デキる壁打ちの「壁」になる!
こんにちは、シナジーマーケティング荒木です。
前回張り切って文字数がすごかったので、今回はクールダウンしてお届けします。(前回の記事はこちら)
今回のお題はすばり「壁打ち」です。
1.「壁打ち」ってなぁに?
みなさんはこの「壁打ち」ってやったことありますか?テニスとかのではなく、いわゆるビジネスのほうの「壁打ち」です。
一般的に「壁打ち」とは、話を誰かに聞いてもらって考えを整理すること。アドバイスや意見への答えを求めるのではなく、考えたことの整理を主な目的として行われています。
シナジーマーケティングでは、いかにお客様に「適した提案」をお届けするかという点に心を砕いているメンバーも多いので、壁打ちして思考の整理を行うと、新しいアイデアが浮かぶことも多く、活用されていると感じています。
私が若いころはあまり周囲にこういう文化がなかったので(ggrksだった)いいものだなぁと思っていまして、30半ば過ぎからは壁打ち相手としてもお声掛けをいただくことも増えてきたこともあり、積極的に壁役を努めています。
でも、この「壁役」がどういう風に思って参加しているかということは、あまり聞いたことってないなと思いましたので、今回は私の「壁役」を務めるにあたって大事にしているポイントをお伝えしたいと思います。
2.「壁役」として注力していること
私が所属するシナジーマーケティングのクラウド事業部では、特にデジタル領域に関するコンサルティングや伴走サポート、施策運用のフォローを行うことが多いのですが、最近の壁打ちでは特に「事業会社側の視点・心理を理解して、しっかり施策に反映させたい」というご相談が多いです。
その根底には、デジタル施策だからといって、システマチックに効率よく、ロジカルに考えただけの提案では、シナジーが理想とする「本当の意味での伴走※」にはならないという思いから、こういうご相談を頂けていると思います。(※シナジーマーケティングが目指す伴走はこちら)
私が事業会社でのCRM実務担当が長かったこともあり、壁打ち相手としてはもってこいなのかと思いますし、私としても経験を生かしてお話しできるので、期待に応えて一心に「壁」に従事できます。
そして、私がこの壁打ちの際に気を付けていることは2点あります。
①相手が求める「着地点」を決めておく
私個人の考えですが「壁打ち」というものは、最後にある程度「形」が見えるよう着地するべきと考えています。ただ、その「着地の形」は人によって、またクライアントによって求められるものが違うため、本人もはっきり認識していないことも多いと思います。
でも経験上、どんなにぼんやりしていても、互いに壁打ちするうえでの「目指す場所」は双方で認識を合わせていたほうが最終的に「形」にしやすいと思っています。特に提案に関わるものであればなおさら、壁打ちである程度の形にしておくと、より具体的な提案につなげられます。
そのため私との壁打ちをしていただく場合、「あなたはこの壁打ち後に最終的にどうなっていたい?」と相手に聞くところから始まります。
もちろん、それまでの話のなかで聞けていれば、省略してしまいますが、ほとんどはここがスタートになります。
例として、デジタル施策関連の壁打ちで聞いた最初の「着地点の形」は、こんな感じです。
正直ここまで具体的に着地の形ができていれば「壁役」としてはすごくありがたいです。でももっと漠然としていてもいい、または壁打ちの中で段階的に具体化してもいいと思っています。要は最初の時点で双方がおぼろげにでも認識合わせができていたらそれでOKです。
個人的には、これを行ったほうが「壁打ちの精度」は高まると思いますし、壁打ち相手との緊張をほぐすためのアイスブレイク的な意味合いも含めているので、これからも続けたいなと思っています。
②相手が打ち返せる「球」をしっかり返す
もうひとつ、壁打ち相手に「球(返答)」を返す際に注力していることが「さらに打ち返してもらえるような球を戻す」ということです。
いわゆるきちんとラリーが続くように返すことを重要視しています。
仕事をしてきて年数を経ると、色々な経験を重ねているため、一つの成功事例を「絶対の正」としてとらえがちになります。壁打ち相手にそう伝えてしまうと、そこで相手も自分も思考停止し、壁打ちのラリーもあっという間に終了になってしまうことも。
