
・従業員1人あたりの売上高は3,114万円

ココカラファインキャッシュフローについて

・営業CF 93.9憶円
・投資CF  -90.2憶円
・財務CF  -20.3億円

キャッシュフローについては比較的安定しており、
1年ごとに営業CFに合わせて、投資を行いながら
財務キャッシュフローも調整しているというような形になっております。
もう少し投資キャッシュフローと財務キャッシュフローについて
確認してみましょう。

投資キャッシュフローに関しては有形固定資産の取得に数百億円を投資していることがわかります。

また財務キャッシュフローについて確認すると2018年度3月期は自己株式の取得27億円配当金の支払い17億円、2019年度3月期は配当金の支払に18億円支出しています。

過去の年度も同様に投資キャッシュフローと財務キャッシュフローを確認すると、同様の投資をしています。

基本的には店舗出店に伴う新規店舗の改装等による有形固定資産の取得が大きく、資金に余力がある年には財務キャッシュフローで配当金に加えて、自己株式の取得をするという資金の使い方をしています。

ココカラファインの貸借対照表(BS)

ココカラファインの貸借対照表についても確認しておきましょう。

・流動資産  1,072億円
・固定資産     656億円
・流動負債     698億円
・固定負債     787億円
・純資産      951億円

が比較的大きいが全体として売上に対してはBSはそこまで大きくない形になっております。基本的には仕入れて販売するという小売店モデルのためだと考えられます。

流動資産の中身については棚卸資産が40%、現金及び預金が15%になっております。基本的には小売店型の場合にはそこまで現金保有をしておく必要がないので、こうした貸借対照表になっています。

ドラッグストア企業上位7社、売上高・営業利益・店舗数一覧

ちなみにもしココカラファインとスギHDもしくはマツモトキヨシHDどちらかと合併した場合には一気に業界1位となります。

医療用医薬品については対面販売が法律となっており、ネット通販の可能性はありませんが、一般薬品のほとんどはネット通販も可能となっているため、家電量販店業界のように再編が進む可能性もあります。

ただ、現状は冒頭でみたように市場規模が年率で5%ほど伸びている状態のため、早急にすすむというわけではないと思いますが、今後も注視して各社のM&A状況、また提携のニュースなどを見ていきたいと思います。

株式会社SYGでは、ストック型上場企業を中心に決算書や経営状況、今後の成長性などの解説・分析などを記事にして発信しています。