冒険のためのブルレスケ(24首)

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鍵穴に鍵をまはしてかつちりと朝はひかりの契約と成す

ゆるやかにカーブするとき快速に取り込まれたる人傾きぬ

通過する駅は眩暈のやうにあり風を拒んでゐるホームドア

金運が上がると謳ふトランクス三枚組で売られてゐたり

胸に手を当てて話を聞いてゐる此処が急所と悟られながら

あ、知つてる、ピンチでCM入れる奴 おまへの残り話数はいくつだ

消しゴムの腹のあたりにみるみると入りたる傷われを統べゆく

ミンティアを咬みつつ睨む校正刷のうへトルツメののちのほほゑみ僅か   【*校正刷=ゲラ】

石鹸にこびりつきたる人毛よ人為的ミスで人権がない

課金させて頂いてゐる自負を以て十連ガチャを真顔でまはす

しやぼん玉生まれるたびに死んでゆくうつり込みたる街もろともに

古本のワゴンセールに原色の背表紙むつとして並びをり

寝過ごした夜の電車にどんぐりのやうな記憶を忘れてしまふ

エスニック風カップ麺啜りつつ胸にしづかに降ろすシャッター

休日は生クリームを塗りたくる多分みんなはスポンジのうへ

ご臨終ごつこ 五月の縁側を敷き詰めてゆく白いハンカチ

坂のある街に見かける陽だまりと階段、そこに似合ふ猫たち

やーい、おまへの母ちやんパーリーピー 植木鉢ごと土に埋める

赤道に向かつて歩く 白シャツでトマト系頼むほどのスリルを

間違つた駅だと気づくまひるまの空白 枯れてゐるのは身体

スタンプの趣味の合はない知り合ひに草生やされて焼け野原なり

乗り換へのうごめきにゐて手の中のペットボトルは陽を溜めてをり

Bメロのやうな転機と思ふ時ぼくらは生きる喉を燃やして

冒険は必ず終はる ガムテープ手で切るほどの昂揚ののち

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冒険のためのブルレスケ(24首)

濱松哲朗

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濱松哲朗

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