壁打ちはあくまでも「相手の思考を整理すること」を目的としているため、適切に打ち合う数を多くして、より思考を深め鋭くとがらせていくことが大事です。
ですので、成功事例を伝えるにしても断定的に伝えるだけではなく、
など、相手が打ち返しやすいような投げかけで返すと、相手は自分で考える機会を得るので、より自身でもかみ砕いたアウトプットがでやすくなります。
もちろん、このアウトプットをする時点で詰まってしまうときもありますし、そこで悩んでしまうこともあると思います。
でもそれは「壁役のかみ砕き方」が足りないため、相手が具体化できずに思考が止まって返せなくなってしまっていることも多いのかなと思います。
つまり、壁側がもっとしっかりかみ砕いて、返答しやすさの粒度を細かくしたうえで、相手が「想像しやすい・返答しやすい形」で伝えることで、ラリーは続いていくのではないかと考えています。
例えばこんな感じです。
このように、相手に合わせてより具体的にかみ砕いて伝えることで、想像・イメージが具体的になり、アイディアや提案の具体的な内容も思いつきやすくなります。
つまり壁打ちの「壁」はただ思ったことを言って終わりでなく、相手が返しやすい「球」で戻して、さらに打ち返してもらえることが重要で、相手自身が「答え」に近いところに寄ってこれるよう導くことが大切なポイントになります。
この返答の「球」により、相手に気持ちよく自分の考えを吐き出してもらうことができれば、壁打ちも成功しやすくなり、提案やアイディアの精度も高まっていくと思います。
3.「壁」の役割を果たすために
ここまで、私が壁打ちの「壁役」を務めるにあたって、何を重視して対応しているか大きく2つに分けて書いてきました。
はたから見ると、壁打ちって喧々諤々好きに話してるのかなーと見えるかもしれませんが、受け止める側の「壁役」が相手をしっかり導くことで、よりよい壁打ちになり、最終的にお客様へのしっかりとした伴走サポートにつながっていきます。ここまでできれば、壁役としてもとてもうれしく思います。
ただこれらの「壁役」を全うするために必要なことは、壁打ちそのものをうまく進めるスキルも大事ですが、壁役としての「球」の種類を豊富にするために、新しい情報を収集し常にアップデートしておく必要があります。
そういう点からも、年数・経験を経てきている私のような中間の世代にこそ、「壁打ち相手を務める」という経験自体がほどよい刺激を注入できて自身のスキルアップにも最適と思いますので、ぜひ壁役を引き受けてみることをお勧めします。
4.「壁」がいない方の「壁」になる!
さて、ここまで壁打ちの「壁役」について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?もし壁役を担う機会がある際には、ぜひこのポイントを参考にチャレンジして頂きたいなと思っています。
そしてここまでお伝えしてる通り、シナジーマーケティングでは、コミュニケーションの一環としても壁打ちを行う文化があり、それはとても良いところと思っています。
でも一般的に、そこまでぶつかり合える壁打ち相手が社内にいるかというとそうではないという方も多いと思います。運よくいたとしても、求めるものが返ってくるラリーができるかというと、互いのスキルや経験的にうまくいかないケースも多々あるかと思います。
当社のお客様や個人的な知り合いからも、そんなお悩みの相談をいただく機会が結構あります。困っているというお話を聞くたびに、「そういえば私もそうだったな・・・」と遠い目をしながら、CRMぼっち担当として頑張った日々を思い出したりしています。
そんな思いもあり、これからも社内だけでなく色々な方の「壁役」になれたらと思っています。
これまでいろいろと経験を積ませて頂いたことで、相手に返せる「球の種類」も増えてきており、壁役としては少しは役に立てるようになったかな、思っています。もちろんこれからもしっかり「壁役」が務まるように情報収集やスキルを磨きながら、準備してまいります。
ぜひこの記事を読んでいただいた方で「壁打ち相手」を探されてる方がいらっしゃいましたら、社外の方でも社内の方でも、お気軽にご相談いただければうれしいです。
それでは、今回はここまでとなります。
ご拝読頂きありがとうございました。次こそ前記事の続きをかきますので、そちらもぜひお楽しみに。
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