声を奪ふ――山之口貘に倣つて(「現代短歌」2017年2月号)

るんぺん、とみづからを呼ぶ詩集にてかの人つくづく生き続けたり

ガンジューイ【(お元気か)】 いいえちつとも元気ではないです声を奪はれ慣れて

名づけ得ぬこころに沿つて這はせたる言葉よ、鉄条網になつても

受け取つた二千円札は釣り銭に混ぜるなと云ふ業務マニュアル

吹出物のやうに地球にしがみつく(自虐だと笑ふ者はわらへ)

描かれるたびにわたしはほんたうの声が何だか忘れてしまふ

奪はれてもうばひかへしてしまつたらおまへの顔のわたしが笑ふ

(特集「沖縄を詠む」掲載7首。ルビは【】で示した)

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濱松哲朗

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