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西陽さす窓辺

会ってみたかった その物語の先は

理由も告げず もう溶け込んでいたりする

外国の香りのするお店の中で

とびきりの宝物を見つけてしまう時みたいに

うっとりするような時間が “誰か”を包む


きっと気付く前から そこにあって

よく注意していないと 感じられない

嬉しくもあり 懐かしくもあり

もっと言えば 少し切なくもある物語


余計に恋しくなったときは

暗くなるまで待たないで 待宵人

眠りにつけない 浅い呼吸を

無理矢理に何かで まぎらわせなくていい

練習したって

まだ どうにも出来ない日もあるでしょ?

すらすらと 読める物語だけが

良いわけじゃないと思うから

上手くやれない日も きっといつかは

西陽の窓辺で ぼくが読む物語になる



揺れる心の穂先を

ゆっくりと

確かめるようにページをめくって

君だけの ぼくだけの

物語を旅するように








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